俺は初めて出会った時からまろちゃんの事が好きやった。だからこそ、まろちゃんが誰に惚れたかすぐに気付いてしまった。
二人が恋人になったって報告してきた時に喜ぶべきやと自分を納得させたんやで? けど無理やった。何で俺じゃないの? 何で俺じゃ駄目なの? 俺には何が足りていないの?
モテモテの彼やから俺以外にも失恋した仲間は当然居て、なのに他の皆は笑顔で祝福してんねん…正気かと思った。 だって二度と自分の姿だけをまろちゃんの瞳に映す事が不可能な証拠やろ? 仲間としての信頼なんていらん。そんなモノよりも今までの人生で唯一欲しいと思ってしまったのがまろちゃんやったんや。
それでも、やっぱり大好きな笑顔を壊したいとは思えんくて少し躊躇った… そんな時に勝手に苦しんでるゆう君を見て僕の決心は揺るがないモノになった そんな軽い気持ちでまろちゃんを手に入れたのなら手から溢させなきゃいけない まろちゃんの中でゆう君は自分の居場所じゃないんやと錯覚させたらいい… もちろん、それで僕がまろちゃんを手に入れる事は不可能やろう。それでも良いから、憎しみでも良いから大好きなまろちゃんの視線を独り占めしたかったんや
結果として、まろちゃんは僕のことを恨んでくれなかったしゆう君を嫌ってはくれなかった…只々大好きな人と心の距離が開いてしまっただけの結果を手に入れて初めて少しの後悔が押し寄せてきたけど、その僕の中に生まれた後悔って感情はまろちゃんがくれた僕だけのモノやから…
だから今日も僕は笑い続ける まろちゃんの視線が悲しそうでも苦しそうでも…段々と僕やゆう君に興味のない視線を送ってきたとしても それら総て僕だけへ向けられた まろちゃんからの愛なのだから…