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Episode7─親愛なる貴方
A new story begins
赤葦side
花宮先輩は─────
きっとただの風邪なんかじゃないんだ
そう察した、
花宮はお見舞いを控えるよう言われたみたいだけど
一緒に行こうと誘われた
お医者さん
でも明らかにお見舞いに来たという雰囲気ではなかった
花宮 薫
「先程息を、引き取られました────」
そう言われた瞬間、俺は瞬時に理解できなかった
赤葦 京治
花宮 薫
今にも泣き出しそうな苦しそうな花宮を見て本当なんだと悟ってしまった
お医者さん
信じられなかった。
信じたくなかった。
俺が恋し焦がれた最愛の人は
もうこの世にはいないのだと
大切な人は明日も明後日もずっと生きているような気がした
でもそれはただの想像でしか無かったのだ
祈莉先輩の顔は安らかだった。
まだ生きてるのではないかと思うほど
俺は涙が止まらなかった。
溢れて零れて仕方なかった
お医者さん
そう言って渡された手紙を開けた。
その手紙からは君の優しい香りがした
その手紙を見て俺は涙が枯れるほど泣いた
花宮も同じだった
俺は後日花宮先輩との会話を交えた
「祈り」の桜の木の下へ来てその手紙を読み返した
拝啓─────親愛なる赤葦京治さん
赤葦くんがこの手紙を読んでるって事は私はもう既にこの世に居ないよね、実はね私、小さい頃から肺炎だったの。ずっと隠しててごめんね、
私ね、赤葦くんがずっと好きだったよ でも私は永くないのを感じちゃってその気持ちを伝えれなかった。赤葦くんはどう?両思いだったら嬉しいなぁなんて笑 でもね赤葦くんと過ごした日々はすっごく楽しくて生きててよかったって思えたし、 もっと生きたかったって思わせてくれた。
本当にありがとう。 寂しくなったら私と話した桜の木の下に来てね。 私はずっと待ってるよ! 桜の花言葉覚えてる?? どうか「私を忘れないで」ね!
最後に、もし来世でまた生まれ変われたら、また赤葦くんの事を見つけて必ず好きと伝えるね、
それまで待っててください、! この桜の木は親愛なる貴方に向けての祈り花です! 本当に大好きだよ、ありがとう。 花宮 祈莉
春─────
出会いと別れの季節。
そして新しい恋が始まった季節。
俺の恋と春は儚く散った。
出会い、別れ、恋、全てを経験したそんな春だった
親愛なる貴方からの祈り花
貴方の事を「忘れる」なんて絶対に無い。
この春君に恋をして叶わなかった。
そんな俺の恋物語。
親愛なるは祈り花 fin─────