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暁のヨナ

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暁のヨナ

1 - タオ姫が危ない.....!!

♥

3,607

2024年01月07日

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ヨナ

タオ姫が危ない.....!!

ミア

落ち着きなさいヨナ。

ミア

ハク、ヨナでタオ姫の様子を見てきて。ヴォルドとアルギラもすぐにタオ姫の元へ行かせるわ。

ヴォルド

何事ですか?

ミア

良いところに来たわね。この谷に侵入者よ。狙いはタオ姫。ハク、ヨナと直ぐに向かいなさい

ヴォルド

分かりました....!

ザッ....

ヴォルド

ジェハ

これはまた団体さんで...

シンア

まだ...向こうにもいる...

ジェハ

ヴォルド君、ここは僕らに任せて君はタオちゃんの所へ急ぎな

ヴォルド

いやしかし、敵は大勢....

キジャ

ヴォルドとやら

キジャ

我々をなんだと思って連れてきたのだ

ジェハ

そうだよ、僕らは高華国の美しき化け物

キジャ

四龍だ

ジェハ

はい四龍四龍

ヴォルド

しかし、か弱い女もいるでは無いか....

ミア

それは、誰のこと?

ヴォルド

え....いや、それはあなたの....

ミア

ヨナはハクがいるから心配ないわ。

ミア

もし私も含めて言っているのなら....

ミア

女だからと舐められては困るわね

ジェハ

君はあんまり派手に動いちゃダメだよー?

ミア

問題ないな(ダッ

ヴォルド

待て!敵が多い、殺されるぞ!

ハク

まー見てれば分かる

ザシュッ

ヴォルド

!!?

ヴォルド

(あの女...歳は16程に見える...)

ヴォルド

なんだ...あの強さは

ヨナ

四龍達もいるから平気よ、タオ姫を早く....!

ヴォルド

は、はい

ミア

ここ、任せてもいいかしら?

ジェハ

ん?問題ないけど、1人でどこへ行くつもりだい?

ミア

そこらにまだ隠れているわ。1人くらいは捕まえて誰の差し金か吐かせないと

ジェハ

おー怖い

ミア

実はずっと何か引っかかっていて、風に当たりに行くと言った時、この屋敷を少し調べたの

ミア

ライには屋敷の方へ行けと言ったから、私が隠れてる者を捕まえてくるわ。ここは人数が多いから頼んだわよ

キジャ

あ!そなた傷は!

ジェハ

あらまー、すごい元気、本当に治ったのか?

キジャ

いや...まだ分からんぞ、演技で隠している可能性も.....

ミア

この先に3、左に1、右に2か、行ける

ミア

そこのっ、バレてるのよ、出てきなさい!

ユン

どうしたのゼノ

ゼノ

....焦げ臭い...

ゼノ

ちょっと行ってくる、動くなよ!

ユン

あっぜノ!

―――――――――――――――――

ユン

あっ、出てきた

ヨナ

タオ姫....!良かった...

ユン

ねぇゼノ見なかった!?

タオ

....っ申し訳ありません...!ゼノさんは私達を逃がす為に柱を支えて....

タオ

まだ中に....

アルギラ

ごめん...助けられなかった

ジェハ

ゼノ君なら大丈夫だ、自力で脱出してくるよ

アルギラ

...全身炎に包まれて柱を支えてた....

アルギラ

動いたら屋敷が崩れるし崩れなかったとしてももう......

ユン

じゃあゼノは....炎が消えるまで...

ユン

この中で焼かれ続けているの....!?

ジェハ

キジャ君シンア君!

ジェハ

駄目だ!

キジャ

どけハク!ジェハ!ゼノが...

ジェハ

わかってる!僕が行くから君たちはここに....

バシャッ

ミア

ダッ

キジャ

ミア!?

ハク

おい待て!!

アルギラ

やめろ死ぬぞ!!

ヨナ

(何か持ってる...!?)

ジェハ

ミアちゃん.....!!

ミア

20秒待て!

ジェハ

!?

ハク

20秒?

ゼノ

(やばいなあ、早くしないと....)

ゼノ

!?

ゼノ

(人影.....!なんて無茶な!)

ゼノ

逃げろ!

ガァンッ!

ゼノ

!!(倒れていた柱が押し戻され.....!)

ぐいっ

ゼノ

おい!触ると熱いぞ!

ミア

.......っ!

ヨナ

ミア!!!

ジェハ

大丈夫か!?

ゼノ

ぅ.....あ....

ミア

大丈夫よ、ゼノ、大丈夫...(ぎゅうっ

ゼノ

う.....、おう......さ......ま.....?

ゼノ

は....っ.......は....っ

ミア

..........

タオ

あ.....

タオ

あなた方は一体....

ゼノ

ぷはー生き返ったァ

ゼノ

あれ?みんなくらいぞーほらっ、こんがり焼けてもつるすべだから

ゼノ

それよりお嬢さんの方は?俺は治るし殺してもしなないから大丈夫だけど、お嬢さんは生身の人間だ。あの火の中つっこんで来たんだからひとたまりもないよ

ミア

問題ないわ。火傷もしてない。

ゼノ

嘘だね

ゼノ

燃えてるゼノを素手で引っ張ってきたんだから

ゼノ

なんで飛び込んできたの?

ミア

捕まえた敵を軽く尋問したら吐いたのよ、タオ姫を確実に殺すために油を撒いて火をつけたと

ミア

ライが軽めで長い鉄塊を探してきてくれたから、それで柱を押し込んだ。

ライ

いやあそこ飛び込むと思って渡してねぇけどな!?

ユン

ミア、手見せて

ミア

......

ユン

......!

ユン

あ...れ...?

ユン

燃えてるの、素手で掴んだんだよね?屋敷から出たあともずっとゼノを抱えてたし

ユン

水を被っただけであの中に入ったよね.....?

ゼノ

うん、どうかした?

ユン

いや....そこまで、酷い火傷じゃなくて....

ゼノ

え?嘘だ

ユン

ホントだよ、俺もびっくりしてる

ミア

だから大丈夫だって言ったでしょ

アルギラ

ゼノにゃん!

ゼノ

ゼノにゃん?

アルギラ

ゼノにゃん体治ってる!四龍って龍の能力持ってるんだって?

アルギラ

とにかく生きててよかった、礼が言える!

アルギラ

助けてくれて、本当ありがと!!

ゼノ

ゼノの体が役に立つならいくらでも使うといいから

キジャ

そのようなこと軽率に言うな

ゼノ

白龍爪刺さる

ジェハ

まったく

ユン

バカこのーーっ

ジェハ

ミアちゃん、君も今回は軽率だったと思うよ。いくらなんでも火の海に飛び込むなんて。

ユン

そうだよ!死んでてもおかしくないんだよ!

