コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
前回までのあらすじ
連続通り魔殺人事件を追う灰谷と塔は、警視総監に呼ばれ、突然謹慎を言い渡された。その後、警視総監室にて銃声がこだまする。
第4話『暗転』
発砲音が聴こえる数分前。
警視総監室を後にした二人。通路を歩いている。
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
灰谷は柔らかな笑みを浮かべる。
灰谷
塔
灰谷
塔
どこかで銃声が響く。
塔
灰谷
二人は音が聞こえた方向……警視総監室に走る。
灰谷
灰谷は扉を激しく叩く。
灰谷
返事は無い。
ドアノブを回し、開けようとしたが全く動かない。
灰谷
銃声を聞きつけた他の刑事が続々と部屋の前に集まる。
塔
灰谷
灰谷
灰谷が扉を蹴り付ける。金具が曲がり、バキンという鈍い音と共に扉が開けられた。
塔
灰谷
蓮海警視総監が椅子に座っている。だが全く動く気配は無い。それもそのはずだ。
数分前まで二人が話していたその人物は、もう二度と動かない。額の大穴から血がどろどろと流れ出ている。
塔
塔は先ほどまでの笑顔の老人の顔を思い出し、激しく嘔吐した。
灰谷
灰谷
灰谷
灰谷は蓮海が死亡している事をもう理解している用だった。だが、それを信じまいと必死に呼びかける。
灰谷
後から来た刑事が灰谷の肩に手を置き、首を横に振った。
灰谷
崩れるように膝を付き、どうしようもない怒りを拳に込め、床に叩きつける。
灰谷
一通り胃の中身を吐いた塔は涙で霞む目を灰谷に向ける。
塔
灰谷の目にあった光が無くなっていくように見える。死人のような目だ。
奥歯を噛み締め、口の端から赤い液体が滴っている。
灰谷
塔
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
普通、殺人現場に数分前までいたこの二人は真っ先に取り調べ室に連れていかれる。だが、その場にいたほぼ全員が頷いた。灰谷と蓮海の関係を知っているからだろう。
塔
塔
灰谷
灰谷は虚な目のまま塔を連れ、部屋を出ていった。
喫煙室
煙草を吸い、灰色の煙を吐く。塔にはその煙がいつもよりも重く、暗く見えた。
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
塔が喫煙室を出ていく。灰谷はもう一度深く吸い、煙を吐いた。煙の色がさらに濃くなる。
灰谷
灰谷
それからしばらく、灰谷は煙を眺めていた。
灰谷
灰谷が喫煙室を出ると、塔が待っていた。
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
虚ろな目を塔に向け、うすら笑いを浮かべる。
塔
灰谷
塔に背を向け、歩き出す。
その背中に塔は手を伸ばした。
塔
灰谷が立ち止まり、塔の方を振り向く。
灰谷
塔
灰谷
塔
灰谷
そう言うとまた塔に背を向ける。
塔
塔は再び、蓮海を思い出した。恐怖で足が震える。
灰谷
そうして塔は灰谷が視界から消えるまで動けなかった。
塔
塔
塔
塔
コツコツと靴の音が、暗い路地に響く。
灰谷
その手には銃が握られている。
灰谷