第3話 的中した予感
病院 診察室
冬弥
それで、彰人は………
医者
……まずは、こちらを見てください
杏
な、何これ………レントゲン…?
医者
はい。東雲さんの脳のレントゲン写真です
こはね
えっと………どういう、ことですか?
医者
結論から言うと、東雲さんは___
記憶が無くなっています
冬弥
え………
杏
え……彰人の、記憶が………?
医者
はい。どのくらいかは本人が起きてからでないと分かりませんが、記憶が無くなっているのは事実ですので
こはね
そんな………
杏
だったら、彰人の記憶の中には、私達がいないってこと………?
冬弥
そういう、可能性があるな………
こはね
東雲くん………
医者
病室まで、ご案内しましょうか?
こはね
…………はい、お願いします
彰人の病室
医者
今のところ特に異常は見られませんが、何かあったらすぐに呼んでください。では、失礼します
医者は3人の心の内を知ってか知らずか、静かに病室を去った。
冬弥
彰人………
杏
ねえ、彰人……嘘、だよね………?私達のこと、忘れてなんかないよね………!?
こはね
東雲、くん………覚えてるよね……私達のこと………!
こはねは今にも泣き出しそうなくらいに目を潤ませていて、杏に至っては大粒の涙をボロボロと流しながら、未だ目覚めない彰人へ語りかけている。
杏
ねえ、冬弥………
冬弥
…………ん、どうした……白石………
杏
大丈夫だよね、彰人は……大丈夫だよね………?
冬弥
……………ああ、きっと、な
こはね
青柳くん……大丈夫?
冬弥
俺は、大丈夫……小豆沢達も、大丈夫か?
こはね
私はなんとか………杏ちゃんは、どうだろう……
杏
彰人、ねえ彰人ってば……起きてよ、早く………ちゃんと、話そうよ………!
彰人が事故に遭ったことに、恐らく相棒である冬弥よりもショックを受けている杏は、横で話すこはねと冬弥の声すらも聞こえていないようだった。
こはね
……ねえ、青柳くん
冬弥
…ん、どうした、小豆沢
こはね
こんなこと、本当はあって欲しくないんだけど、
こはね
もし、東雲くんがこのまま起きなかったら……
冬弥
…………!!
こはね
つ、辛い時にこんなこと言ってこめんね!でも………私達、どうなるのかなって……
冬弥
…………彰人は、
こはね
……?
冬弥
彰人は、俺達を置いて逝ったりなんかしない………!
こはね
青柳くん……!!
と、その時。杏が目を見開いて声を上げた。
杏
…………!!彰人!!
冬弥
!?
こはね
杏ちゃん!?
杏
彰人………彰人だよね!?ねえ!?
彰人
ん………杏、か……?
杏
そうだよ!!私、杏だよ!!
こはね
東雲くん……!?
彰人
杏……こはね………?
こはね
うん、こはねだよ……!
冬弥
彰、人………?
杏もこはねも彰人に駆け寄る中、冬弥だけが近付けないでいた。 冬弥は直感的に、彰人に何か言われる、それも拒絶の一言を言われるのではないかと察していた。
杏
と、取り敢えず呼ばないと!
杏は震える手でナースコールを押した。
ピーンポーンパーンポーン(音合ってる?)
看護師
失礼します、どうされましたか?
杏
あ、あ、彰人が起きました!!
看護師
成程、分かりました。すぐに医者を呼びますね
看護師がそう言うと、ものの数分で医者がやってきた。
医者
あ、東雲さん。意識が戻ったようで何よりです。皆さん心配されてましたよ
彰人
あ、ああ、それはどうも………ところで、オレはなんでここに?
医者
ああ、そうでしたね。では、簡潔に説明します
彰人
そうだったんすね………ありがとうございます
杏
彰人ぉ……!!
こはね
東雲くん…大丈夫?
彰人
悪ぃな杏、こはね。心配かけて
杏
本当だよ!どれだけ心配したか………
冬弥
…………
こはね
(あれ?そういえば東雲くん、まだ青柳くんのこと1回も呼んでない気が………)
杏
そうだ、冬弥!冬弥もおいで!
こはね
あ、杏ちゃん……!
冬弥
え?いや、俺は……
彰人
………杏
杏が冬弥の腕を引っ張った時、彰人が杏を呼んだ。
杏
何?どうしたの彰人
彰人
ソイツ…………誰だ?
冬弥
……………え?