ミア

ゼノも死ぬ程痛かった筈だ。

ゼノ

....!

ミア

それに、私が行かなければジェハが行くつもりだったじゃないか

ミア

...人様の屋敷だから詮索を怠ったが、やはりちゃんと調べるべきだった

ミア

ゼノ、苦しい思いをさせて悪かった。今回は緊急事態だったし私も警戒を怠ったので仕方ないが、弱音を吐いても誰も責めないぞ

ゼノ

あー....はは、なんかもう慣れちゃって☆

ゼノ

(お嬢さんがおうさまに重なって見えたなんて.....言えないから)

アルギラ

はあ.......

ヨナ

どうしたの?

アルギラ

にゃんこ達火事の中助けられなかった

アルギラ

可哀想な事をした.....

にゃー

アルギラ

にゃんこ!?

ヴォルド

俺が連れ出した

アルギラ

えっ.....

アルギラ

えーー....えーーっ

アルギラ

ヴォルドにゃ...

ヴォルド

もしかして俺の名に「にゃん」をつけようとしてるなら刺すぞ

タオ

皆さん

タオ

大変なことに巻き込んでしまって何とお詫びしたら良いか....

ヨナ

タオ姫こそ、体は大丈夫?

タオ

はい....ですが真国は危険です

タオ

あなた方を一刻も早く高華国にお帰ししなくては

タオ

コウレン姉様は、私が命を懸けて止めます

タオ

真国の事はどうかお忘れになって

ミア

.....タオ((コソッ))

タオ

え?

ミア

少し、話をしない?

タオ

えぇ....

タオ

なんでしょう

ミア

仲間には何も言っていないので隠していたが、私のことを覚えていないか?

ミア

.....コウレンとも、顔見知りだ

タオ

.......!

タオ

まさか......ミア...様...?

タオ

髪の色を.....変えたのですか?

タオ

前はもっと美しい赤でしたよね

ミア

ふふっ、出会った時は泥まみれで髪色なんてよく分からなかっただろう?

ミア

コウレンは民の命を軽んじる人ではない。このような行動に出ているのは少し冷静じゃないと思う

タオ

はい....そう...ですやね...けど、コウレンお姉様は...

タオ

あの時...あなたと一緒に...仲の良かった兵士の首を目の前で落とされるのを見ました

タオ

憎しみの重さは...私よりもきっと重い....

ミア

私はそのうちコウレンと話がしたい

ミア

話が通じなくても無理やり通してみせる。

ミア

彼女は今、望まぬ方向へ歩んでいるのよ

タオ

はい、でも、貴方はどうして....

タオ

高華国から..."存在が無くなって"いるのですか?

ミア

.....しっ、まだ皆には話していないのよ

ミア

それにしても、国外の人間には記憶があるのね....(((ボソ

タオ

え?

ミア

なんでもないわ、あなたも好きなようにやりなさい

ミア

私はコウレンの内面を聞きたい。そのうちコウレンを訪ねるつもり。

ミア

他の皆には内緒にしておいて欲しい...

