私
私は新卒で入った会社を5ヶ月で辞めた。
私
理由はもう覚えていない。
私
ただ「ここじゃない」という気持ち、「この人の下では働けない」という気持ち、「何のために私はここにいるのか」という気持ち
私
そんな気持ちがあったのはおぼえている。
私
辞めると決めたのは、社長に呼ばれ話をした入社3ヶ月目のあの日。
私
ガラス張りの部屋に呼ばれ、遠方で行われる勉強会についての話をされた。
私
この勉強会は自由参加で、行かない人も何人かいた。
私
私は遠方まで、バスに乗ることが出来ない。
私
これは心の病気のせいなのだが、その時は自分が心の病気だと知らなかったためバスに乗ることが出来ないことを社長に相談した。
私
社長の返事はこうだった。
社長
じゃあ睡眠薬飲めば?笑
社長
睡眠薬飲めば行けるでしょ?笑
私
笑ってそう言われた。
私
バスに乗った記憶からフラッシュバックのように発作が起こり、泣いていた私に笑ってそう言ったのだ。
私
その時、「あぁ、この人の下では働けない。」そう感じた。
私
2日後、部署の上司の元へ行き、退職したい旨と退職届を見せた。
私
だが、退職届は受け取ってもらえなかった。
私
必死に止められた。どうして?何か困ってることがあるなら言って?改善してくから。
私
そんな風に言われたが、私の意思は固かった。そんなの我慢しろよ、そう思われると思うが、我慢して働くことに意味を感じなかった。
私
その後、先輩との面談の時間が設けられた。先輩と話しをすることで、まだここで働きたいと思ってもらうためだろう。
私
仕事は楽しくやっていたし、人間関係も悪くなかった。優しい先輩ばかりで大好きな職場だった。
私
だからこそ先輩との面談は苦しかった。だが、私の気持ちが変わることはなかった。
私
些細なことと思われるかも知れないが、あの一言で私は退職を決意し退職をした。
私
もちろん退職理由は嘘をついて、社長から言われたことは黙っていた。
社長
パワハラだって訴えるなよ?
私
あの日、泣いてる私に掛けてくれた最後の言葉だ。
私
あぁ、なんで私は焦って就活でここを選んでしまったんだ。後悔しかなかった。
その後、退職すると決めた2ヶ月後。引き継ぎを終え、無事退職をした。
退職してから、3週間目には自分は生きてる価値のない人間だと責めるようになっていた。
周りの友達はまだ学生で遊びまくっているが、私は働きもせず、遊びもせず、勉強もせず、
バイトはせず、毎日ハローワークに通い転職活動を続けた。
私の場合、辞める前に次の勤務先を決めていなかったため、ニート期間が5ヶ月続いた。
初めて書類審査が通り、面接を受けた。面接を受けた1時間後に電話がかかってきた。
私
あぁ、落ちたんだ。
私
そう思った。
人事
是非入職して頂きたいと思い…
私
えっ
まさに奇跡だ。初めて面接をしてもらった場所でその日に採用が決まった。
その職場は入職まで何度か面接をし、筆記試験もあると事前にハローワークで説明を受けていたからこそ驚いたし、嬉しかった。
私
はい!是非お願いします!
人事
では、入職時期は1ヶ月後の…
私
今日から新しい職場だ!頑張ろう!
私
初めてはやはり慣れないことばかり、何が何だか分からずアタフタしていた。
私
だが仕事が凄く楽しかった!
私
天職だ!最高のとこにこれた!
私
そう感じていた。
私
3ヶ月で独り立ちをし、仕事をこなした。
私
まだ確認や手伝って貰うことは多々あったが、同じ部署の人が1人もいない空間で一人で仕事を任された。
入職して半年が経った頃、そろそろ部署内での仕事も覚えていこう。ということになり、部署内の仕事もするようになった。
私
やはり初めてのことばかり、かなり戸惑った。
私
でも先輩方は優しく指導をしてくれる。
私
毎日家に帰っては、その日取ったメモをまとめ直した。
私
どんどん一人で出来ることが増え、色々と任せて貰うようになった。
私
しかし部署内の仕事をし始めて2ヶ月後。体調を崩し始めた。
私
仕事を休むことはしなかったが、急に涙が止まらなくなったり、手足が痺れて力が入らなくなったり、何故か分からない不安感と恐怖心が押し寄せ仕事が手に付かなくなった。
先輩
どうしたの?泣いた??
私
目が赤いのをすぐ気づき、先輩が声をかけてくれた。
私
個室に一緒に入り、話を聞いてもらった。
私
何を言われたわけでもない、これが大変ということもない。
私
なのに涙が止まらない。凄く不安で、凄く怖い。
私
そして体調が優れないまま1ヶ月が経過し、ある日過呼吸を起こした。
私
人生で初めてだった。
私
職場で電話を取った後、突然息が出来ない感覚になり外へ出た。
私
とりあえず深呼吸と思ったが、過呼吸になり顔も手も足も痺れ感覚がなく立ち上がれない。助けて欲しくても声が出せない。
私
あぁ、死ぬのかな。
私
そんな風にも思った。でも後輩が気づき、人を呼んでくれた。
私
過呼吸は1時間ほどで徐々に落ち着き、2時間ほどで歩けるようになった。
先輩
無理しないで、明日は休みな?
私
そう言われたが仕事はしたかった。
私
でも次の日も朝から苦しく、その日初めて仕事を休んだ。
私
その次の日は出勤した。相変わらず不安感と恐怖心はあり、涙が止まらなくなるが過呼吸にはならなかった。
私
しかし、その1ヶ月後、また過呼吸になった。
私
その次の日は休み、その次の日は出勤した。
私
その2週間後にまた過呼吸になった。
私
あぁ、ダメだ、もう死ぬんだ。
私
上司と先輩と話し合いをし、とりあえず1週間仕事を休むことになった。
私
そしてメンタルクリニックを受診した。
私
なにそれ、、
私
障害って???私どうなっちゃったの?
私
そう言われて、休職をした。
私
仕事中は自分がどこにいるのか分からなくなってしまったり
私
夜も寝れず、現実味がなかった。
私
休職しているときは体調が良かった。
私
でも電話をする場面では、過呼吸になったあの日を思い出してしまい苦しくなった。
私
完治はしていないもののだいぶ楽になった。
私
まだ出来ないこと、怖いことも多い。
私
相変わらずバスには乗れないし、電車も途中で何回か降りないと目的地へは行けない。
私
映画館は行けないし、美容院も怖く一年に一回行けばいい方だ。
私
電話もまだまだ怖く出来ないし、インターホンが鳴ったり電話が鳴るだけで動悸がする。
私
自分には無縁だと思っていた心の病気は突然やってきた。
私
誰にでも起こりうる病気だそうだ。
私
心のサインを無視して、無理をし続ければそれだけ悪化し、治りにくくなるという。
私
無理をしないこと。
私
簡単なようで難しい。
私
ちなみに休職して2ヶ月が過ぎたが、未だに仕事に復帰出来ていない。
私
でもいつかは戻れると信じている。
私
戻れた時には、今度こそ本当に無理をしないように心がけたい。
私
私は逃げてばかりで情けない。
私
何もできないクズだ。
私
あぁ、世の中にはこんな奴もいるんだと知ってもらえれば嬉しい。
私
そして、誰にでも起こりうる病気ということを知ってほしい。
長くなりましたが、実話でした。自分の経過を書いたメモみたいなものです。でもこれによって、病気についての理解が広がればなと思います。