僕らの価値

僕らの価値

俺たちは、「宝石」

月に一度のオークションに出品され、買い取られた後はどうなるか分からない

そう、今日が「オークションの日」

もう一年程買われなくて、ずっとここにいる

でも…出来るだけ買われたくはない

良い人がいて、その人に買ってもらえる確率はゼロに等しい

それに、買う人が欲しいのは俺たちの「存在」じゃない

宝石としての「価値」だから…

……行こう

大丈夫大丈夫！

悪い人に買われたとしても、こさめにはみんながいるもん！

普通は、30万から始まる。

でも、こさめたちは「欠陥品」だから…、

黒いフードをかぶっている、最後列の人が手を挙げた

顔と体がほとんど見えない…

怖い人…だったらｯ

主催者の声が場内に響き渡る

オークションが終わった後…

シーン…

5分、10分が経っても、雰囲気は変わらない

声が出ない

怖い、此処の雰囲気も、買い手の人も＿＿

すちくんが口を開いた

らんらんの無意識の圧に、すちくんは声を震わせながら言った

現在…夕方の5時28分

気のせいだよね…