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謹慎期間が終わってからの学校は地獄だった。
どうやっても疑いは晴れないし、 そもそも友人以外と話すことがないため、 物理的に疑いを晴らすことが不可能なのだ。
拓斗
友人
拓斗
友人
拓斗
友人
拓斗
俺の状況は変わっていない。
さすがに真犯人が分からない以上、 友人も動けないという、 悲しい悲しい結果に陥っている。
友人
拓斗
友人
拓斗
いや、ないわけでもないのだが、 生徒会長ではない。
友人
拓斗
友人
結局、どこの誰だか、 この学校の人間かも分からないということだ。
拓斗
友人
拓斗
友人
友人の家庭は、 普通より少し裕福、 ぐらいの金持ちだ。
親が権力を持っているとか、 そんなことは特に聞いたことがない。
拓斗
友人
拓斗
友人
拓斗
こいつにとっては、 もはや助けるとかそういう次元ではなく、 周りに相談したら事が勝手に解決していた、 ぐらいの感覚なのだろう。
自覚があるのかないのか、 俺には確かめようがない。
翌日、俺は普通に廊下を歩いていた。
拓斗
後頭部に何かがぶつかった。
後ろを向くと知らない二人組がいた。
男子生徒1
男子生徒2
ああ、この学校も腐ったもんだ。
怪文書貼りの犯人と言われている奴に、 平気で紙くずを投げつけるなんて、 よほど痛い目を見たいようだな。
拓斗
男子生徒1
拓斗
男子生徒1
俺は拳を握りしめ、 そいつの顔面に向けて腕を伸ばす。
友人
拓斗
拳を寸止めし、 後ろを振り返った。
友人
拓斗
友人
俺はどうかしていた。
今もまだ怒りが収まらない。
でも、こんな、 こんな仕打ちってないだろ。
男子生徒1
男子生徒2
喧嘩を売ってきた奴らは行ってしまった。
拓斗
友人
暴力は解決策にはならない、 暴力が新たな暴力を生む、 理解していたから、 今まで俺が他人に暴力を振るうことはなかった。
友人もそれを信じてくれていたんだろう。
拓斗
友人
拓斗
俺はもう少し、 あがいてみることにした。
噂は学校全体に、 貝塚拓斗の知らないところまで及んでいた。
「なあ、あの噂聞いたか?」
「三年生の怪文書だろ、やべえよな」
一年生の教室前の廊下、 噂はいたるところで囁かれていた。
男子生徒1
男子生徒2
男子生徒1
男子生徒2
この会話に耳をすませていた者が姿を現す。
拓斗の弟
男子生徒2
拓斗の弟
学級委員長である弟は、 貝塚家の実の息子、 拓斗の義理の弟だ。
拓斗とは本当の兄弟のように過ごしてきた。
男子生徒1
拓斗の弟
もちろん、 兄の噂などとっくの昔に耳に入っている。
しかし弟は、 拓斗が助けを求めない限り、 動くつもりはなかった。
男子生徒2
拓斗の弟
男子生徒1
拓斗の弟
そんなことできるはずがなかった。
一年生が三年生に喧嘩を売っているようなものだ。
男子生徒1
拓斗の弟
こうして噂が広まるのを防いではいるが、 やがて本当に、 拓斗に事実確認をしに行く一年生が、 現れてもおかしくない。
弟は少し警戒しながらも、 あくまで自分は無関係だと、 笑顔を貫き通す。
男子生徒2
拓斗の弟
男子生徒2
拓斗の弟
兄は弟の憧れだ。
だからこそ、 兄を守らなければと、 弟は深く思った。