コメント
2件
最高でした
―後日、町田家―
クラスメイトからの手酷い発言を受けたあんずは、転校するその日まで、学校へと行くのをやめた。
あんずは玄関口で荷物をまとめてながら、苛立った様子でガムテープを切る。
彼女はひとりで、小学生から見れば重労働とも言える、引越し作業をしていた。
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
怒りに任せて、拳で机を叩いたあんずの前に、父が現れる。
出勤日で着ているスーツよりも、しっかりした格好の父に、あんずは驚きの声を上げた。
お父さん
あんず
あんず
お父さん
お父さん
お父さん
あんず
あんず
お父さん
お父さんはポケットから封筒を取り出し、それをあんずに渡す。
あんず
お父さん
あんず
お父さん
お父さん
あんず
あんず
恐る恐る、震える指で、 あんずは封を開けていく。
そして中に入っていた一枚の手紙を取り出すと、ゆっくり開いて読み始めた。
バッキンガム野口
バッキンガム野口
バッキンガム野口
あんず
あんず
あんず
あんずは手に持っていた手紙を破り捨て、床に散らばった紙くずを踏みつけながら、自室へと駆け込む。
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
だが、そんな願いなど叶うはずもなく、日曜日はやってくる。
あんずは父に連れられて、電車に乗ってある場所までやって来た。
―株式会社カミノベル出版― ―オフィスの一室―
バッキンガム野口
マコ
あんず
バッキンガム野口
マコ
マコ
バッキンガム野口
バッキンガム野口
バッキンガム野口
バッキンガム野口
あんず
あんず
マコ
あんず
バッキンガム野口
マコ
マコ
マコ
お父さん
お父さん
バッキンガム野口
バッキンガム野口
あんず
あんず
モチモチ犬
バッキンガム野口
バッキンガム野口
バッキンガム野口
モチモチ犬
マコ
モチモチ犬
モチモチ犬
あんず
モチモチ犬
あんず
マコ
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
あんず
バッキンガム野口
バッキンガム野口
お父さん
モチモチ犬
モチモチ犬
お父さん
お父さん
お父さん
モチモチ犬
モチモチ犬
モチモチ犬
お父さん
お父さん
あんず
初めて見る父の土下座は、広いはずの父の背を小さく、惨めに見せる。
かすかに震える彼の姿に、モチモチ犬のペンネームを持つ女は、溜飲を下げたらしい。
ふん、と鼻を鳴らして、彼女は改めて自席へと座った。
あんず
お父さん
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんず
あんずは声を上げて、みっともなく泣き出した。
自分がしたことを悔いて、これから起こるであろう罰に怯えて。
時が経ち、10年後。
あんずもまた、世間一般の若者同様、学生から社会人になろうとしていた。
―引っ越した町田家―
22歳のあんず
お父さん
お父さん
お父さん
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
お父さん
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
お父さん
お父さん
お父さん
22歳のあんず
22歳のあんず
お父さん
お父さん
22歳のあんず
22歳のあんず
お父さん
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
22歳のあんず
こんなことを言ったところで、結末は変わらない。
今流行りのライトノベルのような、時を逆行して、歴史を都合よく改変するミラクルなど、当然起きるわけもない。
型落ちしたスマホに並ぶ、大量の不採用通知は、まるであんずの人生そのものと言えよう。
他人からの承認を求め続けた結果、こうして、誰からも必要とされなくなったのだから。
そして、その事実を受け入れるしかないあんずは、自分の境遇を呪うことしかできないのだった……
ワタシノホコリ 完