コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
西畑大吾
大粒の涙を流しながら謝り続ける 大ちゃんを見とったら、 あんなに考えて決断したはずの今が、 本当に正しいのか分からなくなった。 僕の胸には、苦くて重い罪悪感が 広がっていて、大ちゃんに言葉をかけて あげることもできなかった。 そんなの、当たり前や。 これは、僕が大ちゃんを突き放した 結果やから。
大ちゃん、ごめん。 でも、これは。 この秘密は、誰にも明かさない。 僕が死ぬまで、 誰にも言わんって決めてるんよ。
大橋和也
藤原丈一郎
年上組の2人が駆けつけ、 必死に大ちゃんを励ましているのを 眺めながら、僕は何も言えずにいた。
ドッドッド
長尾謙杜
道枝駿佑
高橋恭平
大橋くんか丈くんに 呼ばれたんやと思う、年下組の皆。 なにわ男子の全員が、夕暮れの観覧車前 に集まった。
高橋恭平
西畑大吾
恭平と大ちゃんの、 驚いたような声がした。
大西流星
頬に、冷たい水が流れている。 僕は、泣いとった。
みんな、戸惑ったような顔をしてた。 ダメやな…、僕。 みんなを困らせてる。
大西流星
ごめん。 その言葉を残して、 りゅちぇが走って行った。 俺らに背を向けて走る りゅちぇの横顔は、 なんだかすごく苦しそうやった。
西畑大吾
今まで座り込んで動けへんくなってた 大吾くんが、急に走り出そうとした。
大橋和也
藤原丈一郎
様子のおかしい大吾くんを止めるため、 年長組の2人が必死になって 大吾くんを抱え、 動きを止めようとしている。
西畑大吾
うわごとのようにりゅちぇの名前を 繰り返す大吾くんは、いつもの大吾くん とは全然違うくて、 俺は無意識に口を開いていた。
高橋恭平
大橋和也
大橋くんの止める声も聞かず、 俺の足は動き出していた。
ダッダッダッ
大西流星
どうしよ。夢中で走ってきてもうた。
ふと、鏡の中の自分を見つめると、 髪はぐしゃぐしゃで、 泣いたからか目も腫れとって、 ほんまに酷い顔やった。
大西流星
思わず笑ってしまうような自分の顔を 見て、自然とため息が零れた。
大西流星
あの日のことを思い出すと、 今も涙が溢れてくる。
高橋恭平
恭平や…。 僕のこと、追いかけてきとったんや。 気が付かんかった。
高橋恭平
ヤバ💦 バレてもうた…。 でも、もう少しだけ強がらせて欲しい。 あと、もう少し。
僕は強く目を擦り、 涙の跡を消した。
大西流星
高橋恭平
恭平は、何も言わんかった。
りゅちぇは昔から、なんでも抱え込み過ぎてしまうところがあったように思う。 なあ、りゅちぇ。 きっと今も、そうなんやろ? 自分1人で抱えきれんくなって、 しんどくなる。 りゅちぇを苦しめてるもんは、 俺には分からへん。 でも、分かってやりたいと思う。 メンバーとして、 1人の大切な親友として。 やから…。
高橋恭平
大西流星
りゅちぇは答えへん。 それでも、俺は話し続けた。
高橋恭平
大西流星
何が言いたい? そんな表情やった。
高橋恭平
大西流星
やっと答えてくれたりゅちぇの声は、 泣くのを我慢している時のように 震えている。 ごめんな。りゅちぇ。 なにか言いたくないことがあるやんな。 でも、俺は、りゅちぇを迎えにきた。 あの、つらそうに歪んだ横顔を追って、 ここまで一緒に来たんだ。 せやから、りゅちぇのほんまの気持ちを教えてほしい。 りゅちぇが抱えてる荷物を、 半分持たせて欲しい。 それに、皆んなにも約束してるしな。 必ず、りゅちぇを連れてくる。って。
高橋恭平
大西流星
大吾くんとのことを尋ねた瞬間、 りゅちぇはすごく怯えた顔をした。 でも、もう一歩。 あともう一歩、りゅちぇの心に踏み込むことができれば…。 俺の役目はそこまでや。 ごめん、りゅちぇ。
高橋恭平
恭平の芯を持った なにわ男子への想いを聞いて、 僕は焦っていた。 どうしよう。 今、僕が恭平に話をしたら、 恭平の言う"ずっと7人で"は、 叶わなくなってしまう。 やっぱりまだ、言うべきやない。 そう、思っとった。
やけど、恭平のどこまでも優しい 言葉を聞いて、僕の心は揺れていた。
高橋恭平
恭平。ごめん。 今から話すことは、きっとみんなのことを、深く傷つける鋭い凶器になる。 言わんって決めていたのに、 苦しくなって、簡単心が折れた。 僕の弱さのせいで、わがままのせいで、 恭平を苦しめる。 恭平は優しいから、 僕を怒らへんやろな。 なあ、恭平。 僕、恭平にだけ話すから…。 僕の、大きな秘密を。
大西流星