外に出ると、優馬がいた
美久
優馬…
優馬
おっ、美久
優馬
やっほー
美久
あのね、質問があるの…
優馬
何?
美久
えっと、、、
美久
木陰で話さない…?
優馬
あー、おっけ
木陰
優馬
なに、?
美久
その…
美久
(いきなり幽霊なの?とは聞けないから…)
美久
前、優馬の家に行ったの
美久
その、遊びに誘おうと思って
優馬
うんうん
美久
で、チャイム鳴らしても出なくて、
美久
それで、窓から覗いてみたの
優馬
あぁ
美久
覗いたのはごめん
優馬
いや、いいよ
美久
優馬のお母さんっぽい人がいたから、
美久
優馬はいないかって声をかけたの
美久
でも、聞こえなかったみたいで、、、
美久
それで大きな声で言ってみたけど、
美久
それも聞こえなかったみたいで
美久
窓も少しだけ開いてたんだよ?
美久
だから、なんか
美久
お母さんと私では世界が違うっていう感じがした
優馬
美久
ご、ごめん
優馬
いや、
優馬
俺もいつかは言わなくちゃいけないと思ってたから
美久
(ゴクリ
優馬
お母さんはさ、
優馬
優馬
優馬
耳が聞こえないんだよ
美久
美久
え、?
美久
そう、なの、?
優馬
あぁ、
優馬
最初は、手術をしたら片耳は聞こえるようになるって
優馬
医者は言ってた
優馬
けど、
優馬
失敗した
優馬
両耳が全く聞こえなくなってしまったんだ
優馬
だから、今は
優馬
手話とか、口の形で何言ってるかわかるから
優馬
それでコミュニケーションとってるかな
美久
あ、あぁ
美久
そ、そうなんだ
美久
ごめん
優馬
いいや、大丈夫
優馬
質問ってこれだけ?
美久
え、えと
美久
うん
美久
そうそう
美久
これだけ
優馬
じゃ、遊ぼっか!
美久
う、うん