目覚めると 私は自宅のテーブルに座っていた。 額を拭うと凄まじい量の汗をかいていたのに気づく… 次の瞬間、冷たい感触が頬に触れ 思わず声を出してしまった。
アメリア
横を見ると、妻のアメリアが 心配しながら濡れた手拭いで 顔を拭いてくれている…
保安官
アメリア
保安官
本当にいけない 心配をかけてしまった… 笑みを向け、妻に口付けし その髪を撫でてやる。
保安官
私の手に両手で触れて 安心した様に笑みを返してくれた。 その表情は… この世のどんなご婦人より美しい そう断言できるもの… こんな歳のいった男を愛してくれる 若いアメリア… 治安の悪い世の中でも頑張れるのは 彼女がいてくれる事が大きい。
保安官
アメリア
着たエプロンを払い、台所に立ち炊事仕事を初めた。 ふとテーブル横の窓から外を見つめる… 大通りでは、馬車を初め行き交う市民の姿が目に映る… いつもと変わらない荒野の街並みだ…
アメリア
保安官
アメリア
保安官
アメリア
保安官
アメリア
そうして、台所から飲み物をテーブルに出してくれた…
保安官
そうして出された飲み物を見ると そこには…
ミルク入りの哺乳瓶が…
保安官
アメリア
保安官
アメリア
アメリアがドレスミラーで こちらの姿を写す…
そこにいたのは…
保安官
ジョンソン
マクスウェル
コンウェル
ハイネリウス王
保安官
アメリア
使用人エレノア
使用人ミランダ
グッチャグチャに視界が歪み… あたりはまさに大混乱の地獄絵図!!!
保安官
オンギャ眩しい!!!
いきなり視界が真っ白になったと感じ 思わず目を見開く!
すると私の目に、こちらの世界で国王から与えられた部屋の天井がみえる。 首から上を動かすと エレノアさんがカーテンを開け… ミランダさんが心配そうに 私の汗を拭っている。
使用人ミランダ
何度目をぱちくりさせて辺りを見回すも、視界が歪むなどは無い。 今度こそ夢から覚めたのだろう 仰向けのまま、小さな声でつぶやく。
保安官
ミランダさんが拍子抜けしたような顔で首を傾げてくる
使用人ミランダ
体を起こして、自分の手を見ながら握り開きして感触を確かめる。 感覚があるからやはり現実だ…
保安官
残念ながら、私の身に襲いかかった事は事実のようだ。 ベッドの上、起こした身体をうなだらせ… その手はシーツを力無く握る
使用人ミランダ
保安官
夢の中と似たようなことを起きてからも言うことになるとは…
保安官
使用人ミランダ
保安官
使用人ミランダ
「おじさんみたいじゃなく中身本当にオジサンなんだよなぁぁ…」 って言っても、きっと混乱の原因になるから黙っとく。
使用人ミランダ
使用人エレノア
そうして十分後 退室したミランダさんが カップに注がれたコーヒーを 持って戻ってきてくれた。
使用人ミランダ
保安官
手渡されたソレを 口元でゆっくり味わう… あぁ、私の知ってる味…
なんてことは無かった!! 口に広がるのは不快感!! アッツイ上に! コクも何も感じられなく! なにより!
保安官
衝撃のあまりカップから数滴こぼし…! ベッドと着ているパジャマローブにかかる!
保安官
使用人ミランダ
保安官
舌火傷したぁぁ!!! 思い切りヒリヒリしてる! 辛い……!!! なんてことだ 幼くなったのは身体だけじゃない! 味覚まで幼くなってる!!!
なんでこんなもの美味しいって思って飲めたのか不思議なくらいだ…!
使用人ミランダ
コーヒーカップを取り上げられ 代わりに差し出された ミルクカップを手に取って 慌てて飲んでく…! 熱い! けど柔らかい甘みが口に広がった
保安官
焦った様子でローブの上から冷水に浸したであろう冷たいタオルを当てたミランダさんがこっちを見てる。 すごく手際がいい…
使用人ミランダ
使用人エレノア
私の粗相にもかかわらず2人がせっせこと動いてくれてる… 対して私はかっこ悪いシミつけてミルクカップ持ちながらただ見てるだけ… あぁなんて情けない…! 徐に頬っぺたから涙が落ちてく
保安官
使用人エレノア
使用人ミランダ
保安官
辛ぁい!!!! 2人とも悪気ないのは分かるけど 子ども扱いが辛ぁい!!!(大号泣)
そんで数分後…
年甲斐もなく号泣した後… 唐突に心に広がる「無」によって ひとまずの落ち着きを取り戻した私は エレノアさんから、テーブルに置かれていたという紙を受け取る。
使用人エレノア
保安官
手紙の中身を覗く…
Dear Sheriff. Since you fell asleep while I was speaking, I'm leaving a letter here. I've written it in your native English so that the inhabitants of this world won't be able to decipher it, but just in case please dispose of it after you've finished reading it. My plan for the future is... ・Get used to this world. ・Learn magic or prayer. ・Have a magic stone in your body. Please consider these three points first. I will be away for a while due to business, but rest assured that I am prepared to protect you at all times. Also, I will not forgive you for the punishment of widening your nostrils 💢 From God.
