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一体どれ程の時間、そこにいただろう。

周りはもう朝になっていた。

隣では天が寝ている。

私はそっと立ち上がる。

薫、おはよう…

あ、おはよう…

じゃあ、行こっか!

天はすっと立ち上がりそう言った。

どこへ?

僕のお家だよ。ここだと、いつ悪い妖怪に襲われるか分からないから

う、うん。分かった。

私は天とその家に向かった。

せっかくだし、この世界とここに住む妖怪たちの話をしよっか

うん

ここは妖怪の住まう世界『己妖封界』。って事は知ってるよね?

うん。この世界には普通の人間は入れないって

そう。ここに来れる人間はあるたくさんの条件を満たさないといけない。だから、君は選ばれし人間って訳!

ふぅん…

…ま、まぁ。この己妖封界の始まりは西暦950年頃かな。

その頃、人間と妖怪の間で、ある事がきっかけで争いが起こった。

そして、当時陰陽師で有名だった安倍晴明が妖怪を一箇所に集め、結界を張って外に出れないようにした。

それが、己妖封界の始まり。

すごく…長い歴史があるんだね

そうそう、本当長いよねぇ…

まぁ、そのせいで人間に対して恨みを持った妖怪が、己妖封界に迷い込んでくる人間を喰っている。

だから、薫を保護したんだ。

じゃあ、他の人間も今から行く家にいるの?

いや、まぁ…君以外の人間はちょっと保護するのが難しくてね…

見殺しにしたの?

ウッ…そんな事ないよ。助けようと精一杯努力してたよ

ふぅん…

あはは…

あ、着いたよ!ここが僕のお家!!

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