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上の看板には、 『ペンギンゾーン』 の文字。
黒神ミレイ
ミレイさんが一番に駆けていく。 ガラスの向こうでは、何匹ものペンギンたちがよちよち歩いたり、 水の中を勢いよく泳いでいた。
黒神ミレイ
黒神ミレイ
ちょうど一匹のペンギンが水へ飛び込む。 シュバッ、と魚みたいな速さで泳いでいって、星奈ちゃんが目を丸くした。
浅薙星奈(あさなぎせな)
すると、その小さいペンギンが急に足を滑らせるみたいに転びそうになった。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんが思わず声を出す。 でもペンギンは何事もなかったように立ち上がって、そのまままた歩き始めた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさん達は、その笑顔を見て少し安心する。 さっきまでの苦しそうな様子が、少しだけ遠くなった気がしたからだった
黒神ミレイ
ナナセさん
黒神ミレイ
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
三途川メグリ
三途川メグリ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ミレイさんはペンギンアイス、 ナナセさんはコーヒー系のアイス、 メグリさんはクラゲソーダフロート、 星奈ちゃんは小さめの バニラアイスにした。
星奈ちゃんは小さく アイスをひと口食べる。 冷たさが喉に触れて、 少しだけ顔をしかめた。 それを見たナナセさんが気づく。
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさん
その横でミレイさんはもう口の周りにアイスをつけていた。
黒神ミレイ
メグリさんが笑いながら ティッシュを差し出す。
黒神ミレイ
アイスを食べ終わって少し休憩したあと、四人はお土産コーナーへ向かった。 入口を入った瞬間――
黒神ミレイ
棚にはペンギン、イルカ、クラゲのぬいぐるみやキーホルダーが ずらっと並んでいた。
黒神ミレイ
星奈ちゃんも思わず目を輝かせる。 ナナセさんとメグリさんは、その様子を少し後ろから微笑ましく見ていた。 しばらくして―― ミレイさんが急にある棚の前で止まった。
そこには、小さなペンギンのキーホルダーが並んでいた。 青いマフラーを巻いたものと、白いリボンをつけたもの。 ミレイさんが星奈ちゃんを見る。
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさん
三途川メグリ
黒神ミレイ
レジで会計を済ませると、二人はその場で早速カバンにつける。 揺れる小さなペンギンを見て、ミレイさんが満足そうに言った。
黒神ミレイ
ナナセさん
ナナセさんが笑う。 でも星奈ちゃんは、キーホルダーをそっと指で触りながら、 すごく嬉しそうな顔をしていた。
動物園組―― ハルトさん、ナギさん、ユウマくん、コウくん、ハカちゃん、マキちゃんは、水族館組と別れて動物園を回っていた。 最初に来たのはライオンエリア。
ユウマくん
ナギさん
ユウマくん
浅薙晃誠
ハカちゃん
ハカちゃんが即反応して コウくんの背中を叩く。
浅薙晃誠
マキちゃん
ハカちゃん
ハルトさん
小さく呟く。 ナギさんが横を見る。
ナギさん
ナギさん
浅薙晃誠
マキちゃん
全員そっちを見る。 木の上で丸くなって寝ている レッサーパンダ。
ハカちゃん
ハカちゃんが一瞬で顔をほころばせる。 するとユウマくんがスマホを向けながら、
ユウマくん
ハカちゃん
浅薙晃誠
ユウマくん
ナギさんとハルトさん
風が少し強く吹く。
動物園組はまだ知らない。 その頃、水族館側で星奈ちゃんに異変が起きていたことを。
動物園を一通り回ったあと。
ナギさん
マキちゃん
ユウマくん
マキちゃん
ハカちゃん
ユウマくん
そんな空気の中、ハルトさんのスマホが震えた。 画面を見る。 ――ナナセさんから。 ハルトさんの表情が一瞬で変わる
ハルトさん
ハルトさん
ユウマくん
ナギさん
ナナセさん
ハルトさん
ナナセさん
ハルトさん
ナギさん
ナナセさん
ハルトさん
ナギさんとハルトさん
ナギさんとハルトさん
ユウマくん
ハルトさん
車が止まった瞬間、ミレイさんがぱたぱたと駆け寄ってきた。
黒神ミレイ
ユウマくん
黒神ミレイ
マキちゃん
その後ろ姿を見送ってから―― ハルトさん、ナギさん、コウくんの三人は静かに車を降りた。 ミレイさんがさっきまで立っていた方向を見る。 少し離れた駐車場の端。 そこに、メグリさんとナナセさんに支えられるようにしている 星奈ちゃんの姿が見えた。
ハルトさん
ナギさんも真剣な顔になる。 コウくんは無言のまま、真っ先にそっちへ歩き出した。
浅薙星奈(あさなぎせな)
三途川メグリ
ナナセさん
ナギさんとハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
月下残響”。 人混みや雑音が増えるほど負担になる星奈ちゃんの代償。 水族館の休日の騒がしさは、想像以上だったのかもしれない。 コウくんが眉を寄せる。
浅薙晃誠
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
三途川メグリ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさんとハルトさん
浅薙晃誠
ナナセさんとメグリさん
ハルトさん
ハルトさん
ナナセさんとメグリさん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさんとメグリさん
ハルトさん
そしてナナセさんとメグリさんは、水族館の入口の方へ歩いていった。
駐車場の端。 星奈ちゃんは車にもたれながら静かに呼吸を整えていた。 コウくんは近くで腕を組みながら様子を見ている。 その時だった。
ハルトさんの視線が、 星奈ちゃんの口元で止まる。 ほんのわずかに残っていた赤い跡。 ナギさんも同じものに気づき、 表情が変わる。
ナギさんとハルトさん
ハルトさん
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
