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原作第1.5部の話になります
⚠️ネタバレ注意
原作と違くなります
ここからは賢者目線です
ファウスト達が賢者を探すのに時間がかかりすぎておりオヴァサウスに殺されそうになった所
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
シルクハットを投げ捨ててオヴィシウスはぐしゃぐしゃと髪をかきむしった
絶望と憤怒を浮かべながらいびつな笑顔をひきつらせている
部屋を歩き回りながら、オヴィシウスは独り言のように早口でしゃべった
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
賢者
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
賢者
その時、不思議な空間に見たことのない蝶が浮かび上がった
オヴィシウス
オヴィシウス
操り人形を抱きながら、オヴィシウスは呪文を唱える
すると、ぐにゃりと歪んで蝶は小さくなった。だが、すぐに元の大きさに戻る。
根比べをするように、拡大縮小を繰り返していくうちに、蝶はどんどん大きく、どんどん眩しく光った。
一際強く、蝶が輝いた。
その時…
私の目の前には見たことがない人が現れた
ミラーナ
目の前の人は周りに白い蝶をヒラヒラさせながら綺麗な顔をして微笑んでいる
ミラーナ
賢者
質問に答えようとしても声にならなかった。オヴィシウスの魔法で封じられたせいだ。
ミラーナ
ミラーナ
私の様子に気づいて、この人はオヴィシウスを睨みつけた
こんな綺麗な人からは想像もつかないような、冷たい氷のような鋭敏と迫力があった
その時、オヴィシウスが私の首裏を掴んで引き寄せた。
そのまま、羽交い締めされる
ミラーナ
オヴィシウス
オヴィシウス
ミラーナ
ミラーナ
ミラーナ
そしてオヴィシウスは下を向き
くつくつと目の奥で笑いながら、オヴィシウスは右手に、黒い炎をともした
私の顔の隣で不気味な炎がゆらゆら揺れる
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
賢者
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
オヴィシウス
怒号のような、悲鳴のような、オヴィシウスの声が響き渡る
瞬間、悲しみに似た気配が伝わって来た。オヴィシウスでも、この目の前にいる人でもない。
この空間… 不気味で恐ろしい、いばらの古城から
賢者
かつん、と靴跡が響いて、はっと顔を上げる
目の前の人が一歩、踏み出した。 白い蝶を周りにヒラヒラさせながら無表情で一歩一歩、私に近づいてくる
毛を逆撫でた獣のように、息を荒げて、オヴィシウスは威嚇した
オヴィシウス
ミラーナ
賢者
ミラーナ
オヴィシウス
ミラーナ
オヴィシウス
目の前の人は白い蝶を光らせオヴィシウスへ何かを放った。
避けることも出来ずに、オヴィシウスはよろめいた
その隙に、腕を振りほどいて、目の前の人の元へと駆け出す。
ミラーナ
目の前の人が呪文を唱えると、私の喉から声が出るようになった。
賢者
ミラーナ
オヴィシウス
オヴィシウス
私の背中で、オヴィシウスの呪文が響く
操り人形から繰り出された、黒い炎が私に襲いかかる
その瞬間、炎の前に白い蝶がヒラヒラと舞いながら飛んできた
ミラーナ
ミラーナ
目の前の人の魔法がオヴィシウスの黒い炎を防いだ。白い蝶の目の前で、焦熱が霧散する。
目の前の人は私を片腕で引き寄せて、もう片腕で白い蝶を指の上に乗せていた
オヴィシウスを無表情で見つめては、ふいに、目の前の人は何かを思い出したように私に微笑んだ
ミラーナ
その質問が何を意味しているのか、すぐにはわからなかった
とっさに、正直に答える
賢者
目の前の人は何も答えなかったが返事の代わりに私に微笑んで「失礼」と言い片腕で私の目を塞いだ
ミラーナ
目の前の人が呪文を唱えると、ふわりと風が舞っている
直後、辺り一面が冷たく氷のような 空気
賢者
目を塞がれたまま、次いで、私はガラスの割れるような音を聞いた
ぴしぴしと亀裂が入って、がしゃん、とひび割れるきれいな音
その時には、何が起きているのか、大分わかっていた。
魔法使いは死ぬと石になる マナ石と呼ばれる高価で美しい結晶に
目を塞がれていた手が離れ、目の前を見た。オヴィシウスはそこにはもういなかった。
代わりに無数のマナ石が散らばっていた
ふと、気が遠くなって、私は目を閉じる
ミラーナ
緊張の糸が切れたせいか、目の前の人に支えられながら、私は意識を手放した。
ここからミラーナ目線となります
ミラーナ
ミラーナ
ミラーナ