浩介
彩月ってさ、好きな人とかいるの?
彩月
え、どうして?
浩介
いや、昨日隣のクラスの中村が西野に告白して
浩介
見事カップル成立したらしいからさ
彩月
あ〜……
彩月
まあ、いないこともないけど
浩介
え、誰?
彩月
いや、真面目に聞かないでよ
彩月
答えるわけないでしょ。恥ずかしいもん
浩介
真面目に断らないでよ(笑)
浩介
聞いた俺が馬鹿みたいじゃん
彩月
じゃあ私も聞いてあげるよ
彩月
これでおあいこ、でしょ
浩介
ま、俺も教えないけどね
彩月
いることは認めるんだ
浩介
あ
彩月
ふふっ、浩介くんらしいね
私の好きな人は浩介くん、
あなたただよって言ったら
浩介くんはどんな顔する……?
浩介
じゃあ好きなタイプは?
浩介
これなら答えられるでしょ
彩月
タイプかぁ……
私の心を埋め尽くすのは
彩月
私よりも背が高くて
彩月
黒髪がよく似合って
彩月
どんな人にも優しくて
彩月
普段は少し頼りなくて可愛いけど
彩月
ホントはすごく男らしい人
彩月
それから……
彩月
私のことを、見ててくれる人
いつも、全部、浩介くん
浩介
それさ、タイプじゃなくて
浩介
もう特定の人じゃん
彩月
そうですけど、何か?
浩介
いえ、なんでもないです
彩月
じゃあ浩介くんのタイプは?
少しでもいいから
浩介
俺は〜、、、
浩介
彼女できたら教える!
彩月
なにそれ、ずるい(笑)
浩介
しいて言うなら可愛い人(笑)
彩月
ふーん?
あなたの瞳に映りたい
彩月
じゃあ早く、可愛い彼女作ってね……
あなたに近付きたい
浩介
……じゃあ、なってくれる?
彩月
…………え?
浩介
俺の彼女に
彩月
…………
浩介
……いやいや、
そこはいつもみたいに冷静につっこんでよ
そこはいつもみたいに冷静につっこんでよ
浩介
俺チョー恥ずかしい
彩月
……そういうこと冗談で言うの、幼稚すぎるよ
彩月
全然分かってない
浩介
え、あ、
彩月
そんなんじゃ可愛い彼女なんて出来るわけない
浩介
ごめんって、彩月!!
翌日
浩介
彩月、ごめん、消しゴム貸してくれない?
浩介
家に忘れてきたっぽい
彩月
……どうぞ
浩介
ありがとう
彩月
……
浩介
……
浩介
はい、返すよ。助かった
彩月
うん。。。
浩介
…………あのさ
浩介
昨日は冗談だったけど、これからは違うから
彩月
っ……?
すぐ側にあるメッセージに
この日の私は、気付くことができなかった
それからしばらくして
彩月
あ、消しゴム小さくなってきた……
彩月
(カバー外そう)
私が消しゴムのカバーを外すと……
彩月
ん……?
小さなメモ用紙が折り畳んで入っていた
彩月
(なんだろう……?)
そのメモ用紙を開いてみると
彩月
え……!?
彩月が好きです。
彩月
(これって、もしかしてあの時……?)
彩月
(浩介くんに消しゴム貸したあの日から……?)
──「昨日は冗談だったけど、 これからは違うから」──
彩月
ずるいよ……
彩月
こんなの、、、好きになっちゃうじゃん
彩月
浩介くん
彩月
メッセージ見たよ
彩月
ありがとう
浩介
やっと気付いた?
彩月
うん、やっと
浩介
ほんとは、もっと格好良く言いたかったんだけどな
彩月
充分だよ
彩月
ほんとにほんとに嬉しかったんだから
バカみたいだけど、バカみたいに
君のことを想ってるんだよ
浩介
彩月のことが誰より好きだ
浩介
これからも隣にいさせてくれませんか
彩月
浩介
返事は今じゃなくていいから
彩月
バカ。返事なんてとっくに決まってるよ
浩介
え、?
彩月
私、今、最高に幸せ
彩月
初めてずっと一緒にいたいと思えた人に
彩月
こんなに想われてるんだから……