テラーノベル
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午前3時まで仕事をしていた。 シャワーを浴びてベッドに入ったのが午前3時半頃。ウトウトと眠りについて、LINEの通知音で目が覚めた。 7時。 誰だよと思いつつ表示を見れば――あの子だ。 眠い頭を覚醒させる。 ランチの誘い。 嬉しい。 9時という早い時間にも、疑問なく「了解です」素直というかお人好しというか。 彼女と初めて出会ったのは、華子(はなこ)と仕事の打ち合わせ中。 駅前のカフェで仕事の話を終えてダラダラ他愛ない話をしていると、華子が「あっ、おーい!」と誰かを呼んだ。 それが彼女だった。 彼女は、華子を見るとパアッと顔を輝かせて、手を振り返した。可愛い子だなと思った。そしておれに気づくと、その輝きがスン⋯と消えた。あからさまで笑った。それがまた彼女の警戒心を増したようだった。 華子が「一緒にお茶しない?」と声をかけると「ありがとうございます」と言うものの、おれが気になる様子だったので、おれは立ち上がって「じゃ、またなー」と伝票を取る。華子は悪びれもせずに「ごちー」と言い、彼女に「座って座って」と椅子を引く。 彼女は不審そうな顔をしつつもおれにぺこりと頭を下げた。 2回目に会ったのは、やはり華子と一緒の時だった。 華子の家。 ピンポーンとチャイムが鳴り、華子は「いらっしゃーい!」と嬉しそうに迎え入れる。 彼女はおれを見てまた、戸惑ったような顔をした。華子はこの子をえらく気に入っているらしい。 「こんにちは」 と、彼女の方から声をかけてくれて、おれは「よ」と手を挙げた。 「お邪魔ではなかったですか?」 「全然! あ、この男は北条 時雨(ほうじょう しぐれ)。大学の同期で、今は仕事仲間。打ち合わせが終わったところ」 「そうなんてすか」 ちなみに華子のフルネームは陣屋通 華子(じんやどおり はなこ)という。職業は作家だ。おれはイラストレーターで、華子の小説の、あるシリーズの表紙・挿絵を描いている。 彼女も華子のことを相当好きな様子で、二人は女子トークに夢中だ。 おれは畳にゴロンと身体を倒す。自宅には和室がないので、華子の家のこの部屋は好きだ。縁側から風が入ってくる。 そのまま寝てしまった。 目を覚ますと、所在なさそうに、彼女がいた。 華子の姿はない。 「――華子は?」 「電話が来て、慌てて“図書館に行ってくる!”って。行っちゃいました」 「あー。また何か忘れてたな」 「北条さんが起きたら、鍵をかけるように伝えてと言われて」 「ったく⋯⋯――悪かったな。あんたは、華子のこと待つ?」 「いえ、お暇しようかと」 「じゃ、一緒に出るか」 「はい」 二人で華子の家を出、伝言通りに鍵をかける。 「じゃ、おれはこっちだから」 「はい」 彼女はまたぺこりと頭を下げた。 黙って向き合う。警戒してるのか? 「じゃーな」 手を振り、さっさと踵を返す。 いまいち掴みきれない子だ。 3回目に会ったのは、本屋。 ぶらりと見て回ったが、特に欲しい本もなく、帰ろうとしていたところ、あの子を見つけた。 「おう」 「あ、――こんにちは」 その両手に抱えられているものに目が留まった。薄い紙袋から透けて見える――おれの画集。 おれとその作者が同一人物だということを、華子は伝えていないらしい。 んー。 「LINE交換する?」 「えっ」 「やだ?」 「良い――ですけど⋯⋯」 動揺している。 携帯を取り出し、LINEのQRコードを出してくれた。読み取る。 「じゃ、またな」 「⋯⋯また、」 可愛いな。 4回目に会ったのは――また次回。
コメント
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第2話、読み終えたわ。 主人公の視点で彼女との距離が少しずつ縮まっていく感じ、すごく丁寧に描かれてて胸が温かくなった。特に、華子を介しての出会いから、本屋で偶然会ってLINE交換する流れ——無意識に「可愛いな」って思っちゃうあたり、ほっこりするよね。彼女の警戒心が徐々に解けていく伏線っぽくて続きが気になる。次回も楽しみにしてる🔥