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テラーノベル(Teller Novel)

翌朝

千凪

あ〜〜〜・・・
疲れた・・・

玄弥

何か今回の鬼、
手強かったな・・・

千凪

確かに・・・

少し強かった 鬼を倒した後だからか2人の身体は 肩に岩を乗せられた様に 重かった。

千凪

鬼退治ってこんなに
疲れるっけ・・・?

玄弥

いや、もう少し
楽と言うか・・・
こんなに疲れるもんじゃ
無かった気がする・・・

千凪

だよね・・・

千凪

何、か・・・
もうちょっ・・・と
こう・・・

玄弥

? 千凪、どうした?

玄弥がそう聞いた途端

フラ~~~・・・

玄弥

!? 千凪!!

千凪が突然倒れてしまった。

玄弥

千凪!?どうした!?

玄弥がそう呼びかけるも 千凪からの応答はない。

玄弥

(クッソ・・・!)

玄弥

(あんまり街に出ねえから
医者のいる所が分からねえ・・・!)

隊士が街に出ると言えば 休暇の時か任務時。

だが玄弥は少しでも休みがあれば 岩柱邸で滝行や岩を動かすなど ただひたすら鍛練だ。

街の事なんて興味がないし 行きたいとも思わなかった。

その為、医者のいる場所や 薬屋の場所さえも分からなかった。

玄弥

(と、取り敢えず蝶屋敷に・・・!)

玄弥は千凪を抱えて 蝶屋敷に向かって行った。

ズキンッ

千凪

っ!

千凪

(い、痛い・・・)

千凪

〜っ・・・

千凪が目を開けると 目の前には顔に大きく傷が横走っている 男がいた。

玄弥

ああ!やっと気が付いた・・・!

そう玄弥が安堵した瞬間、

千凪が思いもよらない言葉を発した。

千凪

誰、ですか・・・?

玄弥

っ!

千凪は玄弥の顔を見て 少し苦しそうにそう言った。

しのぶ

気が付きましたか・・・

しのぶ

千凪さん・・・

病室の入り口にはいつの間にか しのぶが立っていた。

玄弥

胡蝶さん・・・!

千凪

こちょう、さん・・・

しのぶ

私のこと、覚えていますか?
千凪さん。

しのぶが真剣な表情で 千凪に問う。

千凪

こちょうさん・・・

千凪

こちょうしのぶ・・・さん

玄弥

っ?!

何故か千凪はしのぶのことを 覚えていた。

その事に玄弥は戸惑った。

何故自分を覚えていないのか。

何故自分だけを

小さな頃から知っていた自分を。

悔しかったのだ。

その後もしのぶは質問をする。

しのぶ

炎柱の方は?

千凪

れんごくさん・・・

しのぶ

水柱の方は?

千凪

とみおかさん・・・

千凪は柱や他の隊士のことも 覚えていた。

だが何故か玄弥のことだけを 覚えていなかった。

千凪

(何で?何でこの人だけ分からないの?)

千凪も玄弥を見て懐かしい感じはしている。 だが思い出せない分からない。

そしてしのぶは玄弥を千凪のいない 部屋に移動させ、話をした。

しのぶも分からなかったが こう言う。

しのぶ

記憶を無くす人の多くは
所々の記憶をなくしたり

しのぶ

ある一定の時から記憶が
無くなっているケースが殆どです。

しのぶ

ですがごく稀にあるんですよ。

しのぶ

大切な部分の記憶だけを無くしたり、

しのぶ

一番大切な人、
忘れたくない人だけを
忘れるということが。

しのぶ

恐らく千凪さんは
そっちの方だと思います。

しのぶ

一番大切な、
忘れたくない人を

しのぶ

忘れてしまっています。

玄弥は唇を噛み締めるしか無かった。

しのぶ

恐らく日常に支障はありません。

しのぶ

鬼狩りの任務にも支障は無いはずです。

玄弥

はい・・・

しのぶ

ですが玄弥さん、あまり千凪さんに
思い出したか問いたださないであげてください。

しのぶ

千凪さん本人も思い出そうと必死になります。

しのぶ

そこに追い討ちをかけると
人によっては病んでしまうので・・・

玄弥

分かってます・・・

玄弥

俺がちゃんとアイツを
支えて、俺のことを思い出せなくても

玄弥

大丈夫です・・・

玄弥

俺が何とかします・・・

しのぶ

・・・分かりました、
お願いします。

そんな会話が扉の前にいる 千凪には聞こえた。

千凪

(何で・・・こんな・・・)

千凪

(貴方の様な素敵な方を忘れている私を・・・)

千凪

(そんなに構ってくれるんだよ・・・)

千凪はそう思った後、 扉から離れて自分がいた 病室に戻って行った。

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