タオ

分かりました...ですが、くれぐれも気をつけてください...最近、五星の仲が悪いので...巻き込まれるかもしれません

ミア

...分かったわ、ありがとう

アルギラ

~~~~~~~

アルギラ

━━タオ姫が決めたことを、俺は信じてる

ミア

あら、手合わせ?珍しいわね

アルギラ

あ。ミアにゃん

ミア

にゃん......

ミア

それより、女子供も兵士にっで、ホント?

アルギラ

うん

ミア

...そう(本当に、変わってしまった....?)

タオ

ゼノさん、お召し物の着心地はいかがですか?

ゼノ

真国の服気持ちいいから

タオ

良かったです

ユン

すぐボロボロにするから腰蓑で良かったのに...

タオ

とんでもないです....!

タオ

本当に巻き込んでしまって申し訳ありませんでした、皆さんをすぐにでも高華国へお送りしたいのですが...

タオ

日中は人が多いので日が暮れてから移動しましょう

ジェハ

このまま去るには心残りが多すぎるんだけどね

タオ

いいえ...どうかお忘れください

タオ

そういえばヨナさん達はどちらに?

ジェハ

ヨナちゃんならハクと町の様子を見て来るって

タオ

お2人で?

タオ

高華国の方だと知られたら危険です!私も行きます

ヴォルド

タオ姫

ヴォルド

危険なのは貴方です、どこで誰が御命を狙っているか....

タオ

いくらなんでも民の目の前で私の暗殺を謀ったりはしないでしょう

タオ

民の中には私の考えに賛同して下さる方もいます、隠れてばかりもいられません

ヴォルド

...ですが今しばらくはご辛抱を

ジェハ

大丈夫だよタオちゃん

ジェハ

ヨナちゃんにはハクがいるし、後で僕が迎えに行くから

ミア

私、少し出掛けてくるわ

ジェハ

どこに行くんだい?迂闊に動くと危ないよ?

ミア

気配を消すので問題ない。それに、ひと目見ただけでは高華国の人間と断定できまい

ミア

あ、あと、ゼノはなるべく一人で歩かないようにしてくれる?

ジェハ

ジェハ

わかった。気をつけて行ってきてね

―――――――――――――――――

ジェハ

暗くなってきたね

ゼノ

腹減った

ジェハ

食料調達がてら周辺の様子を見てくるよ、ミアちゃんもまだ戻っていないし

ゼノ

青龍もいこ

アルギラ

俺も

ヴォルド

アホギラは動くな

タオ

どうかお気をつけて

ゼノ

はーい

ゼノ

屋台飯美味そうだから

ジェハ

はい真っ直ぐ歩こうね

シンア

キジャ

キジャ

シンア

あの人がこっちを見てる....

キジャ

誰だ?

ジェハ

目を合わせない方がいい、行こう

ジェハ

わ!こっち来た、速っ

ヨタカ

おいお前

ヨタカ

肌の手入れはどうしている?

キジャ

....は?

ヨタカ

肌の手入れだ。なんだその驚きの美白は

ヨタカ

何か特別な薬でも塗っているのか?

キジャ

特に何もしておらぬ

ヨタカ

憎らしい美人は皆そう言うんだ

ヨタカ

この町に肌に良い薬があれば紹介して欲しかったんだが

ジェハ

えーと、あっちに薬屋あるかもよ

ジェハ

じゃ

ヨタカ

待て、よく見たらお前も美形だな

ジェハ

やだなぁ♡一目惚れする程美しいって?

ヨタカ

言ってない

ジェハ

そんな事言われたら僕も君をちょっぴり好きになってしまうじゃないか以後よろしく

ヨタカ

髪もツヤサラじゃないか、何で洗っている?

キジャ

ヨタカ

努力無しでそうなったのか、憎らしい

キジャ

そなたもその髪獅子のようで凛々しいぞ

ジェハ

僕が使ってる美容薬をあげるよ

ヨタカ

.....!

キジャ

そなたそんな物を使っておったのか

ヨタカ

助かる....戦を前にどう美を保つかずっと考えていた

ジェハ

わかる!戦闘って肌が荒れるよね

ヨタカ

お前達は戦闘経験があるのか?

ジェハ

...戦の前だからね

ヨタカ

この町は戦への意識が高くて良いな

ヨタカ

力を見たい、何が得意だ?

ジェハ

披露するような技なんてないよ

ヨタカ

そいつは剣を持っているじゃないか

ジェハ

ああ、大した事ないよ、下手

ヨタカ

そこ、大丈夫か、悲しそうだぞ

ゼノ

ゼノ達非力だから

ミザリ

ちょっとそこの人〜〜

ミザリ

顔を上げてください〜〜

ミザリ

見ぃつけた

スパン!

ヨタカ

ミザリ!?

ヨタカ

何だ突然ゆっくり来い

ミザリ

ヨタカ先輩見てください

「なんだなんだ」

「あれば五星のミザリ様とヨタカ様ではないか?」

ミザリ

この人達です、タオ姫が連れてきた高華国の化け物

ヨタカ

.....本当か?

ミザリ

疑り深いですね、じゃあ証明します

ミザリ

この人が.....不死の人ですよ!

ブワッ

キジャ

........

「あぁ....!あの手は......!!」

「高華国の白き化け物....!」

ミザリ

ほら

ミザリ

ミザリ

へぶっ

「ミザリ様!!」

「ひぃっ誰か...化け物が暴れて....っ」

ミザリ

...っく

ミザリ

ほらほらいたでしょ化け物!僕の言ったこと本当だったです

ミザリ

この人達がタオ姫と一緒にいた人です、きっとタオ姫もそこら辺にいますよ!

ジェハ

(どうする...3人抱えては飛べない、タオちゃんの所へも戻れないし....)

ゴッ

ジェハ

くっ

ガッ

ジェハ

戦闘は肌が荒れるよ

ヨタカ

お前は高華国の化け物か

ヨタカ

スウォン王の命で我が国を滅ぼしに来たんだな?

ジェハ

シンア君キジャ君闘っては駄目だ!!

ジェハ

この国では僕らは侵入者だ...!僕らの行動が、

ジェハ

全て高華国の、スウォン王の意志として、戦を引き起こしてしまう....!!

ブン ガッ

ヨタカ

どうした!?高華国の化け物の力とやらを見せてみろ

ヨタカ

俺が

ヨタカ

叩き潰してやる.....!

ジェハ

待って!

ジェハ

君達と争うつもりは無い!

ヨタカ

信用できるか!

ヨタカ

お前たちはスウォン王の命で動いているのだろう!?

ジェハ

違うと言っても聞く耳持たないみたいだね

ミザリ

もしもし不死の人、隠れてないで出てきてくださいよ

ミザリ

あなたが生き返るとこ、すごくすごく、もう一度

ミザリ

見たいんですっ

ジェハ

ゼノ君シンア君!

キジャ

ジェハ

ゴッッッ

ジェハ

キジャく......

ジェハ

っ、(がばっ

ヨタカ

.....ブンッ

バキッ

ヨタカ

!?

ゼノ

!?

シンア

!?

キジャ

!?

ジェハ

君は.....どうして......!!!

ミア

........

ミア

悪いわね、見ていられなくて

ミア

この国は無抵抗の人間を一方的に殴り潰すのが普通なのですか?

ヨタカ

仲間か....?

ミア

あら、質問返しですか

ヨタカ

答えろ......

ミア

貴方が先に答えて頂けますか?そうしたら私も質問に答えましょう

ヨタカ

仲間なら.....死ね!

ミア

...さっきから聞く耳持たずだな無礼者が。

ビリッ

ヨタカ

!!

ヨタカ

(何だこの威圧...コウレン様からもここまでの威圧は感じたことがない)

ヨタカ

貴様...何者....

ミア

落ち着いて話をしようと思ったのだが、無理そうだな。

