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yu視点
僕がこむさんとはじめて会ったのは、 小学生の頃、公園で。
友達と遊んでいる公園とは別の公園。 たくさん遊んだ帰り道にある、 僕の家から一番近い公園だった。
小6の僕にとって、中1のあの人は すこし大きくて怖く見えた。けれど、
ねこ
夕方の公園で、 猫に向かってあんなに優しい声で語りかける彼をみてもう怖い人だなんて思えなかったから
彼と話してみたくなって、 彼が公園に来る前に待ち伏せして猫と触れ合ってみたりして。
ねこ
彼と話すのが楽しくて、 その後も僕は毎日公園に行って彼と話すようになった。
そうして時が経ち、中学生になった。 こむさんと同じ学校、 それは嬉しかったけど大人の階段を一歩踏んだ分、悩みは増えた
優等生、というレッテルが 小学生のころより強力なのりで貼られて
優等生だから、って雑用を任されたり。
ちがう、ちがう。僕は優等生なんかじゃない。
優等生、って言われるのが嫌なわけじゃないけど、でも何か言い表せない虚しさがいつも 心のどこかにあった。
優等生って、いいように言われてるだけじゃないのか?本当に皆、僕のこと優等生だって思ってるの?
いいように、使われてるだけじゃないのか?
小さな小さな悩みが積み重なって、 耐えきれなくなって僕はこむさんに このことを話した。
優等生、っていう言葉がわからないんだ。 優等生って言葉は嫌じゃないんだ。 でも何か辛いんだ。
そうやって、自分でも何が言いたいのかわからないまま、全部を彼に伝えた
全部、一通り話し終わるとこむさんは僕の目をじっと見て、そのあと笑った
ちょっと唖然としてしまった。 彼の前でも、わりと優等生ぶってるつもりだったから。
そう言っておかしそうに笑うこむさんを見て 何だか悩んでいたことが馬鹿らしくなった。
でも優等生じゃないなんてストレートに言われて、ちょっとムキになって
なんて、さっき言ってたことと真逆なことを言ってしまった。
また笑われるかと思ったら、 こむさんはまた僕の目をじっと見て、
そう言って儚げに笑った。
あぁ、やばい。どうしよう
一ヶ月後、こむさんはなぜか引っ越ししてしまった。けど人を恋に落としておいて1人どっかに行くなんて許せない。
高校で彼を絶対に捕まえてやる。