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早く起きてください、朝ですよ

 

うぅ…ん

 

あれ?カンシは?

 

カンシはもういなくなったみたいですよ

 

ここにカンシは入ってこれないみたいですね

 

私たちはどこもちぎられていません

 

まぁ、私たちが狙いではない…というだけかもしれませんが

 

へぇ〜

 

じゃあカンシが来たらここにくればいいんだな‼︎

 

でも確実ではないですよ?

 

カンシはいつ、どこで現れるのかわからないんですから

 

それならここにずっといれば……

 

ここから出られませんよ?

 

あぁ‼︎そうだった〜〜‼︎

 

わかったのなら早くめだまさんのところに行きなさい

 

へいへい……

 

ってことで真っ黄色‼︎

 

はぁ…なんかもう諦めたわ

 

で?どうした?

 

水を汲むものが欲しいんだけど…

 

なんかあるか?

 

はっ?どうして?

 

兄貴にも同じこと言われたな…

 

困ってるタネがいたから助けてやりたいな〜って

 

へぇ…

 

お前って意外といいやつなんだな‼︎

 

意外とは余計だ

 

でもわかった‼︎器だな?ちょっと待ってろ

カサコソカサコソカサコソ…カパッ

 

んだこれ?

 

ん?ゴミ箱

 

これしかなくてよ…大丈夫か?

 

まぁ水が入るなら大丈夫だろ‼︎

 

ありがとな〜真っ黄色

 

おう‼︎

 

あっ…それと……

 

俺さ、脳が手に入ったら

 

俺や兄貴、そして真っ黄色や名前つけてやるよ‼︎

 

ッ…‼︎

 

へへっ…楽しみにしてるな‼︎

 

おい兄貴‼︎持ってきたぞ〜

 

これでいいか?

 

えぇ、バッチリです

 

さて…ここからは私の仕事です

 

あなたはそこでゆっくりしてください

 

へ〜い

 

 

 

できましたよ

 

すっご‼︎手先器用なんだな

 

これで水を運べるな‼︎

 

まぁ…縛っただけですけどね

 

それじゃあ行ってきなさい

 

おう‼︎任せとけ‼︎

 

水を汲む場所といえば…ここくらいだよな

 

おっ‼︎ここからならこの入れ物に水が入りそうだな‼︎

バシャ‼︎

 

よっし‼︎これくらいでいいだろ‼︎

 

それじゃああのタネさんのとこに行くか〜

 

干からびてなきゃいいけど……

 

おっ‼︎お〜い、大丈夫か?

 

………

 

よし、とりあえず水をかけるか‼︎

バシャ‼︎

 

………

 

あ“ッ……あぁ……

 

ふぅ…ありがとうございます、受精卵さん

 

よかった〜助かったんだな

 

お前も名前ない系?

 

名前…ですか?

 

………

健三

私のことは健三、と呼んでください

健三

それが私につけられた名前ですから

 

あれ?お前は名前あるんだ…珍しッ

健三

この名前は…あの人がつけてくれたんです

 

あの人?

健三

名前は誠一、私の良き話し相手です

健三

いつも喧嘩ばかりしていますけどね

健三

それでも誠一くんは寿命の少ない私に…たくさんの笑顔をくれた

健三

喧嘩するほど仲がいい…って感じです

健三

ちなみに誠一っていう名前も彼自身が考えた名前みたいです

健三

そして私に対しても名前をくれました

 

へぇ…で?誠一はどこにいるの?

健三

誠一くんはカンシから逃れるためにそこの部屋に逃げ込みました

健三

そしてこの先にカンシが入らないように私が幕を張ったんです

健三

ですがそこで私は力尽きてしまい……

 

干からびていたってわけ?

健三

その通りです

健三

ですが、誠一くんはもうボロボロで溶けてしまう運命なんです

健三

きっと…今頃は……もう…

 

………

健三

私の寿命も…もう残りわずか

健三

せめて最後は…誠一くんのそばで迎えたいです

健三

それに…約束したんです、誠一くんと

健三

あなたに誠一くんの脳を与えるのだと

 

えっ?そういう感じなの?

 

てっきり落ちているのかと…

健三

脳が落ちていたら怖いですよ…

健三

とにかく誠一くんが溶け切ってしまう前に移植しなくてはなりません

 

へぇ…あそこ蹴ったら開くか?

健三

やってみてくれませんか?

 

了解‼︎バンッ

 

開いたぜ〜

健三

ありがとうございます

健三

わがままばかりで本当にすみませんが…

健三

私を部屋の中まで運んでくれませんか?

健三

正直喋るのがやっとなので…

 

おう‼︎わかった‼︎

健三

………

 

う〜ん……

 

どうかしたんですか?

 

そんなに考えていたらショートしますよ?

 

ただでさえ小さい脳なのに…

 

一言余計や‼︎

 

……?本当のことですけど?

 

ったく、お前ってやつは……

 

あのな、俺らって自分が何者なのか全く覚えてへんやろ?

 

まぁ…そうですね

 

だから、せめて名前くらいはつけてもええんやないかな〜って

 

名前…ですか?

 

例えば?

 

例えば?そうやな……

誠一

俺は…誠一‼︎踏分誠一や‼︎

 

理由は?

誠一

なんとなく?

 

はぁ…いつも通りですね

誠一

で、お前の名前をずっと考えとった

 

えっ?

誠一

どんなのが似合うんかな〜ってずっと考えていた

誠一

その結果…これがええんじゃないかって思った‼︎

誠一

神柴健三っていうのはどうや⁉︎

健三

け、んぞう?

誠一

そや‼︎いい名前やろ〜?

健三

………

健三

ふふっ…確かに、誠一くんにしてはいい名前じゃないですか

誠一

なんやと〜⁉︎健三のくせに生意気やな……‼︎

健三

私はいつも通りですけど?

誠一

はぁ⁉︎⁉︎おまッ…ええ加減にせぇ‼︎‼︎

健三

………私の名前は健三、神柴健三

健三

誠一くんからもらったこの名前…一生大切にしますね

健三

この命が尽きても………
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