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宮城
宮城
下校途中の中学生。
俺は今、それを見下ろしてる。
朝はピシッと制服を着ていたり、よれよれだったり。
下校時は体操着を着てることが多い。
自転車を引いて、何かを話している。
ラケットを背負っているから、テニス部かな。
もう一方は、野球部かな。
テニス部の女の子は、耳をほんのり赤く染めていて。
心做しか、野球部の男の子も嬉しそうな顔をしている。
なんだか甘酸っぱい。
宮城
思わず頬がゆるむ。
こんなかわいい光景見たら、誰だって元気出る。
俺のやってる仕事は、この子達の日常を守ってるんだなって。
俺の存在には気付かないで欲しいけどね。
どうか、そのまま甘酸っぱい日々を送っていてくれ。
宮城
二週間に一度の頻度で来れることを許してくれたのには感謝してもしきれない。
全く来れないよりマシだし、こうやって民を眺めているだけで幸せ。
ガチャッ
俺が一人で感傷に浸っていると、誰かが屋上に来た。
宮城
神奈川
赤くて綺麗な瞳と、目が合う。
その目はどこか濁っているような、以前のようなやわらかい目ではない。
神奈川
神奈川
呆れたように彼が言う。
宮城
宮城
神奈川
神奈川
隈がすごい。
宮城
宮城
神奈川
神奈川
神奈川
一瞬苦しそうに顔を歪ませた後、すぐに無表情に戻る。
以前の彼であれば__
いや、良くないな。
以前の彼とか辞めよう。俺の目の前にいるのは、”今の”神奈川だ。
宮城
神奈川
宮城
宮城
宮城
神奈川
彼の目が見開く。
そして、眉を下げてこう言った。
神奈川
神奈川
神奈川
神奈川
あぁ、声が細くなっていく。
神奈川
ゆがむ、彼の顔が。ゆがんでいく。
まるで何かに締め付けられているかのように。
宮城
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
宮城
宮城
宮城
神奈川
宮城
宮城
神奈川
宮城
宮城
あぁ、またゆがんだ。
そうやって顔をゆがませてる間にも、お前のコップからは水が溢れ出ている。
溢れているのにも関わらず、注がれ続けている。
神奈川
宮城
宮城
宮城
神奈川
あかい瞳が、夕日に照らされて綺麗にかがやく。
あぁ、いや。潤んでるのもあるのか。
宮城
神奈川
神奈川
もう言葉が途切れ途切れになってしまっている。
こんな時、アイツがいたらどんな風に慰めてたかな。
宮城
宮城
神奈川
彼と目が合わなくなった。
宮城
宮城
宮城
神奈川
神奈川
彼はつよく、目をこすった。
泣いてんの、バレバレなんだよ
宮城
神奈川
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
かわいた笑い。
宮城
神奈川
神奈川
神奈川
宮城
宮城
神奈川
神奈川
目を細めて、とてもやさしい声で言う。
ほんと、心の底から愛知のことが愛おしいんだな。
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
こえが、ふるえてる。
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
神奈川
そう言って、いたずらな笑みを浮かべ、手を伸ばしてくる。
宮城
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
神奈川
宮城
神奈川
神奈川
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
宮城
神奈川
宮城
神奈川
宮城
いつの日かの、夕暮れ時。
そこに二人は、確かに居た。
そう、確かに居たのだ。
ビルの屋上に。