君のことをずっと

最近、etさんが俺のことを避けている気がする

気のせいだと思いたい…けど

俺が話しかけるとすぐどっか行くし

それなのに、naさんたちが話しかけられたら

いつもの眩しい笑顔で話すし

なんだろう

俺、なんかしたかな

なにかしたなら言ってほしい

しっかりと直すから

俺は、しっかりとetさんと向き合いたいと思っているけど

etさんは？

なんて、聞ける勇気もあるわけなく

この俺の思いは、まだ誰にも届いていない

いつ、誰に届くんだろう

いつ、etさんに届くんだろう

naさんたちと話し終わり

yanくんから隠れるために廊下へ出て

つい先程のことを思い返す

yanくんのこと、変に避けちゃった気がする

で、でも…なんか話しちゃったら

はるひについての話とか

思わず口走りそうになってしまいそうで

なら、もうこのまま

誰にもバレないように…

プルルルルル

電話がなる音がする

少し前から、はるひがよく電話をかけるようになった

今日はなんだか、はるひがいつもと違う雰囲気

いつもと違う様子に、不安になってくる

心配そうな声が聞こえてきて

一瞬戸惑うが

やっぱり、一度気になってしまったら止められない

私の言葉を遮るように、はるひが私の名前を呼ぶ

少し悲しみが滲んだ声で話し始める

この先の言葉は、もしかしてって思って

思わず耳からスマホを離す

この声の低さ

やばい、また…また思い出しちゃう

紅潮した頬に、手の温もり

息をすることも忘れてしまいそうなあの空気感が

蘇ってくる

上を向くと、urとnoさんが俺を見ていた

今、騒がられても

この気持ちじゃ一緒のテンションで話せない

2人から目を離すと、urが声を発する

思わず、urの顔を見る

urが指した方向を見ると

etさんが廊下で誰かと電話していた

naさんたちと話し終わったんかな

そう思いながら、etさんの顔を見ていると

急に目を大きく見開くから

何事かと思ったら

etさんの手が少し震えていることに気づく

ガタンッと、音を立てて席を立つ

もし、彼女に避けられていても

手が震えるほど怖がってるところを見たら

黙っていられない

勝手に足が動く

2人の声を無視して、廊下に飛び出した

手が勝手に震える

力を入れても、止まらない

やめて…私、もう…

過去は振り返らないって決めたのに

私は、結局私はっ…

その時、誰かにガシッと手首を掴まれて

優しく引っ張られて

私のスマホを耳に当てる

黒髪に赤いメッシュが入った髪

いつも隣で見る横顔

私より大きい手に

思わず安心してしまいそうな温もり

その声が小さく聞こえてきて

鮮明に思い出してしまう

はるひのことも、あの人のことも

隣から、低い声が聞こえる

まるで、怒っているような…

私じゃない声が聞こえて

はるひから焦っている声が聞こえる

スマホを力ずくで奪い返す

そう伝えて電話を切る

yanくんに話しかけられたが

そのときにはもう、声は優しい声に戻っていた

続けて伝えられる言葉が怖くて

適当に理由つけて、yanくんに背を向けて走って逃げ出してしまう

結局すぐに追いつかれて

私の手を力強く握られる

振り解こうとしても

力が強くて、振り解けない

今更、嘘だって言えなくて

ゆっくりコクッと頷く

掴まれてた手を

yanくんが指を絡ませて恋人繋ぎに変えられる

本当は、行くつもりじゃなかったのに

今は、1人にさせてほしいのに