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主
主
主
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午前9時20分。
学生たちが講義を受ける時間。
そのとき、夜桜 輝は学園の「特別医療棟」の個室にいた。
白い壁。無機質な空気。
目の前には、医務主任の葉山(はやま)
――40代後半、無口だが信頼できる男。
葉山
紙のファイルが机の上に置かれる。
一瞬で読み取る。だが、理解したくない。
輝
葉山は視線を外さず、静かに言った。
葉山
輝
葉山
数秒の沈黙。
葉山
“あと半年”
葉山
その言葉は、静かに、しかし鋭利な刃のように輝の心臓を貫いた。
輝
瑠花と耀の顔が浮かんだ。
輝
輝
だが、絶望に押しつぶされる時間は与えられなかった。
葉山
輝
深く頭を下げ、部屋を後にする。
扉が閉まった瞬間、心臓がきしむように痛んだ。
輝
輝
昼休み。中庭。
風にそよぐ木々。生徒たちの笑い声。
だが、その中にいる輝だけが、時間の止まった世界にいるようだった。
生徒A
生徒B
生徒C
毎日のように向けられる“好意”と“憧れ”。
輝
輝
胸の奥が熱く、そして冷たくなる。
遠くのベンチに、耀と瑠花が並んで座っているのが見えた。
楽しそうに話す様子。耀が何かを説明し、瑠花が笑う。
輝
輝
そう思った瞬間、ふと頭の奥に“閃き”が走った。
輝
輝
夜、寮の部屋。
瑠花
輝
瑠花
耀
輝
耀
輝
輝
輝
それでも、笑顔を見せる。
輝
耀
その夜、輝は誰にも気づかれないよう、寮を抜け出した。
向かうのは、封印された“演習場・第七区”。
通常立ち入り禁止。だが、彼は鍵を持っていた。
輝
眼に宿るのは、光でも闇でもなく――
“決意”だった。