テラーノベル
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これ以上邪魔されてたまるか。
絶対に模倣犯を捕まえてやる。
そして、残りのゲームを終わらせるんだ。
担任
先生が数日前に出した課題、 確かカバンの中にはあったはずだ。
拓斗
俺は勢いよく、 大量のプリント類をカバンから出した。
見覚えのない紙の束が床に散らばる。
拓斗
担任
見上げると、 そこには先生が立っていた。
違う、俺はこんなの知らない。
拓斗
担任
周囲から疑いの言葉が聞こえる、 疑いの目線を感じる。
俺じゃないのに、 俺は止める側で、 友人と一緒に解読していたのに。
友人
拓斗
友人
拓斗
俺はもう戦意消失していた。
俺にこんなことをする奴は、 一体誰なんだ。
俺は一直線に職員室へと向かい、 扉を開けた。
拓斗
先生
近くにいた先生が案内してくれた。
案の定、俺の担任は険しい顔をしている。
担任
拓斗
担任
拓斗
ダメだ、全然響いてない。
これは絶対に信じてもらえないだろう。
担任
拓斗
生徒会長のことは言えない。
しかも嵌めたのは、 生徒会長ではないと俺は思っている。
曲がりなりにも正義を持っている奴だ、 こんな方法はきっと選ばない。
担任
拓斗
担任
拓斗
確実に犯人だと思い込んでるな。
俺のほうこそ見損なったよ。
担任
拓斗
担任
拓斗
ああ、俺の人生は確実に終わった。
俺は肩を落とし、 とぼとぼと教室に戻った。
「うわ、犯人が戻ってきたぞ」
「あんなことするなんて信じられない」
「まさか貝塚だったなんて」
そんな言葉が色んな所で囁かれている。
俺は悪くない、 俺じゃない。
友人
拓斗
友人
拓斗
友人
拓斗
どうせ処分は決定されたんだ。
友人
拓斗
友人を本気で睨んだのは初めてかもしれない。
それだけ、 俺の心には余裕がなかった。
事情を聞いた両親は、 俺に一言だけ言う。
「大変だったね」
両親はいつも、 俺が問題を起こしても、 俺を責めることはしなかった。
今回もそうだ。
友人の家族、 および親戚はみんな『優しい』んだ。
そう、不気味なほどに。
拓斗
母
父
俺が友人に相談した翌日には、 全て事が終わっている。
それは毎度のことだ。
この家系は、 友人を中心に回っているから、 誰も友人を疑わないから。
拓斗
母
父
どこかおかしい、 そんなことは分かっている。
この家族がとても大事で、 とても好きだ。
その瞬間、携帯が震え始めた。
友人
拓斗
友人
拓斗
友人
拓斗
俺は理解した。
もう、手を回したのか。
友人
拓斗
友人はあっさりと通話を切ってしまった。
タイミングを見計らい、 母が俺に声を掛ける。
母
拓斗
俺の環境は学校以外、 平和そのものだった。
しっかりと一日休み、 いつものように登校した俺だったが、 廊下ですれ違う先生や生徒の目は、 どこか蔑んでいるように見える。
友人
いつも通りなのは友人だけだった。
拓斗
友人
拓斗
友人
拓斗
俺は何も言葉が出なかった。
俺が日常に戻ったとして、 周りの反応や態度は変わらない。
その中でいつも通りにしている友人が、 俺は怖くて仕方がなかったのだ。
「よく平気でいられるな」
「一緒の空間にいるなんて耐えられない」
「犯罪者め」
根本的な解決はしていないみたいだ。
その証拠に、 俺はまだ陰口を言われ続けている。
担任
拓斗
先生に反論する気力もなかった。
友人
拓斗
友人
拓斗
確かに助けてもらったことは分かっている。
友人の力がどれだけのものか、 詳しくは分からないが、 感謝はしている。
でも、傷が癒されたわけでも、 心のもやもやが晴れたわけでもない。
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