ゆうき
おい!ケツデカババァ!
ゆうき
暇だからさーなんか怖い話ししてー
お母さん
その呼び方はやめなさいっていつも言ってるでしょ?
お母さん
お母さんは今夕食を作ってて忙しいの、テレビでも見てなさい
ゆうき
えー
ゆうき
やだやだ
ゆうき
怖い話ししてー!
お母さん
もう、仕方ない子ね
お母さん
でもこのスープが出来るまでの間だけよ
ゆうき
分かったから早く!
お母さん
はいはい
お母さん
昔、昔、ある所におじいさんとおばあさんが住んでおりました
おじいさん
ばぁさんや
おじいさん
今日も山さ行ってくるぞ
おばあさん
気を付けていってらっしゃい
そう言っておじいさんはいつものように山へ狩りに出掛けました
おじいさん
今日はどんなのが捕れるかのう
おじいさん
ん?あれは
おじいさん
鳩じゃないか!
おじいさん
ばぁさんが作る鳩汁は格別じゃからのう
おじいさん
よーし!
バンッ!おじいさんは持っていた猟銃で鳩を仕留めました
おじいさん
ばぁさんや!帰ったぞい
おばあさん
お帰りなさい
おばあさん
今日は何か捕れたんですか?
おじいさん
ほれ!鳩じゃ鳩!
おばあさん
まぁ!
おばあさん
それじゃ今日は鳩汁にしましょう
おじいさん
わしはばぁさんの作る鳩汁が大好きなんじゃ
おばあさん
そうと決まればさっそく準備するわね
おじいさん
それじゃわしは外で薪割りしとるから出来たら呼んでおくれ
おばあさん
どれ、そろそろ煮えたかな?
おばあさん
味見してみるとするかね
おばあさん
まぁ!今日の鳩はなんて柔らかくて美味しいのかしら
おばあさん
もう1つだけ
おばあさん
あと1つだけ
あと1つだけ、あと1つだけ、とおばあさんは鳩肉を全て食べてしまいました
おばあさん
ありゃ~。おじいさんに食べさせる肉が無くなってしまった
おばあさん
困ったわぁ
おじいさん
そろそろ出来たかえ?
おばあさん
も、もう少しよ
おばあさん
おじいさん、どうしたんじゃ?
おばあさん
そんな不思議そうな顔をして
おじいさん
なんか前食べた鳩汁よりずいぶんとしわらくさい気がしてな
おばあさん
しわらくさいってなんですか。気のせいですよ
おじいさん
そうかも知れないの
おじいさん
わしの気のせいじゃな
おばあさん
そうですよ
おばあさん
冷めないうちに食べちゃって下さいな
おじいさんは鳩汁をすべてたいらげ
ふたりはいつものようにお風呂に入りました
おじいさん
ばぁさん!
おじいさん
そのお尻どうしたんじゃ!?
おばあさん
実はね、鳩汁を作っているとき
おばあさん
味見をしたら美味しくて美味しくて止まらなくなってしまって
おばあさん
鳩肉を全て食べてしまったの
おばあさん
おじいさんに食べさせる肉が無くなってしまったから私のお尻の肉を代わりに入れたのよ
おじいさん
どおりで肉がしわらくさかったわけじゃ
お母さん
その後も二人は仲良く暮らしましたとさ
ゆうき
なにその話し
ゆうき
怖い話しじゃなくて気持ち悪い話しじゃん!
ゆうき
ちゃんとした話ししてよー!別のやつ!
お母さん
もうおしまい
お母さん
鶏肉のスープも出来たから
ゆうき
ねぇ?そのスープって
お母さん
鳩汁じゃないわよ
お母さん
あれは私の母が作ったただのお話しなんだから
ゆうき
だ、だよね
ゆうき
んじゃスープ運ぶの手伝うね
ゆうき
ねぇお母さん?
ゆうき
なんで足元血だらけなの?
ゆうき
お、お母さんのお尻から血が、、出てる、、
ゆうき
ま、まさか。お母さん?
お母さん
ゆうき、あなたが悪いのよ?
お母さん
あなたがいつも私のお尻をからかうから
お母さん
学校の授業参観で家族紹介の作文を発表した時もそうよ
お母さん
あなたは私の紹介の部分で
お母さん
僕のお母さんはお尻がデカイのが特徴です。って
お母さん
お母さん恥ずかしかったしとても傷ついたわ
お母さん
だからこんなお尻いらないの
ゆうき
お母さん、ごめんなさい
お母さん
今さら謝ったって遅いわよ
お母さん
責任持って食べてくれるわよね?
お母さん
私が作った、、、、鳩汁