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サイキッカー!!

第1話 - 1杯目/超能力

967

2025年07月21日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊@イラコン開催

4代前から続く居酒屋を、父から譲り受けたのは今から1年前のことだ。

まだまだ未熟で父さんのようにはいかないが、なんとか順調に営業している。

カランカランッ

司

いらっしゃいませーー！！

常連さん

やぁ。今日もいい賑わいだな。

司

おぉ！〇〇さん！

司

いつものお席空いてますよ！

常連さん

ありがとう。いつもの頼むよ。

司

かしこまりました！

お客さん

すみませーん！

司

あ、少々お待ちを！！

常連さん

忙しそうだね。

司

今日は金曜日なので！

司

いつものですよね！すぐご用意します！

常連さん

全然急がなくていいからな〜

お客さん

すみませーん！店員さーん！

司

し、少々お待ちを！！！

司

(えーと、向こうのテーブル行って、いや、その前にこれ運んで…)

類

僕が運ぶよ。注文取ってきて。

司

る、類！！

類

ごめんね、ちょっと遅れちゃった。

司

いや、構わんぞ！助かった！

お客さん

店員さーん！

司

あ、はーーい！！ただいま！！！

司

大変お待たせしました！！

お客さん

あぁ、いえ！生2つお願いします！

お客さん

(10分も待たせやがって…)

司

(うっ)

司

生2つですね！以上でよろしいですか？

お客さん

はい！お願いします！

司

すぐにお持ちしますね！

司

(はぁ、お客さんを不快な気持ちにさせてしまった…)

司

(いいや！めげるな！次を無くせばいい！)

お客さん

すみませーん！

司

あ、はーーい！！

司

お待たせしました！！

お客さん

生3つと〜、餃子お願いします！

司

かしこまりました！少々お待ちください！

お客さん

(忙しそうだな〜…あんまり急がなくていいからねー…)

閉店後

司

ふぅーー…

類

お疲れ様、店長。

司

あぁ！お疲れ様！

司

しかし…流石に2人だと、キツイな…

類

東雲くんも今日はお休みだもんねぇ

司

あぁ、数少ない戦力…

司

ともかく、お疲れ様。何か食べるか？

司

今日は唐揚げも残ってるぞ。

類

じゃあ、それと烏龍茶もらっとこうかな。

司

分かった！ちょっと待ってろ！

司

はい、唐揚げと烏龍茶！

類

ふふ、ありがとう。

司

それと、付け合せのサラダ。

類

お返しします。

司

健康上良くないぞ。

類

余計なお世話だよ。

司

全く…！

類

(そういう所、お父さんそっくりだなぁ)

類

(親子揃って世話焼きだね。)

司

(父さんそっくり…)

神代類、うちで働いてくれている店員だ。

父さんの代だった頃からよくここに来ていて、オレと世代交代した時にうちで働いてくれることになった。

歳は俺より2つ上の、24歳だ。

類

それにしても、本当に暑いねぇ…夏が怖いな。

司

ふ、服をパタパタさせるな！！団扇を使え！！

類

おや、ありがとう。

司

(ま、全く…！！！目のやり場に困る！！)

類

店長？暑いなら扇いであげようか？

司

い、いいや！大丈夫だ！！

類

顔赤いよ。熱中症じゃない？

司

そ、そうかもな！！ちょっと夜風に当たりに行ってくる！！

店裏

司

ふぅ…

司

(2つしか違わんのに、何故あんなにも色気が…)

ネコ

ニャーオ

司

む、ネコ太郎！

ネコ

(変な名前で呼んでんじゃねぇ。マロンくんと呼べ。)

司

す、すまん！マロンくんか！

司

あ、そうだ。残った煮干し食べるか？

ネコ

(おう、貰ってやらぁ)

司

それにしても…前から思ってたんだが、君は黒猫なのに「マロンくん」なんだな。

ネコ

(トンチンカンだって笑うか？)

