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ソラ

ごめんなさい

ソラ

突然ふたりで話したいなんて言ってしまって

ヨシヒコ

全然大丈夫

ヨシヒコ

僕は顔も分からない人にそんなこと言うなんて

ヨシヒコ

緊張しちゃうし

ヨシヒコ

言いづらいな

ソラ

そうですか?

ソラ

でも

ソラ

知ってるひとよりも知らないひとの方がいろいろ

ソラ

言いやすいと思いますよ

ヨシヒコ

そうかな?

ヨシヒコ

僕はそういうのちょっと怖いけど

ヨシヒコ

個人情報が知られたりするわけだし

ソラ

それはありますけど

ソラ

SNSの世界なんですし

ソラ

顔も知らないんですから

ソラ

即ブロして無視しとけば良いんですよ

ヨシヒコ

知ってるひとだったら大変だね

ソラ

私はヨシヒコさんのこと、知人扱いですけどね

ヨシヒコ

ちょっと嬉しいかも

ヨシヒコ

最近どう?

ソラ

殺したいひとがいるんです

ヨシヒコ

え?

ソラ

何をしててもあいつのことが思い浮かんで

ソラ

夜も眠れないんです

ヨシヒコ

それって、どういうことなの?

ソラ

いや、何でもないですよ

ヨシヒコ

いいよ、相談して

ヨシヒコ

俺のことは気軽に話せる知人だと思ってくれて良いんだから

ソラ

愚痴ですし…聞かない方が良いと思うんですけど…

ヨシヒコ

大丈夫

ヨシヒコ

殺しなんて許されないことだし

ヨシヒコ

俺が聞いて解決法を考えようと思う

ソラ

そうですか

ソラ

私はあの事件がきっかけでもうずっと引きこもっているんです

ソラ

顔も知らない犯人を捜すことなんてできないし

ソラ

警察は情報をあまりくれないし

ソラ

知っているのは少ししか無いから

ソラ

いくつかの共通点が見つかれば良いんですけど…

ヨシヒコ

うん

ソラ

それでもね

ソラ

犯人のことは絶対に殺したいんです

ヨシヒコ

何の事件?

ソラ

もうこれ以上思い出させないで下さい

ヨシヒコ

ごめん…

ソラ

私があいつを殺したい気持ちは絶対に変わりませんから

ヨシヒコ

殺すなんていけないよ

ヨシヒコ

実は僕

ヨシヒコ

人を殺してしまったことがあってね

ソラ

ヨシヒコ

事故なんだよ

ヨシヒコ

悪気はなかったんだ

ヨシヒコ

長くなるけど聞いてくれるかな?

ソラ

はい

ヨシヒコ

僕ね

ヨシヒコ

今は違うんだけど前はサラリーマンだったんだ

ヨシヒコ

ある日

ヨシヒコ

寝坊しちゃって急いでて

ヨシヒコ

駅にギリギリついたんだけど

ヨシヒコ

電車に乗り遅れそうだったから

ヨシヒコ

全速力で階段をおりたんだ

ヨシヒコ

僕は生まれつき右目があまり見えないから

ヨシヒコ

右側に上ってくるひとのことが見えなくて

ヨシヒコ

肩がぶつかってしまった

ヨシヒコ

その人はそのまま

ヨシヒコ

階段から落ちて頭を強く打って死んでしまったんだ

ヨシヒコ

僕は急いでいたからすぐに

ヨシヒコ

電車に乗り込んだ

ヨシヒコ

死んでしまったことは家に警察が来てからわかったよ

ソラ

警察は何て?

ヨシヒコ

もういいじゃないか

ヨシヒコ

悪気はないんだ

ヨシヒコ

あれは、事故だったんだ

ヨシヒコ

僕は悪くない

ヨシヒコ

でも

ソラ

でも…?

ヨシヒコ

夢にも出てくるし

ヨシヒコ

まだ立ち直れていない

ヨシヒコ

僕も君と同じように引きこもりになった

ヨシヒコ

近所からは変な目を向けられることになった

ヨシヒコ

家族が大変そうなんだ

ヨシヒコ

両親は自殺してしまったよ

ヨシヒコ

弟もいじめられてそのまま

ヨシヒコ

どこにいるかも分からない

ヨシヒコ

自分も、家族も

ヨシヒコ

皆が苦しむんだ

ソラ

そうなんだ

ヨシヒコ

だから、殺しなんてやめた方が良いんだ

ソラ

ソラ

聞きたいことがあります

ヨシヒコ

なに?

ソラ

その駅は○○駅?

ソラ

△年□月■日の

ソラ

×時●分?

ソラ

▲行きの電車に乗った?

ヨシヒコ

ヨシヒコ

何でそれを…

ソラ

私にはあの事件の情報が少しだけあるの

ソラ

さっき言ったことよ

ヨシヒコ

そんな…

ソラ

あんたは人殺しだ!

ソラ

自分は悪くないだって!?

ソラ

自分や家族が苦しいんだって!?

ヨシヒコ

僕は悪くない

ヨシヒコ

あれは、事故だったんだ…

ソラ

被害者や遺族の気持ちを考えたことはあるのか?

ソラ

被害者は、私の夫だ

ヨシヒコ

夫!?

ヨシヒコ

君は、まだ高校生のはず…

ソラ

そんなの嘘よ

ソラ

あなたよりも年上よ

ソラ

37よ

ヨシヒコ

嘘だ…

ソラ

この人殺し!

ソラ

お前のせいで人生はめちゃくちゃだ!

ソラ

いい加減自分のせいだと認めろ!

ヨシヒコ

ごめんなさい…

ヨシヒコ

僕がやりました…

ソラ

さっき

ソラ

殺したいひとの話をしたよな

ソラ

お前は趣味もあうし

ソラ

いい人だと思っていたんだ、さっきまでは

ソラ

だが

ソラ

顔の分からない犯人が…

ソラ

顔の分からない殺したいひとが!

ソラ

お前だったんだよ…

ヨシヒコ

ごめんなさい…

ソラ

絶対に見つけ出してやる

ソラ

殺されたくなければ

ソラ

お前の両親と同じように

ソラ

自殺しろ

数年後

ソラ

あなた

ソラ

良かった…

ソラ

そうだ、いつまでも部屋にこもっているなんて

ソラ

ダメよね

ソラ

また前を向かなくちゃ

ソラ

今まで見守ってくれてありがとう

ソラ

年はとっちゃったけどこれから、頑張ります

ソラは

タンスの上の主人の写真を見つめながら

微笑んだ

そのとき一瞬だけ

写真は少し頬を緩めた

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