ミア

訳も聞かずに一方的に殴りつけて、相手が無抵抗でもお構い無しか?この国の人間は随分と卑劣なんだな

ヨタカ

なんだと......

ミア

違うか?ならばいまお前が何をやったのか言ってみろ

ヨタカ

っ......

ミザリ

もう、ヨタカ先輩何止まってるんですか?

ミザリ

あれ、あれれ?

ミザリ

こいつ、この女ですよ!1人だけあの時、僕に気づいて殺気を送ってきた人!

ミザリ

この人かなり強いですよ!仲間にしましょう!

ミア

少なくとも、無抵抗の人間をいたぶる者と仲間にはなりたくないな

ミア

.....(どちらにせよ負傷者がいるから逃げるのは難しいわね)

ミア

私達をどうしたいの?

ヨタカ

我が国を守るまで.....スウォン王の手下は殺す...

ミア

だから私達はその手下では無いと言っているのよ?

ヨタカ

...信用...出来ない....

ユン

え.....なにこれどういうこと....

ユン

キジャ、ジェハ!?その怪我なに!?

ミア

ユン、下がっていて

ミア

...キジャは動けそう?

キジャ

.......

ジェハ

っ...気絶.....しているね....ミアちゃん、君だけでも、ユンくんを連れて逃げるんだ

ミア

.....逃げれば私たちがスウォンの手下だと認めることになりかねない

ミア

......

ミア

分かった。私が行きましょう。人質として

ジェハ

.....は?

ユン

何...言ってるの?

ゼノ

お嬢さん、それは流石に許可出来ない

ミア

大丈夫よ、私は

ミア

彼らを見逃してくれない?

ヨタカ

それは.....出来ない

ミア

うーんそう、

ミア

では、彼らに危害を加えないと約束してくれる?

ヨタカ

.....

ミア

約束出来ないのなら、私が気絶した貴方達を連れてコウレンの元へ直接行くわ

ミザリ

!コウレン様、コウレン様はお前が呼び捨てて良いような方では無い!!

ヨタカ

ミザリ待て!

ミザリ

....え?

ミア

......真国の中でも強い兵士と聞いて期待したが.....間違いだったか

ミザリ

何?何が起こったんですか?

ヨタカ

......

ミア

私は受け流しただけ。お前達は傷一つないだろう?

ミア

私はコウレンと顔見知りだ。私を人質として連れて行き、こいつらに手を出さないと約束しろ。

ジェハ

ヨタカ

....だが

ミア

疑わしければ、私は外で待っているからコウレンにこう伝えなさい。「緋き龍が舞っている」と。

ヨタカ

.....

コウレン

.......

ヨタカ

...コウレン様

コウレン

何だ。ヨタカ

ミザリ

先程は急いでらしたので言いそびれたのですが.....

ミザリ

.....コウレン様とお知り合いだと言う女がいまして

コウレン

女?覚えがないな

ミザリ

.....「緋き龍が舞っている」と伝えろと.......

コウレン

....!

コウレン

その言葉は.....

コウレン

.....会おう、中に入れなさい

ヨタカ

ミザリ

...承知致しました...

ミア

......

コウレン

コウレン

仮面に...黒髪....?

コウレン

お前、本当に...

ミア

ミアよ。

ミア

今は訳あって姿を隠している

コウレン

そう...なのか...

コウレン

久しぶりだな.....生きていたとは...良かった...

ミア

私が死んだと思っていた?

コウレン

だって....大男に引きずられて行ったから.....私を守ってくれたのに、悔しかったのだ

コウレン

私はな!強くなったんだぞ、次は絶対に高華国に勝って....

ミア

コウレン

ミア

貴方、昔と大分変わったわね

コウレン

変わってなどいない...この国を守るためには多少の犠牲は仕方ないのだ

コウレン

高華国に屈する訳には行かぬ!あいつらは我が民を....ミア、お前も見ていただろう!?

ミア

...えぇ、見たわ。けど、それをしたのはユホンよ。スウォンではない

コウレン

コウレン

だが、今も戦を起こそうとして....

ミア

コウレン、貴方の気持ちはよく分かっているわ。けれど、貴方が民の命を軽んじる姿を私は見たくなかった。

コウレン

...!

ミア

四龍はね、私の仲間なのよ。傷一つつけることは許さないわ。

コウレン

......

コウレン

お前も...高華国の味方なのか.....?

コウレン

あの時、私を守ってくれたじゃないか....目の前で民が死ぬ所も見た!なのに!なのに....

コウレン

どうして分かってくれないのだ....

ミア

....コウレン、落ち着いてよく聞きなさい

ミア

私はタオのように白旗を上げろとは言っていないわ。

コウレン

...?ではどうしろと....

ミア

私はね、確認をしに来たの。

コウレン

....何を

ミア

貴方はこの国のために戦で勝ちたいの?それとも、昔やられたことを仕返してやりたいから?

コウレン

ミア

自分が受けた苦しみを向こうにも与えたい?高華国に勝って見返してやりたい?妹や民を危険に晒してでも?

コウレン

それは......

ミア

コウレン、冷静になって考えなさい。少なくとも、今は、タオの方が視野が広いわ。

ミア

貴方は復讐心に駆られている。本来見えるはずのものが見えていない。恨む気持ちは分かる。けど、まず大切なのは自分の復讐ではなく、

ミア

国と民の安全のためにはどうすれば良いか、でしょ

コウレン

ミア

町でのことは聞いているのかしら?

コウレン

町?

ミア

高華国の人間だからと甚だしい勘違いで。貴方の従える五星の2人は無抵抗の人間を殴りつけ、やめなかった。

コウレン

ミア

私が間に入っていなかったら、"何もしていない"彼らは死んでいたかもしれない。

ミア

今の貴方の姿は....

ミア

まるで。かつてのユホンと生き写しよ。

コウレン

っ.......!

ミザリ

は?

ミザリ

調子に乗りすぎですよ?敬語使ってください。コウレン様がアイツと同じ?ふざけてるんですか?

ミザリ

馬鹿なこと言うと、うっかり殺しちゃいそうです

コウレン

やめろ

ミザリ

ミザリ

コウレン様....?

ミア

.....コウレン。厳しいことを言っているのは自覚しているわ。けど、私はコウレンだからこそ.........大切な友達だからこそ、このまま進んで欲しくないのよ

ミア

貴方の民を想う心は変わっていないと信じてる。

ミア

ユホンはあのまま死んでしまったけれど....

ミア

貴方にはまだ未来があるわ。

ミア

.....この国の王は、もはや貴方も同然。

ミア

最終的に決定するのは貴方よ。

ミア

けど.....

ミア

.....どうか、しがない友人からの言葉を聞き入れて...少しだけでも考えて欲しい

ミア

それでも意見が変わらなければ仕方がないわ、ここは私の国ではないから、私が口を挟んだり力ずくで止めたりは出来ないもの。

コウレン

........

ミア

...力ずくで止めはしないけど、もし仲間に危害を加えようものなら、私も貴方に刃を向ける。

ミア

肝に、銘じておいて頂戴。

ミア

...ヨナは必ず生きて戻ってくる。

ミア

...必ず

コウレン

.......

コウレン

