黒尾
キミさぁ、呼ばれてないよね
その言葉で やっぱりか、と頭の中で納得した この人は 私ではなく、3年生のマネージャーでもなく ”潔子先輩”に来てほしかったんだ
琴葉
やっぱり潔子先輩狙いですか…
私の言葉に少し驚いたような表情をしていたが すぐに胡散臭い笑顔に戻し 他の人に聞かれないようにか 腰を折り曲げて、私と目線を合わせ ボソッと呟いた
黒尾
彼女、可愛かったねぇ
琴葉
潔子先輩は渡しませんよ?
琴葉
残念でしたねっ!
わざと声を張ると 周りが騒めき始めた
???
誰のことだ…?
???
まさか、女子に近づくために___
トサカヘッドは慌てて否定し、訂正する
黒尾
違うから!
黒尾
3年の方が手馴れてるし、他のところでもちゃんとしてくれそうだろ!?
どうだかねぇ…
黒尾
猫又監督~
黒尾
俺、3年生ってお願いしたんですケドー!
監督の方に振り返るので 私は口を開いた
琴葉
本当に…
琴葉
本当にマネ業のことを考えているんだったら、私でも十分なはずですけどね
琴葉
って言うか人に頼む立場で何言ってんだか…
黒尾
キミ、1年デショ?
馬鹿にしたように私を指差す うん、そろそろキレるぞ?
琴葉
使えないと思ったらクビにしていただいて構いませんから
ニコッと笑い、そう言うと トサカヘッドはニヤッと笑い 『その言葉、忘れんなよ』 と言った …イラつく……