家族を失った日から

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

ガチャ

ガチャ

俺の名前はいふ

突然だが

この3人は俺の家族では無い

俺は2年前

家族をを失った

あの日は俺の仕事が休みだったため

朝から出かける予定だった

いつも通りの朝を迎えて

みんなで出かけて

楽しい日になるはずだった

ｶﾁｯ【チャイルドシート】

数分後

ｶﾞﾀﾞｯ

ｶﾞﾀﾞﾝｯ

そこにあったのは

椅子とハンドルに挟まれて

ﾋｭｰﾋｭｰと苦しそうに息をしている嫁と

頭から血を流して息をしていない

息子の姿だった

そのあと俺は意識を失った

次に目を覚ました時は

病院だった

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

それからのことは覚えていない

事故から半年

俺はもうすぐリハビリができるまでに回復していた

が

心の傷は全然癒えなかった

妻と子を失い、

生きる意味を失った

アニキから聞いた話じゃ

事故の原因は飲酒運転をしていた車が

前に止まっていた車に衝突した

そこから11台もその事故に巻き込まれたのだそう

このことは当然ニュースにもなったそう

負傷者15名

死者『2名』

これを聞いた時

その飲酒運転をしたやつを憎んだ

俺の家族だけが死んだ

なぜ

普通に遊びに行っていただけの俺らが

こんな目にあわなくてはいけなかったのか

全く分からなかった

誰が好きでこんな地獄を見るものか

殺してやりたい

家族がなくなる原因にをつくったやつを

そう思った

いつもみたいに呼んで欲しい…

『まろ〜！』

『パパぁー！』

って

そう思う度に

なんで俺の家族だけなんだって

そう考えてしまう

辛かった

泣きたくなった

消えたくなった

でも

アニキたちが勇気づけてくれた

おかげで徐々に回復できた

社会復帰もできた

今はアニキたちと暮らしている

『俺は1人で暮らすよ』って言ったけど

アニキたちは

いつか俺がないこ達の元へ

逝ってしまうのではないか

怖いから一緒に暮らすって言ってきた

…アニキたちが言ってることは一理あっていた

確かに…

事故から2年前という月日が流れ

退院、社会復帰してからも

消えたくなることはある

あの日のことを思い出して

冷や汗をかいたり

呼吸がしずらくなったりすることもある

事故のニュースを見るとよくそうなっている

今の俺に家族はいない

でも

帰りを待っている人はいる

だから、

俺を救ってくれた人に恩返しをするためにも

生きておこうと思えた