彼女が戻ってくるまで....屋敷で、好きに過ごしていてくれ

コウレン

五星、こいつは私の友人だ。危害を加えることは許さない。

ミザリ

......

ヨタカ

......

コウレン

.......

ミア

(貴方との再会を最悪にしてしまってごめんなさい)

ミア

(けど、私は仲間の命を優先する)

ミア

牢に入っている友人達の様子を見に行っても良いかしら?

ミア

鍵を開けて放ったりはしないわ。監視付きでも良い。

コウレン

好きにしろ

ミア

...ありがとう

ユン

.....い!

ユン

お願いだから!

ミア

ユン!

ユン

ユン

ミア....!無事で良かった...!

ユン

キジャもジェハも治療しないと、俺の鞄知らない....!?

ユン

あぁ、ミアも怪我してるし....っ!痛くない?大丈夫?

ミア

ユン、落ち着いて。取り乱しては駄目よ。

ミア

まず、皆、コウレンと知り合いだと言うこと、黙っていてごめんなさい。

ジェハ

.....大丈夫だよ...

ジェハ

そんなことより、ミアちゃん、怪我は?

ミア

...私は大丈夫

ミア

ヨナ達とコウレンが話しているのを聞いた、ヨナ達は...スウォンに会いに緋龍城へ向かった。

ゼノ

...!

ユン

緋龍城に....!?

ミア

.....ヨナには、ハクがついているから大丈夫よ。もしもの時のためにライにも言って周囲を警戒しながら見守ってもらってる。

キジャ

...そうか....ハクがいるなら、安心だな....

ミア

私はコウレンにこの屋敷を自由に歩き回る許可を得たわ。彼らも私には手出しできない

ミザリ

.....不服ですけどね

ミザリ

でもどうせ高華国は攻めて来てあなた方は殺されますよ。不死の方は拷問

ミザリ

赤い髪のお姫様もたぶん帰って来ませんよ。あなた達はどちらにしろ殺されるんです

ミザリ

....あなたも、コウレン様のお気に入りか何か知りませんが、高華国が攻めてきたら殺します

ゼノ

俺達は人質なんだろ?

ゼノ

人質は死んだら人質にならない。白龍と緑龍は俺と違って不死身じゃねえんだ

ゼノ

だからボウズの鞄と水と食い物を持ってきてくれよ

ミザリ

また生き返るとこ見せてくれます?

ゼノ

いくらでも見せてやるから

ミザリ

分かりました持ってきます

ミア

.....

ミザリ

あ。ちなみに怪しい行動しても殺しますからね

ミア

ゼノ、軽々しくああいう事を言わないで。

ゼノ

まあまあ、今の状況じゃ仕方ないから

ミア

.....貴方が身を捧げなくても、私が守るわ。

ゼノ

はは、白龍も緑龍も良かったなあ、心強い味方がいるぞ

ミア

...ゼノも含んでいるわ。私が必ず守る。

ミア

だから...軽々しく傷つかないで

ジェハ

はは、ミアちゃんはかっこいいねえ...

キジャ

...姫様に我々と両国の命運を全て背負わせてしまうことになるとは....

ジェハ

本当に....まさか王に交渉しに行くなんて

ミア

.....(本当は、沢山抱え込んだヨナを送り出すのが怖かった。)

ミア

(ハク、お願い...ヨナを.....守りきって)

ジェハ

ヨナちゃんもだけどハクも心配だね、王を前に冷静でいられるかどうか....

ミア

ハクは大丈夫よ。絶対に。

ジェハ

!...

ミア

あいつは、そんな弱い男じゃない。絶対に大丈夫。

ジェハ

信頼が、強いんだね...

ミア

....

ゼノ

高華国と真国の溝は深い。交渉は難しいだろうな

ユン

そんな....

ユン

ねぇ、コウレン姫はどんな感じなの?

ユン

ミアと友人なら、何とか説得出来ないかな....?

ミア

やってみてはいるけど...やっぱり、大切な人を目の前で殺されたんだもの。憎しみは簡単に消えないわ。

ミア

貴方達も....もしヨナが目の前で見せしめのように首を落とされたら...

ジェハ

(、、それは...クシビの砦で一歩間違えればミアちゃんがなっていたかもしれない)

ミア

簡単に、許すことは出来ないでしょう

キジャ

......

ユン

そう、だね........

ミア

...とにかく、戦が止められずとも貴方達だけは絶対に助けるわ。

ミア

...私もここにいるから...皆、無茶しないでね

ジェハ

うん.....

シンア

......ゼノ

ゼノ

どした?青龍

シンア

町中で俺が一瞬能力を使おうとした時止めた.....?

ゼノ

青龍の能力はまだ知られてないから使わない方がいい

シンア

俺は使う

シンア

ヨナや....みんなが傷つけられるのなら...使う、誰が相手でも

シンア

全てが敵になっても、俺は、闘う

キジャ

...シンア

ジェハ

....あーやめて、お兄さんちょっぴり涙出てきちゃった

ミア

....町中では、助けに入るのが遅くなってしまってごめんね

ミア

キジャも....怪我をしなくて済んだのに......

ミア

....

ジェハ

君は悪くない。むしろ彼らを説得してくれて助かったよ

キジャ

うむ。そなたは我々をよく守ってくれている。本当は我々が守らなくてはならないのに

ミア

...シンア、貴方の能力はね。自分に返ってくるのよ。

ミア

貴方が全てを敵に回す必要は無いわ。だから、使い所は考えて....

ミア

易々と使って倒れてしまったら、逆に足でまといになってしまうから

シンア

.....うん

ミア

今は、私が皆を守るわ。絶対に守りきる。

ミア

だから、皆揃ってヨナの所へ帰るのよ

ミザリ

包帯これで足ります?

ユン

うん....ありがとう

ミザリ

ではそろそろ僕のお願いも叶えてください

ミザリ

ゼノさんの生き返る所が見たいです

ミザリ

腕を切り落とすのもいいな、くっつくんです?

ユン

そんな願い....

ゼノ

わかった

ゼノ

手出すから斬って

ミア

駄目よ許可しないわ

ミア

ゼノ、駄目よ。

ゼノ

うーん、お嬢さんに言われちゃ逆らえないなー

ミザリ

...どうして駄目なんです?どうせ治るのに

ミア

痛みはそのままあるからよ。治るから痛くないわけじゃない。

ミザリ

うーん、つまり、痛みに耐えればそれでいいんですよね?簡単じゃないですか、何がダメなんですか?

ミア

腕を切り落とされる痛みを簡単に耐えられると?

ミザリ

違いますか?

ミア

気になるなら経験してみれば?自分で自分の腕を切り落とすのは簡単でしょ?痛みに耐えられるなら、やって見なさい

ミザリ

えー、片腕が無くなるのは闘いに影響するので嫌です

ミザリ

あ、じゃあ貴女の身体を触らせてください

ゼノ

キジャ

なぬ!?

ユン

何言ってんの!?

ミザリ

だってだって、女のくせにすごく強いんです、筋肉とか骨とか関節とか....どうなってるのか気になります

ミザリ

それともこれも駄目なんですか?何故ですか?

ユン

何故って、ミアは女の子なんだよ!?

ミザリ

それが問題ですか?

ミザリ

別に性交をする訳でもないのに。それともその方が君達が喜ぶのかな?いいですよ?やっても

キジャ

そなた、ミアに触れたら許さぬぞ

ミア

いいわ

ミア

肉付きや骨が気になるんでしょ。好きに触りなさい。

ジェハ

ミアちゃん....!

キジャ

駄目ですその様に軽々しく....!

