私が高校生の時の話だ。
緋音
緋音
緋音
緋音
「そろそろ帰ろうか」
誰からともなく言い出した。 ふと、窓を見つめると、他の部の人はもう帰ってるようだった。
緋音
小葉
愛美
そう口々に言いながら皆出ていく。 暗闇の中、鍵穴に目を凝らしながら鍵を差し込んだ。
緋音
その時、目が「色」を捉えた。
この暗闇の中、私が捕えたのは、 白だった。
緋音
私はガチャリと鍵を回しながら苦笑する。 私が捉えた白、は制服のカッターシャツだった。
緋音
緋音
緋音
いた、はずだ。
カッターシャツにちらりと見える この学校の紋章が目に焼きついている。
私は首をひねりながら、鍵を学ランのポケットに滑り込ませ、 東館出口に向かった。
小葉
愛美
真美
東館を出たら、同窓会の皆が声を掛けてくれる。 皆を見渡し、私は皆を見る。
薄暗い中、学ランを着た皆は黒く、 そこだけが闇が濃くなったように見えた。
そこには真斗君もいる。
緋音
真斗
そして私はようやく気付く
緋音
なぜ自分の目は白を捕えたのだ?
小葉
小葉
真斗
愛美
真美
小葉
緋音
真美
皆はそうやって言い合うが、 再び同窓会室に戻って確認しようとする人は居なかった。
その後も、なんとなく東館で人がいる気配はあったが、 姿を見たのはその日だけだったという。
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