白い病室に私の泣き声が響きわたる
もう自分では止められないほど 涙が溢れてくる
こんなに長く泣いたのは初めてだ
隣のベッドからか細い声が聞こえて きた
少しキツイ言い方をしてしまったと 反省する
しかし彼女は気にしていない様に 話し始めた
明るい言葉とは裏腹に 彼女の声は段々と暗くなっていった
私は思わず自分ベッドから飛び降り 彼女に抱きついた
彼女も少し驚いた様に見えたが 私の背中にそっと手を回した
耳元で彼女の美しく優しい声が聞こえる
彼女の私を包んでいる手の力が 強くなる
病室に2人の少女の笑い声が響く
1人はもうすぐ耳を失う
1人はもうすぐ目を失う
もう少女達は直接話す事も 思いを分かち合う事も出来なくなる
それでも、少女達はただ笑い続けた
親友に美しい思い出を残す為に
fin
コメント
2件
はー!なるほどー!! 聾と盲……これは考えもつきませんでした 大喜利企画、いろんな発想が見られて素晴らしいですね……!!!