大森
朝、カーテンの隙間から差し込む太陽の光が眩しくて目が覚めた。
大森
太陽を避ける為に寝返りを打とうとしたその時、ぼくは違和感に気が付いた。
大森
若井
大森
寝惚けてた頭が一気に覚醒する。 後ろから若井のムニャムニャしてる声が聞こえ、首だけ後ろに向けると若井の寝顔が視界の端に映り、今、自分が若井に後ろから抱きしめられている事を理解した。
また、それと同時に昨日の事を思い出して顔が熱くなる。
正直、Sub dropでパニックになってた影響なのか、断片的にしか思い出せないけど、一番恥ずかしかった所の記憶は、忘れさせてくれなかった。
ぼく…昨日、若井と… なんで、あんな事… どんな顔して若井と顔を合わせればいいか分かんないよ…! てか、なんで抱きしめられてる訳?!
ぼくは、なんとか若井が起きる前に腕の中から逃れようともがいてみるが、全然逃げれる気配がない。 それどころか、もがけばもがく程、がっちりホールドされ、逆にどんどん若井と密着していく。 そして、もがいた事で気が付いた事が一つある…
ぼく、下半身裸のままだ…
若井
いつから起きてたのか、さらにぼくがもがいてると。ふいに後ろから若井の声が聞こえた。
大森
急に声掛けんなよ…! 変な声出ちゃったじゃんか!
若井
大森
大森
若井
大森
あれ?意外と普通に話出来てる?
若井
大森
若井
なんだろ? 今、答えるまでに間が合った気がするけど…
大森
少し気にはなったけど、今は若井と今まで通り普通に話せてる事の方が嬉しくて考えない事にした。
その後は、若井が買ってくれた新しい下着を履き、お互い少しふざけ合いながら仕事に行く準備をして、まるで昨日起きた事なんてなかったかのような雰囲気が漂い始めた時、若井がチラッとぼくを見てから話し始めた。
若井
大森
若井
若井
若井の話を要約すると、昨日の風磨君からの電話で大体の話を聞いたから、ぼくの事情は理解してくれていて、自分的にも定期的にPlay出来る人が居たらいいなってずっと思ってたし、相性も悪くなさそうだから丁度いいんじゃないかと言う事だった。
あと、若井は、昨日は急にPlayを始めてしまった事について謝ってきた。 Sub dropを解除するには、抑制剤かそれまでPlayをしてたDomとは別のDomとのPlayで上書きするのが有効だと言われているが、ぼくは抑制剤が効きにくいと聞いた為、ぼくを助ける為に確認せずにPlay始めてしまったと。 そんな初歩的な知識、ぼくも知ってたのに、あの時はパニックになってたから気付く事が出来なかった。 それでも、あそこまでする事なかったじゃん!と喉まででかかったけど、元はと言えば、ぼくが反応してしまったのがきっかけではあったし、若井だけが悪い訳じゃない… むしろ、冷静に考えるとあんな醜態を晒してしまい、申し訳ない気持ちさえ芽生えてくる…
正直、昨日のPlayを思い出すと、恥ずかしくて死にたくなるけど、若井とパートナーになる事自体は悪くないような気する。 あんなに若井にバレるのが嫌だったのに、バレた上に流れでPlayまでしてしまったけど、ずっと不安に思ってた関係性は、今、こうして普通に話が出来ているのを考えると、今までと変わりないように思うし、現状、涼ちゃんには頼れず、風磨君も駄目だった為、頼れるのは若井しか居ないのでは…?
いや、でも…
大森
大森
昨日、若井が部屋に入ってきた時、全身で若井が怒ってるのを感じたのに。
若井
Glareって、Domの人が怒った時に出るやつだよね…? 混乱しても出るものなの…?
若井
そっか… それなら… そうだよね、ぼく達“友達”だもんね。
それに、頼れるのはもう若井だけだもん…
大森
若井
若井
大森
昨日、Sub dropしちゃったのは、きっとぼくが不安な気持ちが強かったからだ。 風磨君は何も悪くなかったのに、嫌な思いさせちゃったよね… もしかしたら何か連絡が来てるかもと思い、携帯を確認すると、風磨君からぼくを気付かう内容のL○NEが入っていた。
それと、もう一件。 涼ちゃんからの着信も…
大森
若井
若井
大森
その後、仕事の為にスタジオに入ったあと、涼ちゃんと二人になったタイミングで昨日の事を説明した。 …勿論、若井とのPlay内容以外。
涼ちゃんは、元々、若井に頼るべきだと言っていたし、ぼくがそれでいいならと言ってくれた。
こうして、この日からぼくと若井は恋愛抜きのパートナーになった訳だけだけど、 この時のぼくはまだ何も分かっていなかった…
コメント
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初コメ失礼します、! アオトナツが出る前から密かにずっと見ておりました🫣 少し馴れ馴れしく行くかもしれませんがどむさぶのお話とても楽しみにしておりますぅぅ.... これからもひそかーに作品読み漁りますね...(*/□\*)♡