ゼノ

お嬢さん、俺の事は気にしなくていいから、自分のこと大切にして

ユン

ミア......!

ミア

皆心配し過ぎなのよ

ミア

変な事をしたら即座に腕の骨を折るから。大丈夫よ、綺麗に折ってあげるから、異常なく短期間で完治できるわよ

ジェハ

思っていたよりもしっかり脅してきたね

ユン

流石というかなんというか......

ミザリ

別に変な事なんてしませんよ、それは興味ありませんし。では失礼しますね

スッ…

ジェハ

ちょっと待った

ピタッ

ジェハ

それよりもっと面白いもの見せてあげるよ

ジェハ

さあ刮目せよ〜♪

ユン

えっ、ジェハまさか....

ミザリ

なんです?今の!緑の足が巨大化しました....っ

ジェハ

お楽しみいただけたかな?

ミザリ

すごく面白かったです

ミザリ

いいなあどうやって巨大化させるんです?僕も頑張れば大きくなります?

キジャ

そなた

キジャ

肉料理を持ってきてくれぬか

ミザリ

肉料理です?

キジャ

ジェハの血が足りぬ

ユン

出来れば牛とか鳥の肝臓を

ミザリ

肉です

ゼノ

おおっ

ミザリ

美味しいです?

ミア

(この者は...もしかして....)

ジェハ

うん、ありが...ごふっ!キジャ君ちょっとゆっくり....

ミザリ

血 足りてます?

シンア

........

ミア

......ねぇ((コソッ))

ミザリ

....

ミザリ

毛布です、凍え死なれても困りますし

ユン

あ、ありがと

ミザリ

じゃあゼノさんが生き返るところとミアさんの身体はまた今度

ユン

....

ミア

(やっぱり......彼は...)

ユン

ミア、大丈夫?

ミア

え?あぁ、大丈夫よ

ミア

私は自由に動けるから、何かされてもあの程度の者には負けないわ

ジェハ

流石だねえ...

ミア

...それより、緋龍城が遠いから治りも遅いんでしょう?傷はどうなの?

ユン

うん、中々治らない....

ユン

けど、俺がいるからには絶対完治させてみせる!

ミア

.....ありがとう、ユン

―――――――――――――――――

ミザリ

今日も肉、たっぷり持って来ました。薬草もあります

ユン

あ、ありがと......

ミザリ

どうです?元気になりました?僕役に立ってます?

ユン

う、うん

ユン

って言うか、どうしてここまでしてくれるの?

ミザリ

そこの緑の人と白い人、五星に入りませんです?

キジャ

な....

キジャ

何を言って....

ミザリ

今五星は2人欠員なんです。緑の人と白い人面白い能力持ってるし、どーでもいいその辺の凡人祭り上げるよりよっぽど楽しい組織になると思うんです

ミザリ

五星に入れば処刑も拷問も無しになります

キジャ

そなた正気か?

ミザリ

正気です、コウレン様もきっと喜んで.....

コウレン

ミザリ

コウレン

勝手を言うな

ミザリ

コウレン様!

コウレン

高華国の四龍とやら....まだ回復しきってはいないようだな...

ジェハ

これは麗しのコウレン姫

ジェハ

あなたの五星はなかなかの腕だ、まだ身体が充分に動かない

コウレン

...タオが自分の命と引き換えにしてでもお前達を助けて欲しいと懇願していた

コウレン

ミアも.....

ジェハ

タオちゃんが....

キジャ

ミア....

コウレン

そこの白い男は斉国でタオの女官を救ったそうだな

コウレン

ミザリの言うように私に降ればここから出してやらん事もないぞ

キジャ

...私はあの御方.....の、為に。生きて死のうと決めている

コウレン

あの娘は帰らん、ここを発ってから1週間以上音沙汰がない

コウレン

逃げたか...あるいは、スウォンに殺されたか....

コウレン

土台無理な話だったのだ。高華国と和平など....

ゼノ

確かに

ゼノ

高華国との和平は一筋縄では行かないだろうな

ゼノ

だけど、娘さんはただの女の子じゃないから

ゼノ

4体の龍に愛されて生まれた緋い龍の子だから

コウレン

!....緋い...龍....?

ゼノ

龍神達の緋龍愛を舐めない方がいいから、その気になれば...

ゼノ

天をも味方につける

ミア

ヨナは生きているぞ。

ジェハ

キジャ

ミア

ミア

あの子は必ず生きて戻ってくる。あの子はそんなにヤワじゃない。

コウレン

...ミア

ミア

...私の話、少しは考えてくれたかしら

ミア

ゆっくりで良い、理解して欲しい。スウォンも...きっとヨナがなんとかする

ミア

私達は....民が無惨に死んでいく姿を見たくないだけだ。

コウレン

.......分からない

コウレン

何故なんとかなると断定できる?何故あの子をそんなにも信用できる?

コウレン

ミアもあの時見ていたでは無いか!高華国の奴は私の目の前で民を殺し、その首を無残にも投げ捨てた!

コウレン

降伏していたのに!闘う気力もないのに!

コウレン

私は......っ、どうしても許せぬ......

ミア

.....場所を変えましょうか。貴方とは腹を割って話したいわ。

コウレン

コウレン

...わかった

ユン

ミア、不敬罪で死んだりしないよね?

ゼノ

お嬢さんは大丈夫だから、信じてるから

ジェハ

コウレン姫を上手く説得出来たら良いけど....確かに、まだ幼かった少女が受けた仕打ちにしては酷いものだね....

ユン

....今まで、イル陛下のことあまり好きじゃなかった、国を弱くして...逃げ腰で....

ユン

けど、イル陛下にも色々考えがあったのかな...って。今は少し思える。

ユン

王は...大変だね

コウレン

.....

ミア

コウレン、貴方が高華国へ強い憎しみを覚えるのも。許したくないのも分かる。私も目の前で見ていたから

コウレン

.....なら...何故、止めるのだ

ミア

それは、貴方にはユホンと同じ道へ進んで欲しくないからよ。

ミア

コウレン、貴方は聡明だわ。民への想いも切実なものだし

ミア

だからこそ、民を犠牲にしてでも復讐を行おうとする貴方が許せない。

コウレン

ミア

自分の欲望の為に民を殺す。それって結局、貴方が散々憎んでいたユホンと同じことをしているのよ

コウレン

......!

ミア

コウレン、貴方は何がしたいの?

コウレン

何がしたい...とは?

ミア

高華国と戦をしても、この国が滅ぶのは一目瞭然。国を滅ぼしたいのかしら?

コウレン

っ!私はただ....!

ミア

コウレン。新しい王が即位してから、戦で騒がしいし、憎しみを思い出すのは仕方ないわ。

ミア

けど、今の貴方は憎しみに囚われすぎて...周りが見えていない。いつもの冷静さが足りない。

ミア

スウォンと話した事はある?ユホンの息子だからユホンと同じことをする、とは限らないわよ。

コウレン

...っ

ミア

....じゃあユホンが生きていたとして。ユホンの首を持ってくれば満足するのかしら

コウレン

!?

ミア

高華国の民をスウォンの目の前で殺し、投げつけたら。それで貴方の気は晴れるのかしら。

コウレン

.....ぅっ......!!

ミア

怖いし不安だろうけどしっかり聞いて。今の貴方がやろうとしていることは、私が言ったこととそう変わりないのよ

