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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
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第38話『声の裏側』
夜。
らんはモニターの前に座り、マイクのスイッチを入れた。
ライトに照らされたデスクは整然としているように見えるが、心の内は整っていなかった。
らん
らん
息を整え、配信用の画面を確認する。
自分をイラストとして作られたV体が、自分の動きに合わせて動いている。
つまりは声だけの世界――だからこそ、笑ってさえいれば隠せる。
らん
小さく呟き、配信ボタンを押した。
チャット欄が一気に流れ始める。
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その勢いに圧倒されながらも、らんは喉を震わせた。
らん
続いて、柔らかい声が響く。
こさめ
こさめ
こさめ
わずかに緊張した声色。
だがそれを耳にすると、らんの胸に不思議と落ち着きが広がった。
こさめ
こさめ
らん
らん
こさめ
こさめ
らん
チャットが一斉に沸く。
コメント
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らんは自然と笑みを含んだ声を出した。
その笑みがリスナーに届いたのか、コメントはますます温かいものに満ちていく。
話題は近況報告から、好きな食べ物、最近見た映画といった軽いものへ。
らん
そんな空気の中、不意にこさめが口にした。
こさめ
一瞬、らんの心臓が跳ねた。
――来月。
6月23日。
チャット欄が一斉に反応する。
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らんは慌てて声を整え、相槌を打った。
らん
らん
こさめ
こさめ
こさめ
らん
声は自然を装っていたが、胸の奥では数字が点滅していた。
6月23日。
――その日付が、まるで呪いのように。
こさめは明るく続けた。
こさめ
こさめ
チャットが一気に沸く。
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こさめ
と笑うこさめの声に、らんも必死に合わせた。
らん
らん
こさめ
ほんの一瞬、沈黙が生まれた。
その沈黙の中で――頭の奥にノイズが走った。
ザザザッ……。
こさめの声が遠ざかり、視界が白く濁る。
脳の奥を刺すような痛み。
息が詰まり、言葉が出ない。
らん
らん
とっさにマイクをミュートにした。
息を殺し、頭を抱える。
額から汗が滴り落ち、背筋を冷たい感覚が走る。
らん
必死に呼吸を整える。
頭痛はまだ残っているが、声を出せる程度には収まっていた。
指先が震えながらも、マイクのミュートを外す。
らん
らん
らんが取り繕うように言うと、こさめが心配そうに声を向けた。
こさめ
こさめ
チャット欄にも
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と心配の声が流れる。
らん
らん
らんは笑い声を混ぜた。
その声を信じてくれるように、こさめは
こさめ
と返した。
そこからは、また穏やかな空気が流れた。
好きな音楽の話、思い出の話。
リスナーも交えながら、二人は時間を過ごした。
だがらんの胸の奥では、さっきの数字が消えてはいなかった。
──6月23日。
その日が近づくほど、痛みとノイズは強まっていくのではないか。
らん
答えのない問いが、声の裏側で燻り続けていた。
配信終了の挨拶。
こさめ
こさめ
こさめ
らん
チャット欄が温かい言葉で満たされ、画面が暗転する。
静まり返った部屋で、らんは深く息を吐いた。
震える手を見下ろしながら、心の奥に刻まれた数字を消そうと目を閉じる。
──けれど、閉じた闇の中でも。
6月23日は、はっきりと光っていた。
第38話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡390
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コメント
3件
6月23日になにか思い出すのかな…? めっちゃ気になる👀 続き楽しみです!✨️