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枯柳丈道
おーい！瑠衣！
物怪瑠衣
おっさん、こっち
枯柳丈道
待たせたな、私が代わろう
……呼吸は弱いなあまり悠長に構えて居られないか、脈は…頻脈だな
……呼吸は弱いなあまり悠長に構えて居られないか、脈は…頻脈だな
物怪瑠衣
俺皇の鞄持つよぬいぐるみも…
枯柳丈道
ありがとう、瑠衣急ごう
物怪瑠衣
おう！
ホークアイズ事務所
枯柳丈道
仁戻ったぞ
司波仁
頼まれたものは買って来た
枯柳丈道
皇くんを取り敢えずソファに寝かせるか
司波仁
俺がやるおっさんは、氷水を作ってくれ体温を調整する
物怪瑠衣
俺体温計で先に熱測るよ
司波仁
頼む
物怪瑠衣
えっと……
枯柳丈道
瑠衣、書類入れの隣だ救急箱の中にある
物怪瑠衣
さんきゅー！
皇千ト
はぁ、はぁ…はぁ…っゔ…
ピピピピ…🌡️
物怪瑠衣
鳴った…えー…と、、、、は？
司波仁
何度だ
物怪瑠衣
40度…ヤバいじゃん！？
枯柳丈道
何だと！？
司波仁
異能の使い過ぎか…恐らく脳に負担がかかり過ぎてショートしているんだ
物怪瑠衣
けどよ、普通気づかねぇ？コイツなら尚更
枯柳丈道
思い出してみろ瑠衣、冷凍庫に閉じ込められた時脱ごうとしただろ、それと同じだ
司波仁
基礎体温が元々高いのと脳が極度に疲弊して意識が混濁しかかっていたんだろ
皇千ト
ん…ゲホッ、ゲホッゲホッ！！！…ﾋｭｯ、ﾋｭｯ
枯柳丈道
過呼吸だ、瑠衣洗面器を用意してくれ戻すかも知れない
物怪瑠衣
わ、分かった！
皇千ト
ゔっ、ゔぅ…ﾋｭｯ、ﾊｯ…ﾋｭｯ、ﾋｭｰ
司波仁
皇千ト、俺の事分かるか？
皇千ト
…しば…じん、さん
司波仁
よし、記憶は大丈夫か苦しいな吐きそうか？
皇千ト
気持ち悪い…
物怪瑠衣
持ってきた！
司波仁
ありがとう、瑠衣は星喰兄弟に連絡して見てくれ
物怪瑠衣
分かった！
枯柳丈道
大丈夫だから、ここに吐きなさい我慢しなくていい
皇千ト
ゔっ、ヴぇぇぇ…っ
司波仁
背中摩るぞ
皇千ト
、！？っオェぇぇ…ゲホッゲホッ……はぁっ、あ…
物怪瑠衣
なぁ、先に救急車呼んだ方が良くねぇか？
枯柳丈道
そうだな、瑠衣頼めるか？星喰兄弟より先に救急車だ、倒れた場面は瑠衣しか見ていないからな
物怪瑠衣
分かった！
物怪瑠衣
ーー！ーー
皇千ト
あつ…ぃ…
司波仁
40度も熱がある状態だからな当然だ、違和感はなかったのか？
皇千ト
な…んか、朝起きて、今日…暑いなって…けど僕…平均が、たか、い、、から
枯柳丈道
やはりな
物怪瑠衣
10分で救急車来るって
司波仁
分かった
枯柳丈道
気休め程度にしかならんが、冷えピタと両脇、首…太ももを冷やそう
皇千ト
ゔぅ…(瑠衣の腕を引っ張る)
物怪瑠衣
…？おわっ！えっ何？
皇千ト
めて…く、…
枯柳丈道
不味いな、殆ど目が見えてないのか？幻覚か？
物怪瑠衣
！？皇の目何かおかしくね？
枯柳丈道
何がだ？
物怪瑠衣
仁が千里眼使う時みたく青く光ってる！
司波仁
異能が制御出来ていないんだ
枯柳丈道
仁…お前さっき脳に負担がかかり過ぎてると言っていたな、熱が出ている状態で今脳に更に負担がかかったら…
司波仁
恐らく命の危機になる！
クソ！早く救急車が来ないと間に合わない
クソ！早く救急車が来ないと間に合わない
物怪瑠衣
あ！繋がった！
星喰右手
ホークアイズの物怪瑠衣くん、でしたか真っ青な顔でどうしました？
物怪瑠衣
皇がヤバいんだよ！
星喰右手
！！？千トが？、物怪くん落ち着いて状況教えて貰えますか？、左手！！今すぐ車のキーを！
星喰左手
やっぱりか、…兄貴！(投げる)
物怪瑠衣