ミア

民が大事?国が大事?

ミア

なら、もっと他にやるべきことがあるでしょう

コウレン

........っ。

ミア

........スッ

コト...

コウレン

!?

コウレン

お前.....その...顔....

ミア

...見せるつもりは....なかったんだけれど....

ミア

コウレン。私は......

コウレン

.......!?

コウレン

そんな...まさか....

コウレン

では何故あの時あのような格好をしていたのだ!?

コウレン

それに.....高華国には......

ミア

理由があるわ、あの国を薄情だなんて思わないで頂戴ね

ミア

.......スッ

コウレン

....それは...ミア以外の者は取り外せないのか?

ミア

えぇ、全く関係ない人間がこれを外そうとしてもビクともしないはずよ。

コウレン

.....あの娘や、四龍達もお前の顔を知らないという、なぜ私に見せたのだ

ミア

貴方にだけは知っていて欲しかったからよ。それでいて、信用して欲しかった。

ミア

出来なかったらその時はその時よ。

ミア

私は....."コウレン"を信用している。

コウレン

ミア

四龍達の様子を見に行ってくるわ。余計な苦労をかけてごめんなさいね。貴方も、少しくらいゆっくり休みなさい

ユン

いつもなら今頃来てるのに

ゼノ

ね、全然来ないね

ユン

大丈夫かな...ミア...

ユン

五星の人も、あんなにマメに食事持ってきてたのに来ないし...

ガタン

ネグロ

そこで頭を冷やせ

ユン

えっちょっと...何があったの!?

ミザリ

........四龍さんの力が....欲しい....

キジャ

だからそれは出来ぬと....

ミザリ

ゼノさんの血や肉を食べれば、僕も不老不死になれます?

ゼノ

.....ゼノの力は、誰にも移らないから

ミザリ

やって見なきゃわからないです

ゼノ

俺の血を浴びた兵士も、俺の肉を食った獣も。皆等しく死んでったよ

ゼノ

俺にも昔、絶対に死んで欲しくない人間がいたんだ

ゼノ

俺と同じ長い時がその人にもあれば......と、考えたこともあった

ゼノ

だけどその人にも等しく死は訪れた

ゼノ

今は....それで良かったと思ってる

ゼノ

人と違う...俺のような力は無い方が良いんだ

ユン

あ、そうだ...ミア見なかった?

ミザリ

ミア?誰ですそれは

ユン

えっ、いつも俺らのとこに来てる仮面をつけた女の子だよ

ミザリ

ああ、あの人です?

ミザリ

そういえば、この間コウレン様と話している時に仮面外してました

ミザリ

とても美しい顔で惚れてしまいそうだったです

ゼノ

ユン

え!?ミアが自分の意志で仮面を外したの!?

キジャ

我々にも...見せたことがないのに...

シンア

....

ジェハ

いやあ嫉妬しちゃうねえ

ミザリ

あの人なら、さっき倒れたって聞いて、コウレン様が急いで向かってたです

ユン

倒れた!?

ゼノ

お嬢さん....!

ユン

それを先にいいなよね!

ジェハ

そういえば...最近はここに通い詰めだったね...

キジャ

気にしていなかったが...やはり砦の際に負った傷が癒えていなかったのでは....?

ユン

え.....それなら、こんな寒いとこで毛布も持たずにどうして毎日......

ゼノ

.....ゼノ達を安心させるためじゃないかな

ゼノ

お嬢さん、優しいから。ゼノ達のこと、大切にしてくれてるから

キジャ

!情けない.....自分のことばかりでミアの不調に気づけぬとは.....!

ユン

でも、キジャやジェハも傷が酷いんだ。あまり動かない方がいいよ

ユン

ミア.....心配だな...大丈夫かな....

コウレン

ミアッ!

ミア

.....コウレン?

コウレン

はぁっ、はぁ、、

コウレン

っ.......お前が、倒れたと聞いて....

ミア

大した事ないわ、私のことは気にしなくても良いのに

コウレン

っ....お前は...お前がなんと言おうと...

コウレン

私の命の恩人であり友人だ.....

ミア

ありがとう、コウレン

ミア

本当に大丈夫よ。しっかり休むから、コウレンもやるべきことをやるの。

コウレン

..........

コウレン

....そう、だな

ミア

私は...少しだけ...寝るわ

コウレン

ミア...!

コウレン

意識を...失ったのか

コウレン

...無理をさせてしまった

コウレン

タオ、父上のもとへ帰れ

タオ

お姉様....!?

コウレン

...あの姫が出ていってから十日過ぎようとしている。これ以上は待てない

コウレン

ヨナ姫は死んだのだ

タオ

もう少し待ってください!ヨナ姫はきっと.....それに、ミア様も

コウレン

.......

コウレン

間もなく国境は高華国の軍勢で埋め尽くされる

コウレン

私は中央であの男...スウォンを迎えうつ。この戦を始めた責任を...

コウレン

必ず果たす

タオ

お姉様待って!

タオ

では四龍様を...あの方達も解放してください!

コウレン

あの者達はまだ利用価値がある

タオ

お姉様っ

コウレン

連れて行けネグロ

タオ

タオ

お姉様!!

コウレン

.....!

アルギラ

ネグロのおっさん!!

ヴォルド

これは.....っ

タオ

ヨナ姫!?

ヨナ

タオ姫っ一体....っ

タオ

来てはだめっ

タオ

何者かがこの屋敷に....!

ハク

姫さん!!

ヨナ

ヨナ

ハク.....ハク!!

ハク

かすり傷です....

タオ

ネグロ!!

ネグロ

...ご無事ですか...殿下...

コウレン

....問題ない

ネグロ

どうか....私の側から離れないでください

ネグロ

敵は複数.....殿下を狙っています...

コウレン

スウォンの刺客か....?

ヨナ

それは違うわ!

ヨナ

スウォンとは戦ではなくまず会談を開くと約束して来たもの

タオ

本当ですかヨナ姫!?

コウレン

ヨナ!!

コウレン

お前の弓をこちらに!!

ヨナ

えっ

コウレン

お前は撃てぬだろう!?

コウレン

私によこせ!!早く!!

ネグロ

....

コウレン

ネグ....

ネグロ

殿下

ネグロ

この身は貴女の盾

ネグロ

存分に!!

ネグロ

私はもはや只木偶...どうかお使いください

コウレン

ネグロ.....

コウレン

来世で逢おう

な...なんだあの男....

ヨナ

コウレン姫!!

ヴォルド

御免!!

コウレン

ヴォルド....!

ヴォルド

姿勢を低くしてください!

アルギラ

くらえ!

がぁっ

アルギラ

大丈夫かコウレン姫!

タオ

お姉様っ

コウレン

アルギラ

ヴォルド

殿下!私が援護します!ここから脱出を!

コウレン

お前はタオを守れ、反戦派の手は借りん

ヴォルド

反戦派である前に、私は真国の民です!貴女に何かあっては真国は立ち行きません!

ヴォルド

私も、五星の1人です!

ヴォルド

ネグロの代わりに今度は私が貴女の盾となります

ヴォルド

タオ姫と共に、どうかこの国を導いてください

コウレン

ふっ....タオとこの国を...か

コウレン

