出航の日
男はスピード違反をしていた。 4時起きだったのを、6時に起きてしまった。
水田 由蘭
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!
まぁ、そもそも社会不適合者のこの男が4時起きなんて出来るはずもない。
水田 由蘭
ッハァ"…ぎりッぎり"…誰も乗らないからって船員さんが情けをかけて遅らせてくれてほんと良かったわ"…
船に乗り込む船員と水田。
船員
アンタ……
水田 由蘭
何だい"?船乗りさん"。
船員
…いいや。とんだ物好きも居るもんだと思うてな。(少し苦笑いをし)
船員
次に孤島に船が来るのは半年くらい後だが…行けるかい?
水田 由蘭
半年……は煙草がありゃ充分だろォ"…(ニヤッと笑い一服する。)
船員
そうか……(何か哀れなものを見る目で)
船員
__ほら、着いたよ。幸運を祈ってやるわ
船が停まった島は、人は愚か、動物をも寄せ付けない様な。威圧感のある島だった。
そんな小さな島の中心には、今の時期にピッタリな赤黒い葉が生い茂っている山が在った。