保安官
すごく達筆に書かれていたその文章… 慌てて隠すような仕草を取ってしまう。 その様子、思わず驚きの表情を浮かべたエレノアさんが見えた…
使用人エレノア
いや待て 今彼女この文章が分からないとか言ってたような… 恐る恐る聞く。
保安官
そうして、冒頭だけチラリと見せるも 眉をひそめて困り果てた顔をしている
使用人エレノア
使用人ミランダ
2人の表情、嘘は言ってないのが読み取れる いやそれよりも…
保安官
使用人エレノア
????????
保安官
「「!!!???」」
2人が目を見開いてこっちを見てくる…
使用人ミランダ
保安官
使用人ミランダ
保安官
使用人ミランダ
使用人エレノア
「「「???」」」
こういう時、東洋の言葉で何か適切な言い回しがあった気が…
保安官
使用人エレノア
保安官
使用人エレノア
使用人ミランダ
保安官
使用人エレノア
保安官
まずい…! 2人が興味津々でこっちみてる!! すごいキラキラした目で見てくる!! 何とか誤魔化さねば!!!!
保安官
衝撃受けたのか2人が顔を赤らめて口元を隠した
使用人エレノア
使用人ミランダ
良かった…! 何とかごまかせた! いや流石にこの手紙の内容話すのは少し考えもので、内容はこうだ…
保安官殿へ… 話し中に貴殿が眠ってしまったので 手紙を残していく。 尚、この世界の住人に解読されないよう 君の母国である英語の文体を使用させていただいたが、万が一ということもあるので 読み終えた後は処分してくれたまえ。 今後の方針だが… ・この世界に慣れる。 ・魔法、または祈祷を習得する。 ・体内に魔石を宿す。 以上の三点を第一に考えたまえ。 所用につき、しばらく私は失敬させて頂くが貴殿の事は逐一見守れるように備えているからご安心を。 それから、貴殿にやられた鼻の穴拡張お仕置は許さん💢 カミサマより。
まぁほんの一部ならば別に話しても… とは一瞬考えたものの 余計な心配をかけるのも良くない
幸い、手紙の内容は昨日聞いた話を纏めただけの物。 ひとまず懐にしまい、気を見て火にくべるなりで処理する事にした。
保安官
使用人エレノア
保安官
辛うじて英文の手紙をごまかせた 一先ずこれで安心だ…
・・・
イヤイヤイヤイヤ!!!!
何が安心だどう考えてもおかしいだろ!!!
どうして聞いたことも無い言語話者と会話が成り立つ!?
同じ合衆国でさえ州によっては 訛りが酷くて聞き取れない時がある! 大英人やアイルランド系でさえ 方言の違いでたまに何言ってるのか 分からないのに!
それが何故異世界の人間と意思疎通できる!!!
慌てて思い立ち 2人に着替えを手伝ってもらったあと 城内の書庫に案内してもらい 勤務中の書士官に選んでもらった書物をテーブルでめくっていく…
保安官
どれもこれも見た事ない文字なのに! 見た事ない文字なのにも関わらず 何故か読める!!!
保安官
どれも聞いたことない言語 文法どころか文字すらも 知らないはずなのに…
全部わかる!
全部母国語の文体と化して 私の頭に入ってくる!
保安官
書士官
保安官
書士官
保安官
書士官
書士官の人が驚愕の表情を浮かべ 開いた口が塞がっていない。 それは至極最もな反応 何より私自信が理解できない 完全な緊急事態だ
保安官
書士官
保安官
この世界来て早々周りの人間が 聞きなれた言葉で話してくるから 油断していたが 何故こんな初歩的な事に 気づかなかったんだろう? 違う歴史を歩んできた世界ならば 普及している言語も違うのは当たり前…
どんな奇跡が起きればこんなことに! ん?キセキ?
カミサマ?
・・・
保安官
書士官
保安官
その様子を、書庫の隅で見ていた使用人のふたりが…
使用人ミランダ
使用人エレノア
2人が恐る恐る、テーブルにかじりついてる私と書士官の方に歩みよってきた。
使用人エレノア
使用人ミランダ
保安官
2人が怯えてるような様子でこっちを見ている。 その表情は私が1番好まないもの… 大して私は2人に向かって 笑顔で首を横に振る
保安官
…ん!?私今自然と2人のことお姉ちゃん呼びしたのか!? すると2人が口元を抑えて悶絶… 直後駆け寄ってきて思い切り抱きついてきた!!
使用人エレノア
使用人ミランダ
保安官
喉が閉まるような息苦しさに耐え切れず 抱きついてくる腕を何度も 叩いてしまった…
書士官
「「「あっ…」」」 その言葉を聞いて 2人が速やかに数歩後ろに下がり お上品に佇んだ…
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