四月
生徒
あの、先生。
生徒
立候補した手前、あれなんですけど。本当に私がクラス委員長でよかったんですかね。
生徒
そりゃ、私。堂々としてたかもだけど。あれはなんか、流れっていうか。
生徒
そう、あれはのせられたんですよ! こう、何か空気的なやつに。
生徒
え、大丈夫だ? もう決まったことだし?
生徒
全然大丈夫なんかじゃないですよ!!
生徒
え、ちょ。先生―! 笑ってないで助けてくださいよぉー!!
生徒
もう。何で笑うんですかーーー!!
生徒
先生、あなたのことが嫌いです!
五月
生徒
いや、確かに助けてって言いました。先月ね? 言いましたけど。そこは間違いないですけど。
生徒
転んだところをこう、抱えられると、心臓に悪いっていうか。
生徒
先生、ご自分が男である自覚あります?
生徒
え、動くな? このままだと二人とも階段から落ちる?
生徒
す、すみません、ん!!。
生徒
……ん。あっぶな。っと、と。はぁ、はぁー。怖かった。
生徒
あの、ごめんなさい。助けて貰った手前、アレなんですけど。
生徒
この雰囲気、どうにかしてもらえません?
生徒
みんなが集まってきてニヤニヤしてるんですけど。
生徒
あの、先生? 笑ってないで!
生徒
私だけ顔真っ赤とかバカみたいじゃないですか!!
生徒
もう、ほんと嫌い!
六月
生徒
あ、先生。プリントください。
生徒
配りますよ。
生徒
先生、センセ。今ぼーっとしてたでしょ。
生徒
ダメですよー。ほら、しゃっきりしないと。
生徒
疲れてます?
生徒
え、俺のことばっか気にしてないで友達作れ?
生徒
失礼な、いますよ。友達くらい。
生徒
ほら、あそこ。ずっとこっち見てる。
生徒
あ、写メとるな!!
生徒
やめ、消して!! 何やってんのほんと。
生徒
拡散しないで!!
生徒
あー! やめて!! あー! あー! あー!
ちょ、待ちなさーーーい! ばかっ、やめ、きゃーーーー!!
ちょ、待ちなさーーーい! ばかっ、やめ、きゃーーーー!!
生徒
先生もほんと、なんで笑って見てるかな!
生徒
あー、もう嫌い! 大っ嫌い!