やっとの思いで逃げることはできたが
私は腹部に銃撃を受けてしまった
デートに浮かれていてシッテムの箱も持っていなかった為、かなりの重症だ
先生
うぐっ...はぁっ...はぁっ...
空崎ヒナ
先生、追手は撒けたみたい
だから安心して
先生
はぁっ...そっか...なら良かった...
...ヒナは大丈夫?
空崎ヒナ
私は大丈夫、何発か受けたけど
これくらいなら平気
空崎ヒナ
私は大丈夫...だけど、先生が...
先生
あぁ...正直、出血が酷くて
かなりまずいね...
先生
でも、私だってこのくらいなら...
ぐっ...!?
空崎ヒナ
先生、動かない方がいい
もっと傷が酷くなっちゃう
空崎ヒナ
圧迫して出血を抑えなきゃ...
先生
...ッ!
空崎ヒナ
ごめんなさい先生、
なんとか耐えて...
空崎ヒナ
救助は呼んだから、きっと...
先生
…
先生
止血は大丈夫だよ、ヒナ
空崎ヒナ
...えっ?
先生
私の体だ、私がいちばんよく分かってる
先生
きっと私はもう...間に合わない
空崎ヒナ
...ッ!
空崎ヒナ
そ、そんな事言わないで先生
救助がきっと...
先生
いや...この道路の状況では、救助するのも厳しいだろうね...
路地裏の外には、さっきまでデートしていた商店街の面影はなく、瓦礫の山が積み上がっていた
先生
...ヒナ、私は置いて先に行って
空崎ヒナ
そ、そんな...先生を置いていけだなんて...
嫌だよそんなの...
先生
...ヒナ...そこにいるかい...?
空崎ヒナ
あ...う...うん
先生
良かった...ごめんねヒナ...もう目もろくに開けられないんだ...
先生
耳も聞こえにくくなってきている...
ヒナには申し訳ないけれど、もう手遅れみたいなんだ...
空崎ヒナ
あ...そ...そんな...
先生
ごめんね...ヒナ...ヒナにはエデン条約の時も助けてもらっちゃって...私はダメな先生だね...
空崎ヒナ
そんなことない...!!
空崎ヒナ
先生は...いつもシャーレの仕事で忙しいのに私のために時間作ってくれたり...デートにも誘ってくれたり...
空崎ヒナ
大変なのに...弱音も吐かないで...
色々な問題の為に奮闘してる...
私の大好きな先生だよ...
先生
ありが...とう...ヒナ...
先生
...もうヒナの声も...全然聞こえないや...
先生
ヒナ...そこに...いるん...だよね...?
空崎ヒナ
うん...ここにいる...ここにいるから...!
空崎ヒナ
だからお願い...タヒんじゃやだよ...
先生
大丈夫...だよ...ヒナ...離れない...ずっと...離れない...から...
先生
......
空崎ヒナ
...先生...?
空崎ヒナ
...先生...! ...先生...!!
空崎ヒナ
ねぇ...起きてよ...!
まだ...デート...したいよ...
空崎ヒナ
あ...あ...
空崎ヒナ
う...うぅ...グスッ...うぅっ...先生...