ナギさんとハルトさん
浅薙晃誠
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
姿が見えなくなると、ハルトさんは改めて星奈ちゃんを見る。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
星奈ちゃんは少し迷ってから答える。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
浅薙星奈(あさなぎせな)
楽しかった余韻が残っていた。 運転席にはハルトさん。 助手席にはナギさんが座っている。 後ろは星奈ちゃんとミレイさん。 その後ろにコウくん。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
その空気に少し安心したのか、星奈ちゃんも窓にもたれて目を細める。 すると前の席からハルトさんが、
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
車内には穏やかな音楽と、 静かなエンジン音。 でも、その空気の裏で―― ハルトさんとナギさんだけは、星奈ちゃんの体を気にしていた。
しばらく走ると、車内はかなり静かになっていた。 ミレイさんは完全に眠っていて、コウくんの壁にもたれたまま寝ている。 そんな中――
浅薙星奈(あさなぎせな)
後部座席から小さな咳が聞こえる。 ハルトさんの視線が すぐバックミラーへ向く。 星奈ちゃんは口元を押さえて俯いていた。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ナギさん
ナギさん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ミレイさん達を起こさないように、できるだけ静かな声で。 星奈ちゃんは苦しそうに息を整えながら、
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
車は静かに休憩所へ入っていく。 夜のサービスエリアは思ったより人が少なく、白い街灯だけが 駐車場を照らしていた。 ハルトさんがエンジンを切る。
ハルトさん
ナギさん
ナギさん
ハルトさん
ハルトさん
ハルトさん
星奈ちゃんが少し落ち着いてきた頃。 ナギさんはポケットからスマホを取り出して、短くメッセージを打つ。 その内容は――
ナギさん
ハルトさん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
その瞬間、ハルトさんは迷いなく星奈ちゃんをそっと抱き上げる。
浅薙星奈(あさなぎせな)
突然のお姫様抱っこに星奈ちゃんの目が丸くなる。 でもハルトさんの腕はしっかりしていて、 不思議と怖くなかった。
ハルトさん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙晃誠
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
コウくんの眠気が一気に飛ぶ。
浅薙晃誠
植物状態から目覚めたばかりの頃、 38キロまで落ちていた。 そこからやっと戻ってきて、家では48.5まで増えていたはずだった。 なのに――数日の旅行で45。 減り方が普通じゃない。 ナギさんが低い声を出す。
ナギさん
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
リバースペイン。 相手の苦痛や呪いを、自分側へ 逆流させる危険な術。 一時的には相手をかなり楽にできる。 その代わり、使用者への負荷は桁違いだった。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ハルトさん
その後、 車の揺れに合わせるように、星奈ちゃんは静かに眠っていた。 窓の外では夜の街灯が流れていく。 助手席のハルトさんはバックミラーをちらりと見て、小さく息を吐いた。
ハルトさん
黒神ミレイ
浅薙晃誠
──けれど。 その意識は、暗い精神世界へ沈んでいた。 冷たい闇。 音も、光もない場所。 星奈ちゃんが不安そうに 立ち尽くくしている。
冷たい闇。 音も、光もない場所。 星奈ちゃんが不安そうに 立ち尽くくしている。
浅薙星奈(あさなぎせな)
みゆ
浅薙星奈(あさなぎせな)
みゆ
みゆ
みゆ
呼吸が苦しくなる。 黒い影が足元から絡みつき、 身体を締めつける。
みゆ
みゆ
みゆ
みゆ
みゆ
みゆ
みゆ
現実の車内。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんが突然苦しそうに 胸を押さえた。 コウくんが慌てる。
浅薙晃誠
ミレイさんも涙目になる。
黒神ミレイ
ナギさん
その時。 眠ったままの星奈ちゃんが、小さく呟く。
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙晃誠
黒神ミレイ
ナギさん
ハルトさん
ハルトさん
みゆ
みゆ
──ドンッ!! 空間そのものが震えるような 轟音が響いた。 みゆちゃんの笑顔が止まる。 闇の奥から、灼けるような炎が広がった。
酒ーちゃん
あっくん
エムくん
狗っち
エムくん
ローゼちゃん
リツくん
リツくん
ヒバナちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
リゼリさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
茨ーちゃん
鈴ちゃん
みゆ
狗っち
リゼリさん
みゆ
あっくん
酒ーちゃん
あっくん
リツくん
茨ーちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
茨ーちゃん
茨ーちゃん
あっくん
狗っち
鈴ちゃん
オッキー
エムくん
その瞬間。 精神世界の遠くから、 現実の声が微かに響いた。
黒神ミレイ
ミレイさんの泣きそうな声。
浅薙晃誠
コウくんの必死な声。 それを聞いた星奈ちゃんの瞳に、 少しだけ光が戻った。
みゆ
浅薙星奈(あさなぎせな)
350
#取り憑かれた俺と黒神心霊相談所