えっと…俺が紋躯町の4丁目あたり歩いてたら皇がふらふらしてて急に倒れたから慌ててホークアイズの事務所まで連れて来たんだ
星喰右手
では、千トは今ホークアイズの元にいるんですね、分かりました、枯柳さんに代われますか？
物怪瑠衣
オッケー、おっさん！星喰の兄貴の方
枯柳丈道
代わった、私が現場まで迎えに行った時には意識がなく熱が高かったから取り敢えずウチの事務所で体温を下げていたら過呼吸で嘔吐してしまった
星喰右手
高熱、過呼吸、嘔吐…頭痛あたりもありそうですね…
枯柳丈道
今瑠衣の事を右手君と呼んでいて恐らく意識が混濁して幻覚を見ているか視界がボヤけている
星喰左手
不味いな…
枯柳丈道
ひとまず救急車を呼んだが、異能が暴発しているのか2分程目が青く光っている
物怪瑠衣
血ぃ吐いた
星喰左手
2分！？長いな…
星喰右手
仕方ない、枯柳さん千トの黒いリュックの手前小さいポケットにステンレス製のケースがありませんか
物怪瑠衣
あっ！あった
星喰右手
その中に注射器💉とアンプルが入ってます、注射器の0.5のメモリまで薬を吸い上げて肘内側すぐ下の血管から打ってください
枯柳丈道
分かった！瑠衣下がれ私がやる
物怪瑠衣
分かった
星喰左手
俺らの方が、早く着くだろうからもう少し千トを頼む
物怪瑠衣
通信繋いでおくから事故んなよ！
星喰左手
どーも
枯柳丈道
瑠衣皇くんの体を押さえてくれ
物怪瑠衣
こうか
枯柳丈道
そうだ仁、上腕を少し強めに握ってくれ
血管が浮き出るはずだから
血管が浮き出るはずだから
司波仁
分かった
枯柳丈道
こっちが動脈で…この弾力のある血管…ここだ
皇千ト
…………
星喰左手
着いた！
物怪瑠衣
俺が行く
枯柳丈道
頼む、通信切るぞ
星喰右手
はい
物怪瑠衣
連れて来たぜ！
星喰右手
申し訳ありません、手間かけさせてしまい
枯柳丈道
大丈夫だ、それよりも皇くんの側に居てあげてくれ、瑠衣救急車はまだか？
司波仁
こっちだ、今は薬の効果か眠ってる
物怪瑠衣
ーー！
枯柳丈道
瑠衣大丈夫か、私が変わるよ少し深呼吸して落ち着きなさい
物怪瑠衣
お、おぅ…
星喰右手
今、強制的に気絶させて異能が使えない様にしましたからこれ以上脳に負担がかかる心配はありません
星喰左手
悪かったな…
司波仁
礼なら瑠衣に言ってくれ、俺とおっさんは瑠衣の手助けをしただけだ
枯柳丈道
どうやらこの先で事故が発生して遠回りする必要があるそうだ、早くて10分伸びるそうだ
物怪瑠衣
はぁ、？タイミング悪過ぎだろ
星喰右手
仕方ありません、救急車到着まで対処療法しつつ私達も同席させて頂きます
司波仁
構わない、丁度依頼もないからな
星喰左手
散歩から帰って来て千トが俺に抱きついてきた時何となく体温高い気はしてたんだけどな…
星喰右手
朝食中口数が少し少なかったので帰って来たら休ませて話を聞くと、我々の中で決まってたので帰りを待っていたのですが
星喰左手
行かせるべきじゃなかった
星喰右手
ええ…
枯柳丈道
けど、皇くんも偶には1人になりたかったんじゃないか？だからお前達がそこまで思い詰めなくても大丈夫だ
物怪瑠衣
それにさ、注射のおかげで今は落ち着いてんだから大丈夫だろ
司波仁
お前達が日頃から最悪の事態を想定して薬を持ち歩かせていた、冷静に指示を出してくれたから俺達も慌てずに済んだ
星喰左手
千ト…無茶しやがって…
星喰右手
っ…
物怪瑠衣
おい、大丈夫か？腹痛いのか？
星喰右手
いえ、実は先日撃たれてしまいまして…
物怪瑠衣
えっ…？鋼の腹筋？
枯柳丈道
こら瑠衣
星喰右手
いえいえ、生憎そこまで強靭な腹筋ではありませんよ笑防弾プレートをしていた為助かったのですが、やはり拳銃の威力が勝ってしまって内臓に響いているだけです
