竜胆の居ない部屋
成人してお互いが仕事に追われる日々
離れる時間もそこそこ増える事なんて分かってた
休日は絶対ずっと一緒に居てくれるし、好きもちゃんと言葉にしてくれる
それでも、足りない
風羽
竜胆のパジャマに顔を埋め、ふわりと香る竜胆の匂いに涙を流す
寂しいの、これはいつかなくなるの?
風羽
大人気ないとも思う
それでも、止まらないんだよ
竜胆
後ろから聞こえた私の大好きな声
風羽
襟元に目をやればピンク色のリップがついていた
心細い時に、こんなものを見てしまえば私の心は壊れる
風羽
竜胆
竜胆
手を広げ、おいでと促す。 それでも彼から抱きしめてくれた事はなかった
泣いてる時と、お願いした時。後は私が抱きしめたら抱きしめてくれる
足りない物、それはきっと愛を求め過ぎる私を満たす程の愛
私が100彼を好きだったとして彼は80
風羽
ふらりと立ち上がり、腕を広げてくれた竜胆の隣を素通りした
竜胆
竜胆、私愛されてる私が竜胆の次に好きなんだ
愛されるって難しいから、愛されてると嬉しくなるの
でも今世は無理だったみたい
風羽
風羽
竜胆
竜胆
ベランダへ足を出すと寒いくらいの風が温まっていた体を冷やした
風羽
竜胆
あぁ、ごめんね、今は信用できないや
風羽
竜胆
風羽
竜胆
『 』
竜胆
空気に背中を預け、マンションの4階から地面めがけて飛び降りた
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