司

いいや、とんでもない。君の飼い主が付けてくれた大切な名前だろう？笑うはずないさ。

ネコ

(ふんっ…)

ネコ

(俺の飼い主はなぁ、栗が好きなんだとよ。)

司

あぁ、なるほど！だから「マロン」なのか！

ネコ

(らしいぜ。)

ネコ

(っと、そろそろ行かねぇと。ごちそーさん。)

司

あぁ！またいつでも来てくれ！

ここまで見てくれて分かるように、オレは相手の心を読むことが出来る。

それは恐らく、超能力といった類いだろう。

現代において、ごくごく稀に、超能力者が生まれる。

しかし、超能力者だとバレてはいけない。

超能力者を取り締まる、特別な組織…異能規制隊というものが存在するからだ。

異能規制隊は、超能力者を見つけると逮捕し、監禁し、市民の平和を保つ…という、政府公認組織だ。

世間からはヒーロー扱いされている。

司

(…別に、好きで超能力者に生まれたわけじゃ無いんだがな。)

司

(それに、犯罪に能力を使う気もないし…)

司

(まぁ…なんと言っても、市民からしたら脅威なのだろうか、)

司

(オレが超能力者だと知ったら、みんな……オレを恐れ、離れてしまうのだろうか、)

翌日

類

こんにちは〜

司

おぉ、類！まだ30分前だぞ！

類

昨日遅れちゃったから、今日は早く来て手伝おうと思って。

司

る、類…！！

類

ねぇ、店長。来て思ったんだけど…何だか、変な匂いしない？

司

え？

司

言われてみれば、ガス臭いような……

司

ま、まさか……

司

も、元栓が開いてる……？！？！

司

(あのまま作業していたら…)

類

すぐ閉めて、換気しよう。

司

あ、あぁ…！

類

(…間に合って良かった。)

類

(店が爆発しちゃう未来が見えたから、急いで来たけど…まさか、元栓が開いてるとは、)

類

(とにかく、間に合って良かった。)

司

(る、類……)

司

(ありがとう……！！！！)

司

(直接は言えんが、拝んでおこう……感謝…)

少し前に気付いた事だが、どうやら類も超能力者らしい。

その能力は、恐らく未来予知。

司

(類も超能力者なら…話してしまっても、いいのだろうか、)

司

(……いや、どちらにせよ、心が読めるというのは気持ち悪いか。)

類

(それにしても店長、今日も…)

司

！！

司

(も、もしかして……『カッコイイ』とかか？！？！)

類

(寝癖すごいなぁ…ふふ、ヒヨコみたい。)

司

(んなっ？！？！？！)

司

(ひ、ヒヨコ……ヒヨコ……？？)

司

(というか、寝癖ってどれだ？！後ろか？！クソ、見えん！！)

ガチャッ

彰人

こんにちはー

彰人

え、店長寝癖やばw

司

ぬわっ？！？！？

類

あ、もう！思っても言わなかったのに〜

彰人

いや、こういうのは言ってあげた方がいいでしょ。

類

ヒヨコみたいで可愛かったから、いいかなって…

司

そ、そんなにヤバいのか？！

彰人

ヤバいっすね。恐竜ですよ。

司

そんなに？！

司

あ、彰人頼む！！直してくれ！！

彰人

はーい

類

可愛いから直さなくていいんじゃない…？

司

か、可愛いは褒め言葉じゃない！！

彰人

そうそう。男なら「カッコイイ」って言われたいですよね。

彰人

はい、直りましたよ。

類

あ〜直っちゃった〜

司

ありがとう、彰人！

彰人

どういたしましてー

東雲彰人、うちで働いてくれてる店員だ。

歳はオレより1つ下の、21歳。

人当たりがよく、仕事も出来て頼りになる。

類

そろそろ準備しようか。

司

あぁ！

ガヤガヤガヤ

司

いらっしゃいませーーー！！！

お客さん

すみませーん！店員さーん！

彰人

あ、はーい！すぐ行きまーす！

お客さん

あのー！すみませーん！

類

はい！お伺いします。

司

(やっぱり、彰人がいるとだいぶ回るな。)