今私に刃を向けているのは私の民だというのに

ヴォルド

コウレン

スウォンでは無いとすれば恐らく反戦派のゴビ神官....

ヴォルド

まさか....!

ヴォルド

ゴビ神官は平和を重んじる御方...こんな卑怯な....

コウレン

お前のような純粋な者には理解出来んだろう、現にタオは狙われていない

タオ

では私が出て行って説得を...

コウレン

それでは奴らの思うつぼだ。遠慮なく他の者を攻撃出来るのだから

コウレン

.....いや、既に勝敗は決しているのかもしれない

コウレン

開戦どころかこの場で私には打つ手がないからな

ヨナ

私も貴女を死なせる訳にはいかない

ヨナ

とにかく今は生き延びることを考えましょう、ゴビ神官は野営地にいるわ

コウレン

ゴビ....

ハク

...っ、ちょっといいか...

ハク

ここを出る前に聞きたいことがある

ハク

四龍とユンはどこだ?

コウレン

あの者達は.....

コウレン

コウレン

ミア....

ヨナ

え....ミアもいるの...!?

ヴォルド

危ない!!

アルギラ

ちくしょ、まだいやがった

ヴォルド

今は危険です!四龍様方は後ほど助けに参りましょう!

ハク

っ.....

ヨナ

ハクダメ動かないで

ヨナ

顔色が悪いわ、どこかに隠れて....

ハク

冗談、休んでる場合でも死んでる場合でもないんでね

ハク

それより、もう離れないでくださいよ、いい加減しんどいんで

ヴォルド

合図したら外に

アルギラ

はっ

ぐぁっ

ヴォルド

今だ走れ!!

ハク

伏せろ!

アルギラ

ちくしょー

アルギラ

屋根の上じゃなきゃぶん殴ってやるのに

ヨナ

....

ドカッ

コウレン

お前はどんな教育を受けたのだ?

ヨナ

お互い様でしょ

ヴォルド

もうすぐ野営地です、そこまで急ぎましょう

コウレン

.......

コウレン

ぎゃっ

うわっ

ジェハ

や、おまたせ

ヨナ

ジェハ!どうして....

ジェハ

囚われの王子様やるのも飽きてきちゃってね、出てきたん...フラ

ジェハ

ヨナ

きゃーっジェハ!?

ヨナ

キジャ達は?

ハク

重い

ジェハ

後から来る

うわぁぁぁあっ

なんだあいつは!?

化け物め!

シンア

.....ギロ

うあああ!頭...あたまが

ぎゃぁっ

コウレン

物の怪か....!?

ヨナ

待って

ヨナ

シンア

シンア

ヨ....ナ.....

コウレン

(これが高華国の四龍...まるで神の力)

コウレン

(あの娘は、こんな力を従えているというのか...!?)

ヨナ

...シンア?

シンア

...体...重い...でも大丈夫

シンア

脚はまだ動く....

ユン

シンア...っ

ユン

もっ、どんどん先に行っちゃうんだから...

ヨナ

ユン、キジャ、ゼノ!

ユン

ヨナぁっ

キジャ

ご無事で.....っ

ヨナ

私は平気、キジャひどい怪我...

ユン

緋龍城が遠いせいか治りが遅くて...

ゼノ

今度は青龍運ぶから

シンア

重い...よ

ゼノ

だいじょーぶ......じゃない、老体には無理

ジェハ

あーハクに寄りかかっていると楽...

ジェハ

ん?

ジェハ

ちょ、ハク!?君血が....

ジェハ

ユン君!来て!

ハク

てめーも血まみれだろうがよ

ユン

もおお雷獣のばかぁぁっ何で何度も矢 受けちゃうの!?

ハク

俺はいい、他のやつを....

ユン

今はあんたがいちばん重要!

ハク

......?

ハク

ハク

おい、ミアはどこだ?

ジェハ

え?君達と一緒じゃないのかい?

ヨナ

いいえ、一緒じゃないわ...

キジャ

何!?

ジェハ

屋敷を見て回ったけどミアちゃんはいなかった。だから君達と一緒に行動しているんだと思っていたけど...

ジェハ

まさか単独行動?いや、この状況でそれは無いか...なら考えられるのは....

ハク

でも、あいつがそんな簡単に...

コウレン

......!

コウレン

襲撃に遭う直前、ミアは.....体調不良で気を失っていた

ユン

そうだ...ミザリもミアが倒れたって言ってたよ!

シンア

....!

キジャ

だが、奴らにはミアを捕らえる理由がない

キジャ

殺すならとっくに殺して屋敷に遺体があったはず。ミアはまだ生きている!

コウレン

いや...お前達も知っているだろう、私とミアは顔見知り、友人だ。

コウレン

仮に攫われたとしたら....それは私を従わせる為の人質......っ

ジェハ

まずい...人質がいては動きが制限される

ハク

....っ

ヨナ

人質なら生きているってことでしょう?ミアなら大丈夫、、目を覚ましさえすればきっと....っ

ヨナ

それに、ライもいないわ。ミアから支持を受け何かしら動いているか、ミアと一緒にどこかにいるか...

ジェハ

...そうだね、僕らが信じなければ

キジャ

...そう、だな

コウレン

迂闊だった....私のせいで.....うっ、

タオ

お姉様っ

ユン

腕を射られたの?見せて

コウレン

構うな問題ない

ユン

みせて。矢傷は馬鹿に出来ない

コウレン

敵国の...しかもお前達を捕らえた者の傷を、何故治療する?

ユン

何故...って、

ユン

負けたくない....からかな

ユン

戦とか、暴力に。治すのに敵とか味方とかはないよ

コウレン

...お前達の、四龍の力とは、まるで神の領域だ

コウレン

その力をもってすれば、スウォンに復讐も出来るんじゃないのか?

ヨナ

四龍は私怨の道具では無いもの

コウレン

では私怨はあるのか

ヨナ

...それは...わからない...

ヨナ

分からないけど、あの日のことを簡単に許したり出来ない。でもそれだけに囚われて生きていたくないの

コウレン

.....スウォンは会談を開くと言ったのか?)

ヨナ

えぇ、タオ姫と共に話し合いの席に着くように、と

ヨナ

他にも条件はあるけれど、真国がそれに応じれば少なくとも高華国との間に血は流れない

ヨナ

貴女には辛い決断だけど...ひとつ言えるのは、ユホン伯父様のように真国民を奴隷にするつもりなら、スウォンは最初からこんな約束はしない

ヨナ

あの人はそんな、無駄なことはしないと思う

コウレン

成程、まだ信じているというわけか

ヨナ

そういう部分では....そうね

ヨナ

...敵の攻撃が止んだわ、行きましょう

コウレン

.....ひとつお前達に詫びる

コウレン

お前達を捕らえ人質としたことは不当であった。

タオ

お姉様

タオ

私が支えます

コウレン

タオ....

タオ

大丈夫です。この方が彼らは手を出せません

タオ

ゴビ神官とは距離を置いていましたが...まさかネグロにあのような......っ

タオ

人を...っ、恨んでしまいそうです....

タオ

彼の暴走を止めなくては

ユン

ごめんちょっといいかな

ユン

ミザリ見なかった?

アルギラ

ミザリ?来てねえ

ユン

俺らより先に檻から出て走っていったんだけど、ミザリも矢を受けたから....

コウレン

ミザリ...

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