riri_♡さんリクエスト
雑貨屋から出てきた彼女は、満足そうに紙袋をゆらゆら揺らしている。
今日の格好は、緩めに巻かれたセミロングに、淡い桃色のワンピース。よく見れば爪には前とは違う色が。
もう、前に会った時よりも随分と可愛くなっちゃって。
今日は付き合って初めてのデートだから、気合いを入れてきてくれたのだろうか
だとしたらもう、ほんとに可愛いね。○○ちゃんは。
なんて、本人には恥ずかしくて伝えられない思いがさっきからずっと頭を過ぎるばかり。
本当は手なんか繋いだり…なんて妄想が膨らむけど、やっぱり照れが勝っちゃうもんで。
自分の弱さにため息が零れそうになる。
sngm
それなりに大きな紙袋には、きっと沢山の彼女の“好き"が詰まっているのだろう。
また嬉しそうに笑う彼女に、つられてこっちまで笑顔になってしまう
sngm
その声が可愛くて、甘くて仕方なくて
本当に彼女は僕をときめかせる天才だと思う。
ここが屋外じゃなかったら、間違いなく抱きしめてたしめちゃくちゃにしてた。
そんなやましい思いを頭の隅に閉じ込めたころ、彼女が赤い唇を開く。
紫色をした目が僕を見る
この見覚えのあるカラコン、もしかして。
sngm
そんなに可愛いことを言われたら、僕も年上の余裕なんてなくなって
いや、最初からなかったみたいで
sngm
小学生みたいな幼い文句が口から零れた。
恥ずかしく揺らぐ瞳と、小さく噛んだ赤い唇。
やっと付き合えて、嬉しくて舞い上がってたら突然仕事や体調不良やらでバタバタしちゃって
僕も彼女との時間を全く作れていなくて寂しく思っていたから、彼女も同じだったんだと知って口元が綻んだ
sngm
柔らかな、ふにゃりとした感触が手に伝わる。
次に温もりが伝わってきて、手元に目を向けると、僕の手にちょこんと乗っかっている彼女の手。
本当は自分から繋ぎたかったんだけど、照れと戦っている間に先を越されてしまった。
恥ずかしそうに綺麗な瞳と真っ黒な睫毛が下を向く
ほんと、そんな可愛い言葉どこで覚えてきたの?
sngm
雑に言葉を発して、つん、と唇を尖らせた
sngm
乗っかっているだけの手を絡めても、まだ納得行かなそうな表情を浮かべる彼女に、ずっと頭を過ぎるだけだった言葉を伝える。
sngm
すると、さっきまでの不満気な表情は何処へやら。 眦をとろりと下げて満足気な表情に。
滅多に聞かない強気な言葉に、それとは反対に可愛げのある表情にくらりと眩暈がした。