星喰左手
〜っ…(泣きそう)
物怪瑠衣
……仁、おっさん少し３人だけにしてやろうぜ
枯柳丈道
…そうだな
司波仁
だが…
枯柳丈道
いいから、来い…見られたくない物の１つや２つ誰にだってあるだろう
物怪瑠衣
救急車来るまで俺ら隣の部屋居るからさ何か必要な事あったら言ってくれな
星喰左手
………
小刻みに左手の肩が震える…
星喰右手
ありがとうございます、
瑠衣くん…お気遣い感謝します
瑠衣くん…お気遣い感謝します
星喰右手
…左手、ここには私しか居ません…千トは眠ってますから
星喰左手
…怖い…久々に震え止まんね……な、兄貴っ…千ト、死なねぇよな？大丈夫だよな…
星喰右手
大丈夫です、ほら千トの心臓はきちんと動いている…心配ですよね
星喰左手
意地でも止めりゃ良かった…
星喰右手
……(背中トントン)
ホークアイズ、仮眠室
枯柳丈道
仁、何で瑠衣が別室に行こうとしたかわかるか？
司波仁
何でだ
枯柳丈道
さっきな星喰兄弟の弟、左手が涙を堪えてたんだきっと…自分が気付いたのに止めなかったから目の前で意識を失ってぐったりしているのを見て辛くなったんだろう
司波仁
瑠衣…気付いたのか
物怪瑠衣
そー、ほら左手ってさ基本からかって遊んだりイタズラ大好きな感じで仁にも絡んで来んじゃん？
司波仁
ああ…
物怪瑠衣
仁だって…俺に泣いてるところ見られたく無いだろ、左手も同じだと思ったんだよ…普段明るい奴ほど弱い所は隠したいもんだから…俺も
司波仁
……瑠衣も泣きたい時あるのか
物怪瑠衣
あるよ…どうしても俺は記録者として必要なスキルが無いし馬鹿だから…喧嘩でしか2人の役に立たない…
枯柳丈道
瑠衣…
物怪瑠衣
…俺は弱いんだよ仁に憧れて張り合って…俺自分でも何してんのか分からなくなる…事件を解決したらやっぱり仁とかおっさんが……っ…あれ？…
司波仁
瑠衣…
物怪瑠衣
…は、はは…かっこ悪りー俺…っ本当…っ俺は優しくする事しか出来ねぇし頭悪いから…
枯柳丈道
…
ギュッ
物怪瑠衣
……？
枯柳丈道
瑠衣…お前…本当に私達の役に立って無いと思っているのか？
物怪瑠衣
……偶に不安になる…
枯柳丈道
瑠衣は優しいし、喧嘩も強い…何より私と仁には無い瑠衣だけの武器があるじゃないか
物怪瑠衣
武器…？
司波仁
おっさんの言う通りだ
俺の頭に何かが被さる…仁の上着だ…
司波仁
お前は依頼者や弱者の心の痛みに寄り添う優しい心がある、身体能力だって俺はとっくに認めてるんだ、何より人一倍犯人へ怒り本気でぶつかる…
物怪瑠衣
……っ…う
司波仁
瑠衣は瑠衣だ…俺じゃないおっさんでもない…瑠衣だろ？俺の心が壊れそうな時お前だけは本気で俺を叱っただろ、「信じろ、仲間だろ」って
物怪瑠衣
あん時は仁が1人になったら何するか分かんなくて怖かったから…おっさんは戻ってくる…何て根拠ないけど…必死だった
司波仁
俺はお前にひどい事を言った、それでもお前は俺を離さなかった…瑠衣が居なかったら俺もおっさんもとっくにバラバラになってた
枯柳丈道
そうだぞ…瑠衣は強がりさんだからな…嫌かも知れないが私は瑠衣を甘やかすよ瑠衣も仁も大切な仲間だからな…いや最早家族だな
物怪瑠衣
じんっ…っごめん"…ん
司波仁
謝らなきゃいけない事された覚えはねぇよ
おっさんの横からパーカー越しに雑に俺の頭を撫でてくる…落ち着く手だな…
枯柳丈道
落ち着いたか？
物怪瑠衣
ん…
枯柳丈道
良かった、救急車着いたぞ
物怪瑠衣
本当だ、俺星喰んとこ行く
枯柳丈道
では私と仁で救急隊を案内しよう
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