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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

暗闇の中

白黒の世界。

私はそう見える。

こんな世界なんて私には

いらない。

けど、

1人だけ。

たった1人だけ

私の中に

君だけがいた。

山口 雨

…はぁ。

ザーーー。

窓の外から雨の音が うるさいほど聞こえる。

雨は嫌いだ。

なんか、気分が どうしても下がるから。

でも、自分の名前は 雨(あめ)なんだよね笑

山口 雨

…あ、今日病院行かなきゃ。

山口 雨

(…やだな。)

山口 雨

(あ、でも図書室で、お気に入りの本を誰にも邪魔されずに読めるから良いかも…)

山口 雨

…ありがとうございました。

私はいつこの世界が見えるんだろ。

検査したって治るか分からないのに

私って何してんだろう。

山口 雨

…やっぱこういう気分の時は

山口 雨

病院の図書館が良いよね

私は小走りで図書館に向かった。

山口 雨

やっぱり広いなー

山口 雨

やっぱり、ここが落ち着く。

私は椅子に座り、持ってきたお気に入りの本を読み始めた。

本が好きだった。

黒と白。

この色しかないからだ。

山口 雨

…。

山口 雨

あれ、今何時?

腕時計を確認した。

山口 雨

…4時。

山口 雨

やばい、帰らなきゃ!!

荷物をまとめて椅子から立ち上がり 小走りで図書室を出ようとした時

ドンッ。

 

…痛。

山口 雨

…あ、すいません!!

1人の男の子に ぶつかってしまった。

私より背が高い。

大きい瞳。 吸い込まれてしまいそう。

山口 雨

…本当にすいません!!

 

…え、ちょっと、

 

これ。

山口 雨

…本当にすいませんでした!

私は何回も謝って家に帰った。

山口 雨

…あれ。

山口 雨

…ない。

カバンをひっくり返してみた。

山口 雨

ない、ない。

お気に入りの本がなかった。

あの本は世界で一番大切

私が小さいときから持っている

お守りみたいなものだった。

山口 雨

…あ。

そういえば、ぶつかった時に

落とした?

山口 雨

…今すぐ取りに行きたいけど

山口 雨

今日はもう時間が…

明日、取りに行こう。

きっと図書館に落ちているはず。

山口 雨

…ない。

図書館を探したけど見つからない。

なんで…?

私、あの本がないと…

 

あ、見つけた。

頭上から声がしたから 顔を上げた。

 

探し物はこれ?

あ、昨日ぶつかった男の子。

片手で本を持って、こちらを見つめていた。

山口 雨

…そ、そうです!!!

山口 雨

それ、私の大事な本で

山口 雨

もう、見つからないかと…

山口 雨

(あれ、)

瞳から涙が溢れた。

山口 雨

(…どうして。)

 

…え、ちょっと。

 

…、こっち来て!

グイ。

山口 雨

…わっ。

腕を引っ張られて、男の子はずんずんと前に進んでいく。

山口 雨

(…恥ずかしい。)

なんか、顔があつくなってきた。

山口 雨

(何なの、この男は)

男の子は私をひとつの病室に迎え入れた。

 

ここに座っていいよ。

男はパイプ椅子を取り出し私を座らせ、

男は病院のベットに私と向かい合って腰かけた

 

もう大丈夫なのか?

山口 雨

…え、あぁ。うん。

そういえば、涙が止まってる。

谷川 雪

俺は谷川 雪(たにがわ せつ)

 

お前の名前は?

山口 雨

…山口 雨(やまぐち あめ)

谷川 雪

…雨か

谷川 雪

俺たち、天気の名前だ笑

男はニカッと歯を見せて笑った。

…ドキッ。

山口 雨

(…ん?
なんか、顔がまたあつい。)

谷川 雪

はい、これ。

谷川 雪

そんなに大事な物だったんだな

雪は本を差し出した。

山口 雨

…うん。

山口 雨

これは私の世界で一番大切なものなの。

谷川 雪

へぇ

谷川 雪

世界で一番か。

雪は下をうつ向いた。

山口 雨

雪にはないの…?

山口 雨

大切なもの。

谷川 雪

…妹。

山口 雨

妹がいるんだね

谷川 雪

まだ、生まれてないけどね

山口 雨

…そーなんだ

山口 雨

妹はいつ生まれるの?

谷川 雪

…12月

山口 雨

(今は6月だから後、半年か)

山口 雨

楽しみだね!

谷川 雪

…。

山口 雨

…雪?

山口 雨

ごめん、何か気を悪くした?

谷川 雪

あ、いやそうじゃない。

谷川 雪

見れるか、分からないんだよ

谷川 雪

俺の妹。

山口 雨

…え

今頃、気がついた。

部屋着姿に、ネームバンド。

雪はここに入院してるってこと。

雪は何かしらの病気だって事を。

ーto be continued ー

暗闇の中にたった1人の君がいた。

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コメント

3

ユーザー

なーちゃん、ゲジゲジ→ありがとう~、頑張る💪

ユーザー

続きがとても気になります! (`・∀・´)/

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