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유리
34,256
食いもんだと思ってくれ
エラは誰にでも平等だった
特別扱いもしないし媚びもしない
でもどこか一線を引いている
笑っているのに近づけない
まるでーー触れたら消えてしまいそうな“猫”みたいだった
黄瀬
ある日、黄瀬はふと聞いた
エラは少しだけ黙ってからこう言った
えら
黄瀬
えら
その言葉は嘘だった
黄瀬にはわかってた コピー能力で人の動きをなぞる彼には“本物の才能”が見えた
エラはーー間違いなくプレイヤーとしても“キセキの世代”に並べる存在だった
なのに彼女はコートに立たない
季節は進み、中学最後の大会
帝光は当然のように勝ち続け、圧倒的な強さを見せていた
でもその裏で、少しずつ“ズレ”が生まれていた
勝つことが当たり前になりすぎて、誰もがどこか壊れて始めていた
そんな中で、エラだけは変わらなかった
えら
そう言った時、誰もが一瞬黙った
でも結局、何も変わらなかった
卒業が近づいたある日
黄瀬はエラを屋上に呼び出した
黄瀬
言葉が詰まる
こんなに人と話すのが得意なのに、今だけは違った
黄瀬
風が吹いた
エラの髪が揺れる
でも彼女はすぐに答えなかった
えら
やっと出た言葉はそれだけだった
黄瀬
えら
エラは少しだけ笑った
でもその笑顔はいつもよりずっと遠かった
黄瀬
えら
黄瀬
えら
黄瀬
えら
黄瀬
えら
意味がわからなかった
なんでそんなこと言うのか
黄瀬
えら
黄瀬
思わず声が大きくなる
エラは少しだけ目を伏せた
えら
その一言で全部わかった気がした
エラは最初から“いなくなるつもり”だったんだ