司

(もう少し人手を増やしたいところだが…)

お客さん

すみませーん！

司

はーい！！ただいま！！

お客さん

それでさー！

お客さん

あはははっ！

グラッと、テーブルの端に置いてあったグラスが揺れた。

司

(お、落ちる！！！)

類

おっと、

パシッ

お客さん

！

お客さん

す、すみません！！気づかなくて…！

類

ふふ、大丈夫ですよ。

司

(割れなくてよかった……！流石類！)

類

空いた食器お下げしますね。

お客さん

は、はい！お願いします！

お客さん

(スマート〜…！カッコイイ〜……！！)

司

(たしかに類はスマートでカッコイイが……！！カッコイイが！！)

司

(むむむ……！！)

迷惑なお客さん

だから！何がダメなんだよ！

司

？！

彰人

だから、うち持ち込みNGでして〜

迷惑なお客さん

誰にも迷惑かけてないじゃん？俺がいつ！迷惑かけたんですかぁ〜？

司

(な、なんか面倒そうなのに絡まれてる！！)

司

あき……！

彰人

(うっぜーんだよこのハゲ。残りの毛全部毟ってやろうか)

司

？！？

彰人

そういう決まりなので、すみません〜

迷惑なお客さん

決まり？だから誰に迷惑かけたんだって聞いてんだよ！

彰人

(うちの店にとってはだいぶ迷惑ですね〜。料理の持ち込みするくらいならお家でお召し上がりくださ〜い。)

彰人

料理の持ち込みは禁止となっているんですよー。お引き取り願います。

迷惑なお客さん

あぁ？！こっちは客だぞ？！

彰人

(客は神様とか言ったらぶん殴ろ)

迷惑なお客さん

お客様は神様だろ！！

彰人

(よし、殴る。)

司

お、お客様！！！

司

大変申し訳ありませんが！！うちは持ち込み禁止なんです！

司

そういった行為をされますと、出禁と言うことになりますので……！！

迷惑なお客さん

はぁ？！なんで俺が出禁なんだよ！！

司

…

司

お店のルールが守れない人に、うちの店を利用する権利はありません。

司

お引き取り下さい。

迷惑なお客さん

…っ

迷惑なお客さん

ﾁｯ！二度と来るか！！

彰人

(一生来んな)

類

なんだか揉めてたけど、大丈夫？

彰人

あぁ、はい。店長が対応してくれたんで。

司

あぁ。大人しく引き取ってくれて良かった。

彰人

ですね〜

彰人

(あのまま息も引き取ればいいのに)

司

(こ……)

司

(怖……っ！！？この子怖いっ！！)

司

(に、ニコニコしながらなんて毒を…！！)

お客さん

すみませーん！

彰人

あ、はーい！今行きまーす！

司

(まぁ、人の心の中なんてあんなもんだが…)

司

(しかし…)

類

(あ、あの光の反射の形、クラゲみたいで可愛い〜)

司

(く……っっ！！心の声も可愛い…！！！)

類

(あっ、店長の顔険しい…サボってると思われて、怒ってるのかな…？)

類

(ち、ちゃんとお仕事してますアピールしとこ)

司

(う"っっ)

司

(く、クソ…可愛い…っ！！)

この作品はいかがでしたか？

967

7件

うわぁぁぁぁこういうのめちゃくちゃ好きです…！！！！前からずっと見てたんですけど初コメです！続きも絶対読みます！！！楽しみにしてます！

あーーーーーんこういうの大好きですパイセン。ニヤニヤしちゃうよもう🫣🫰🫰😭

続き楽しみにしてます✨️

あかまる🍓🐾໊@イラコン開催

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