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ホワイトデーイベント

1 - ホワイトデーイベント

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226

2022年03月14日

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キヨ。

これか…?

キヨ。

いや…なんか違う…

一ヶ月前。

バレンタインの日、レトさんに チョコケーキをもらった。

お返しをしなきゃいけないなと思うけれど…

キヨ。

なかなかピンとこないなぁ…

専門店のウェブサイトを見たり アマゾンを見たり…

暇さえあれば探していた。

キヨ。

レトさんが好きそうなもの…

キヨ。

女性向けがやっぱり多いもんなぁ…

チョコの返しはクッキーか…とか

色々と考えているうちに よくわからなくなってきていた。

キヨ。

できてるものを渡すのも芸がないか?

キヨ。

でも…

すると、あるサイトで 面白いものを見つけた。

キヨ。

手作り…?

キヨ。

お、これなら俺でもできるかも!

レシピを確認し、買い物に出かける。

キヨ。

とりあえず…輪切りにして…

俺が今作っているのは オレンジのチョコレート。

みかんが好きで、味覚も大人な レトさんには丁度いいと思う。

とは言ってもお菓子なんて 作ったことがない俺は

サイトを見ながら試行錯誤していた。

キヨ。

また失敗…

キヨ。

もっときれいにコーティングしたい…

どうせ渡すなら きれいなものを作りたい。

そこは俺のこだわりだ。

『オランジェット』

ちょっとオシャレな名前が 俺には似合いそうもないが

喜んでくれるといいな…

キヨ。

レトさん!

レトルト

なに?

キヨ。

あのさ

キヨ。

14日、俺んち来てくれる?

昨日のうちにレトさんには 連絡していた。

レトルト

14日?

レトルト

明日じゃねーか!

キヨ。

うん笑

キヨ。

どうせ暇でしょ?

レトルト

俺を何だと思ってんねん

レトルト

まぁ暇ですけど

キヨ。

むしろ空けといてくれたでしょ?

レトルト

はぁ?

キヨ。

忘れてないよね?

キヨ。

1ヶ月前言ったでしょ

レトルト

うん

レトルト

……ホワイトデーでしょ?

わかってるような、 わかっていないような、

少し誤魔化す素振りも見せてくる。

恥ずかしがってるのかな…

キヨ。

当たり!

キヨ。

夜おいでよ

キヨ。

待ってるから

レトルト

わかった

レトさんから連絡が来た。

早く…

早く来てほしい…

この日のために何回か練習をして

味見もして正直俺は その匂いには飽きてしまったけれど

レトさんはどんな反応を してくれるんだろう?

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴った。

俺は玄関に向かう。

レトルト

お邪魔しまーす

キヨ。

そんな格好で寒くない?

レトルト

いや?

レトルト

意外と暖かかったよ

レトルト

春も近づく感じだね

キヨ。

春かぁ

キヨ。

でもレトさん春嫌じゃない?

レトルト

嫌だよ

キヨ。

花粉症だもんね

上着を脱ぎながらソファに座る。

毎年鼻声が悪化する季節が 近付いてきたとあって

少し顔をしかめていたのが可愛い。

キヨ。

レトさん

レトルト

ん?

キヨ。

バレンタインのお返しなんだけどさ

レトルト

あ、うん

キヨ。

俺今年頑張ったから

キヨ。

褒めてほしいんだよね

そう言って冷蔵庫に向かった。

レトルト

なになに!?

レトルト

俺買ったものあげたんだけど

レトルト

もしかして何か作ったの?

俺は綺麗にラッピングを施した チョコレートを取り出す。

キヨ。

そう

キヨ。

レトさん、喜んでくれると嬉しいなー

レトルト

キヨくんお菓子作れないでしょ?

レトルト

嫌な予感するんだけど…

キヨ。

いや今回の俺はマジよ?

キヨ。

レトさんびっくりすると思うから

作ったチョコレートをレトさんに渡す。

レトルト

開けるね

キヨ。

うん

真っ白な袋に結んである リボンを丁寧に外している。

レトルト

良い匂いする…

キヨ。

ほら早く見てみ!

レトルト

うん…

レトルト

あれ…これって…

輪切りにしたオレンジに 半分だけコーティングされたチョコレート。

レトルト

本当にキヨくんが作ったの?

キヨ。

もちろんだよ

キヨ。

自分で調べて1から作りました!

ちょっと不格好だけれど 初めてにしてはうまくいったと思う。

レトルト

え?

レトルト

すごいやん!!

レトさんは目をキラキラさせて 俺を見上げる。

レトルト

俺みかん好きなの覚えてたんやね!

キヨ。

うん

キヨ。

でさ、それに合いそうな紅茶も用意したんだけど

キヨ。

どう?

レトルト

お願いするね

レトルト

いや…キヨくん…

レトルト

ほんとにすごいよ!!

キヨ。

マジ?

レトルト

食べるの勿体ないもん

キヨ。

いや食べてくれよ笑

俺はキッチンに行き 用意しておいた紅茶を淹れる。

キヨ。

ほら

キヨ。

レトさん紅茶好きでしょ?

レトルト

こっちもいい匂い…

レトルト

すごい贅沢してる気がする

キヨ。

たまにはいいじゃん

キヨ。

こういう時間も大事だよ

二人でゆっくりできるならそれで。

ふわふわとした時間を過ごすのも 悪くないと思う。

レトルト

食べていい?

キヨ。

どうぞ

オレンジの端をつまみながら 裏返したりして観察している。

レトルト

あー…んむ…

レトルト

うまっ!

レトルト

キヨくんこれめちゃうまい!

キヨ。

ほんと!?

キヨ。

よかった!

キヨ。

気に入ってもらえた?

レトルト

うん

レトルト

ほんとに器用だね

キヨ。

何回も失敗してるよ

俺は苦笑いしながらそう返す。

レトルト

紅茶も美味しい…

レトルト

俺今すごく幸せや…

キヨ。

俺も

キヨ。

嬉しそうなレトさん見れて幸せだよ

レトルト

いいホワイトデーだね

レトルト

ありがと

ふわっと俺に笑いかける。

かわいいな…

ずっとこの人といたい。

その笑顔を見て 俺はそう思った。

THE END.

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キヨレト尊い( ´ཫ`)

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