ほとけ
ほとけ
ほとけ
僕たちは愛し合っていた。
僕らの邪魔をする人なんて いなかった。
いるはずがなかった。
なのに
クローバー
クローバー
/┼Attention┼/ ・水白 ・青白 ・三角関係 ・ロックバース *R18表現あり*
クローバー
/┼┤ロックバース について┼┤/ (猫ねぎま様より設定を お借りさせて頂きました✨)
この世界には、男女の区別の他に もう一つ『性』がある
『チェーン』『ロック』『キー』
『ロッキング』 ロックとキーが番になることを『ロッキング』といい、 『ロッキング』を解除することを『リペア』という。
尚、リペアは本人の許可がなくてもできるが、 一度使うと力は失われる。
『変形』 キーがロックを愛するあまりに 狂ってしまうことを『変形』という。 キーがそのことを自覚すれば変形は治まる。
しかし、自覚するのは難しく 狂ったキーがロックを監禁してしまうことがある。 そのことを『ジェイル』という。
『ジェイルブレイク』 ロックがキーを説得して、 無理矢理にでもロックから 逃れようとすること。 キーに依存したロックには出来ない。
少し前の話をしようか。
ほとけ
その日は天気がよく、 夕方には空を眺めに 公園に来ていた。
いつも頑張っているんだから、 休日くらい好きに過ごそう。
そう思って、マンションのベランダからでは見れない 綺麗な雲を見に来た。
ほとけ
ふとベンチに目をやると、 そこには
初兎
僕と同じ、 高校生くらいの男の子が 座っていた
なびく白から紫のグラデーション
空と相まって、僕にはとても綺麗に見えた
そして
彼の涙も… 美しいものだった
初兎
ほとけ
目が合った。
淡いパープルの瞳には 空が反射していて
睨む仕草でさえも、
ほとけ
ほとけ
初兎
真っ赤になる君。
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
仕草だけじゃない。
その外見、言動の全てに 強く惹き付けられた。
初兎
初兎
また涙が溢れた君。
その痣と乱れた服からしてきっと
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
僕は見逃さなかったよ
君が少しだけ笑ってたこと
安心してくれたんだね
えへへ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
白く艶のある髪に 薄くのった毛先の紫色
まるでハイドレンジアのように美しくって
兎のように愛らしい
ほとけ
初兎
また赤くなる。
はぁっ…可愛い。
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ぎゅ…っ。
冷たい指先にそっと触れて
優しく握った
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
低くも優しい声色。
幸せそうな君の声を聞けて 僕も幸せ…
…
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
なにその声… かわいいんですけど。
怒ってても可愛いって どういうこと…
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
スマホを取り出し、 ひたすら連写する。
こういうことしてると 感じるんだ
僕って幸せ者だなぁ、って。
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
あっ… なんか聞いちゃいけないこと 聞いちゃった?
ほとけ
初兎
なんだか秘密がありそうな君も
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
そうやって真っ赤になる君も
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ちらっと見えた、君の左耳の ピアス。
いつも僕の左側を歩く君
理由なんてないと思っていたけれど…
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
僕が声を荒げても、 重い重い愛を投げつけても
笑って許してくれる君が
本当に、
初兎
ほとけ
いつもとは違う声のトーン。
薄々気付いてはいる、 次の言葉。
初兎
ほとけ
…。
言葉が鋭い刃となって、 僕の心に突き刺さる。
それは悲しみなんかじゃない
僕の心に残るのは、
ほとけ
ほとけ
憎しみと怒りだけだった
ほとけ
ほとけ
あのときの苦しみを忘れないように
深い傷を手首に。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
あのときのピアス、あれは
ほとけ
そういえばあのとき
初兎
初兎
ほとけ
ちらっ、と。
君の鎖骨あたりについた 赤いキスマーク。
ほとけ
でもまぁ…。
高校や休日は、ほぼずっと初兎ちゃんの隣にいたし
虫さされか何か…だよね
って。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
僕はまだキスしかしてない
性行為は もっと仲良くなってから、って。
なのに
ほとけ
ほとけ
考えただけで吐き気がする。
僕の初兎ちゃんに…
あの純粋で、儚くて、 綺麗で潔白で可憐な 心に
いふ…は、
踏み込んだんだ。
「リペア」
それは施錠しあっている人間同士の関係を 一度だけ、壊せる力
僕には関係ない能力だと思っていた
ほとけ
別に…悪い事じゃないよね
別に、悪い事じゃ…
初兎
初兎
そんなことを言う君が想像できる
はぁ。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
そのときだった
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
もう気が気じゃなかった
愛人を奪われて、 まともな考えなんてできるわけない
ポケットにカッターとスマホを入れて
ほとけ
そして
気がついたら僕は
いふ
ほとけ
初兎
ほとけ
上手く場に溶け込む。
初兎ちゃんの「ただの親友」を演じて
浅く広い愛を投げかける
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
いふ
いふ
初兎
いふ
いふ
いふ
初兎
初兎
ああ。
初兎ちゃんが可哀想。
はやく解放してあげなきゃ。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
今は初兎ちゃんといふくんが隣に座っていて、 僕は向かい側に座っている。
僕の隣を軽く叩くと、 「ん!」と言って来てくれた。
ほとけ
久しぶりに見れた君の横顔。
すき。すきすきすきすき かわいい。
大好き、だよ
ほとけ
初兎
いふ
柔らかく甘い唇。
えへへ。
これで君は僕のもの…だよね。
ぱちっ。
静かな部屋に、乾いた音が響く。
…は?
初兎
初兎
ほとけ
なんで?
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
なんで泣いてるの、 なんでそんなこというの?
前よりも増えた、 初兎ちゃんの身体のキスマーク。
膝についた痣と切り傷。
そして、チョーカーについた錠前のキーホルダー。
それは皮肉にも、青と紫が綺麗に混ざっていた。
ほとけ
ほとけ
いふ
いふ
いふ
君の淡いブルーのピアスが ふわっと揺れた。
失恋はこんなにも苦しくて脆いのか。
はぁ。
どうしてこうなっちゃったんだろう?
コメント
5件
ストーリーの説明欄のところこだわってて好き
見たよ|д👁)…ミタ
いつも本当にありがとうございます!! 依存系というか…ドロドロ系というか…もうとにかく書くのがお上手で… こんなに方に出会えて本当に良かったと思ってます!