テラーノベル
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チャイムの音が鳴り響く。 ざわついていた教室の空気が、ぱたりと静まった。
山崎先生
担任の先生が黒板の前に立ち、明るい声で挨拶した。
山崎先生
教室の隅から隅まで、ざっと見渡すその目は、どこか温かく、生徒一人ひとりを見ているようだった。
山崎先生
先生が席替え表を掲げると、教室のざわつきが一気に大きくなった。
私は掲げられた紙を見て、自分の席を確認した。 自分の席を見て、思わず口が開いた。
〇〇
〇〇
立花零
そう、私の隣は凪誠士郎だった。 あの静かな瞳を向けられるだけで、心臓が跳ねる気がした。 まさか、こんな近くにいるなんて――まだ、信じられなかった。
〇〇
立花零
緊張で胸がギュッてなる。 なのに、零のその言葉だけで—— ちょっとだけ、前を向ける気がした。
私はそっと席に向かう。 その横に腰を下ろすと、なんだか空気が少しだけ重く感じた。
〇〇
〇〇
〇〇
ドキドキしながら顔を覗き込むと、 彼は机に突っ伏していて、顔が半分しか見えない。
凪誠士郎
〇〇
〇〇
かすれた声。 しかもそのまま「むにゃ…」って寝返りみたいに体をずらして、 スヤァ……って本格的に寝始めた
〇〇
笑うしかない状況に、私は思わず机の下でそっと拳を握った。 でも、なんか—— ちょっとだけ、クスッとした。
そんな中、山崎先生が教科書を手に取り、声を張り上げる。
山崎先生
みんな
先生の声で、みんな一斉に立ち上がる。
山崎先生
授業が始まって、先生の声が教室に響く。
山崎先生
ざわざわと軽いざわめきが起こる中、私は緊張で心臓がバクバク。 隣を見ると、凪誠士郎はまだ少し眠そうな表情でこちらを見た。
〇〇
〇〇
凪はぼんやりと頷きながらも、ちゃんと目を合わせてくれた。
凪誠士郎
短いけど、真っ直ぐな声。 私はそれだけで、なぜか安心した気持ちになった。
その時、教室の後ろからちらりと御影玲王の声が聞こえた。
御影玲王
玲王は、ゆっくりと席に戻りながら、私の方を一瞬だけ見た。 その視線に、私はドキッとしてしまった。
御影玲王
〇〇
私は驚きつつも、にこっと笑って返す。
その時、凪がレモンティーをひと口飲んだ。
〇〇
凪誠士郎
玲王がちらりとレモンティーを見て、少し興味を示した。
御影玲王
〇〇
教室の窓から差し込む午後の光が、 三人を優しく包み込んでいるようだった。
〇〇
そんな期待と不安が入り混じった気持ちを胸に、 私はペンを握り直した。
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