キヨ。
キヨ。
一ヶ月前。
バレンタインの日、レトさんに チョコケーキをもらった。
お返しをしなきゃいけないなと思うけれど…
キヨ。
専門店のウェブサイトを見たり アマゾンを見たり…
暇さえあれば探していた。
キヨ。
キヨ。
チョコの返しはクッキーか…とか
色々と考えているうちに よくわからなくなってきていた。
キヨ。
キヨ。
すると、あるサイトで 面白いものを見つけた。
キヨ。
キヨ。
レシピを確認し、買い物に出かける。
キヨ。
俺が今作っているのは オレンジのチョコレート。
みかんが好きで、味覚も大人な レトさんには丁度いいと思う。
とは言ってもお菓子なんて 作ったことがない俺は
サイトを見ながら試行錯誤していた。
キヨ。
キヨ。
どうせ渡すなら きれいなものを作りたい。
そこは俺のこだわりだ。
『オランジェット』
ちょっとオシャレな名前が 俺には似合いそうもないが
喜んでくれるといいな…
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
昨日のうちにレトさんには 連絡していた。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
わかってるような、 わかっていないような、
少し誤魔化す素振りも見せてくる。
恥ずかしがってるのかな…
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトさんから連絡が来た。
早く…
早く来てほしい…
この日のために何回か練習をして
味見もして正直俺は その匂いには飽きてしまったけれど
レトさんはどんな反応を してくれるんだろう?
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
俺は玄関に向かう。
レトルト
キヨ。
レトルト
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
上着を脱ぎながらソファに座る。
毎年鼻声が悪化する季節が 近付いてきたとあって
少し顔をしかめていたのが可愛い。
キヨ。
レトルト
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
そう言って冷蔵庫に向かった。
レトルト
レトルト
レトルト
俺は綺麗にラッピングを施した チョコレートを取り出す。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
作ったチョコレートをレトさんに渡す。
レトルト
キヨ。
真っ白な袋に結んである リボンを丁寧に外している。
レトルト
キヨ。
レトルト
レトルト
輪切りにしたオレンジに 半分だけコーティングされたチョコレート。
レトルト
キヨ。
キヨ。
ちょっと不格好だけれど 初めてにしてはうまくいったと思う。
レトルト
レトルト
レトさんは目をキラキラさせて 俺を見上げる。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
キヨ。
俺はキッチンに行き 用意しておいた紅茶を淹れる。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
二人でゆっくりできるならそれで。
ふわふわとした時間を過ごすのも 悪くないと思う。
レトルト
キヨ。
オレンジの端をつまみながら 裏返したりして観察している。
レトルト
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
俺は苦笑いしながらそう返す。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
ふわっと俺に笑いかける。
かわいいな…
ずっとこの人といたい。
その笑顔を見て 俺はそう思った。
THE END.
コメント
8件
キヨレト尊い( ´ཫ`)