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フランドール

「さぁひざまずきなさい」

昔々あるところに

悪逆非道の王国の

頂点に君臨するは

齢十四の王女様

フランドール

とても綺麗で豪華な家具が欲しいわ

フランドール

買って来て頂戴

絢爛豪華な調度品

召使

かしこまりました

顔のよく似た召使

愛馬の名前はジョセフィーヌ

全てが全て彼女のもの

フランドール

お金がなくなりそう?

フランドール

なら

フランドール

愚民どもから奪って頂戴

お金が足りなくなったなら

愚民どもからしぼりとれ

フランドール

「私に逆らう者達は」

フランドール

「粛清してしまえ」

フランドール

「さぁひざまずきなさい」

悪の華可憐に咲く

鮮やかな

彩りで

周りの哀れな雑草は

嗚呼

養分となり朽ちていく

暴君王女が恋するは

海の向こうの青い人

フランドール

ウフフ

王子

ハハッ

フランドール

あのね王子

王子

なんですか?

フランドール

私、貴方の事が好きなの

王子

お気持ちは嬉しいのですが

王子

すみません

王子

フラン王女

王子

私緑の国の王女に一目惚れしてしまったんです

だけども彼は隣国の

緑の女に一目惚れ

フランドール

そう

フランドール

もういいわ

フランドール

帰って頂戴

王子

はい

フランドール

なんでなんでなのよ

フランドール

絶対あいつより私の方が

嫉妬に狂った王女様

フランドール

大臣来て頂戴

大臣

はい

ある日大臣を呼び出して

大臣

なんでしょう

静かなとえで言いました

フランドール

「緑の国を滅ぼしなさい」

幾多の家が焼き払われ

幾多の命が消えていく

   

なんでだ!

   

イヤーーーー

苦しむ人々の嘆きは

王女には届かない

フランドール

「あら、おやつの時間だわ」

悪の華可憐に咲く

狂おしい彩りで

とても美しい花なのに

嗚呼

棘が多すぎて触れない

悪の王女を倒すべく

ついに人々は立ち上がる

烏合の彼らを率いるは

赤き鎧の女剣士

つもりにつもったその怒り

国全体を包み込んだ

長年の戦で疲れた

兵士達など敵ではない

ついに王宮は囲まれて

家臣達も逃げ出した

可愛く可憐な王女様

フランドール

キャッ

ついに捕らえられた

フランドール

「この!無礼者!」

悪の華可憐に咲く

悲しげな彩りで

彼女の為の楽園は

嗚呼

もろくはもかなく

崩れてく

昔々あるところに

悪逆非道の王国の

頂点に君臨してた

齢十四の王女様

処刑の時間は午後三時

教会の鐘が鳴る時間

王女と呼ばれたその人は

フランドール

(これでよかったの)

一人牢屋で何を思う

ついにその時はやってきて

カーンカーン

終わりを告げる鐘が鳴る

民衆などには目もくれず

彼女はこう言った

フランドール

「あら、おやつの時間だわ」

グチャ

悪の華可憐に散る

鮮やかな彩りで

のちの人々はこう語る

嗚呼

彼女は正に悪の娘

   

やったやったぞー

   

やっとウッあの子のかたきがウッグスッ

召使

お姉様…………………

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