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震える…
いじめる人は、みんなそう。この子が悪いんだあの子が悪いんだ。君たちが悪いんだよ…分かってない
嘘つき…そう、みんなそう。嘘ついて私が悪い事にするんだ…。なんで?なんで私が悪いの?何もしてないのにさ
最初は、この感情をどうすればいいか悩んだ。
______私は信頼されている
__________なら、何を言っても信じてもらえるのでは?
そんな考えが私の心を揺らがした。
奈々
琴音
奈々
琴音
奈々
そう言って微笑む奈々ちゃん。
彼女が嘘をついているとは知らずに.......
そうして私は嘘をつくようになった。
誰かに頼りたくて。
信頼され続ける人生に疲れて。
.......嘘をつくのが、、楽しくて。
だって、何を言っても、皆疑わずに信じてしまうのだから。
本当、、、バカみたい。
女子1
放課後に始まる女子会
女子2
女子1
この子達のグループ、結構中心的だしここは話合わせないとな.......
琴音
女子1
思ってもないことを言っても、ほら、みんな信じてくれる。
少女は楽しそうに嘘をつきました。
いつか後悔するとは知らずに.......
_________翌日_________
奈々
あ、この声は.......
琴音
奈々
奈々
報告.......言いに来るってことは、成功したのかな?
まぁ、両思いってのは嘘だったんだけど.......
奈々
奈々
琴音
奈々
琴音
奈々
どうしよう
あ、そうだ!
琴音
琴音
奈々
少女は嘘に嘘を重ねました
嘘を上手く使って。
奈々side
奈々
私が、 「告白しようと思う」 と相談した時に、琴音ちゃんが言っていたことを思い出した。
_______________
琴音
_______________
.......ねぇ、琴音ちゃん。
貴方の言ってることが本当なら、 私は、なぜ、今、
この告白を断られているのでしょうか.......
_______________
.......まぁ、あの正直な琴音ちゃんが嘘をつくはずがない、か.......
そんなことを考えながら廊下を歩いていると、教室から笑い声が聞こえた。
_______________
女子1
え?私?
女子2
.......なにそれ。
直接言ってくれればいいのに.......
女子1
え?琴音ちゃんもいるの?
私は教室へ入ろうとしたが足を止めた
だって、琴音ちゃんだったら、 止めてくれるでしょ.......?
琴音
っ、なんで.......?
もう、信じられないよ.......。
琴音
ダメだよ、みんな。
その子の言うこと信じちゃ。
だって、琴音ちゃんは、、、 .......嘘つきなんだから。
だから、私は影でこっそり、
奈々
奈々
クラスの子達、一人一人に 事実を話してみようと思う。.......
私が、どうにか、しないと.......ね?
琴音side
いつの日からか。
私が話すと、みんなはあまり頷かなくなった。
いつの日からか。
周りから、『嘘つき』と囁かれるようになった。
いつの日からか。
私の周りから、人が、 1人、2人と、
消えていった.......
_______________
『琴音ちゃんは嘘つき』
その言葉が、私の心をひどく締め付けた。
.......嘘を言ってはいけないのでしょうか。
嘘を言うと、
嘘を言うと、
嫌われてしまうのでしょうか.......
ある日のこと
勇気を出して、あの子に話しかけてみた。
琴音
奈々
琴音
奈々
穏やかな雰囲気だった教室が、一気に静まる。
みんなの視線が、私と奈々ちゃんに向けられる
......少しだけ、怖い、かな...
女子1
黙っていた女子が、ぽつりと言う
女子1
琴音
琴音
やっぱり
私はもう_______
琴音
琴音
少女のその一言は、
決して『嘘』ではありませんでした。
.......嘘なんて
嘘なんて.......
大っ嫌いだ。
_______________
琴音
もう、嘘なんてつかないから
琴音
もうこんなことしないから
琴音
'みんなに、頼りたかっただけなの!'
ずっと下げていた頭を上げて、そう言おうとした時、
クラスメート
みんなの目は、冷たく、
ただ、呆然とした顔をした私が写っていた。
_______________
ほら、 もう誰も信じてくれない。
少女は分かった
ここに自分の居場所はないということを。
そうして少女は、その場から立ち去りました。
言いかけた言葉を飲み込んで。
その言葉を言えば、運命が変わっていたかもしれないのに。
'誰かに頼りたかっただけ'
'だから、嘘をつく'
そんな考えは、甘かったのかもしれない。
その考えは、 大きく間違っていた。
_______________
お母さん
お母さん....。
だめだ。今話してしまったら
また、後悔する気がする.....
琴音
お母さん
少女は嘘をつきました。
『あなたは何も知らないままでいて』と。
みんなから信頼された時間も、
私の協力で幸せになった人の笑顔を見る時間も
嘘をついて、影で笑っていた時間も
.......今、こうして一人ぼっちになっている時間も
琴音
琴音
少女は嘘をつきました。
最後に、大きな嘘をつくために。
???side
最近の琴音はどうもおかしい。
私の前では、いつも明るく、楽しそうに話をしてくれたのに、 最近ではそういった話を全くしなくなった。
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1週間前のこと
琴音が風邪をひいて、寝込んでいたときのことだった。
去年は、琴音が風邪をひいたと知った子達が、学校のプリントなどを持ってお見舞いに来ていた。
でも、この時は誰も来ていなかった。
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家のポストには雑に入れられたプリントが数枚。
ベッドに横になって、何かを考えているのか、天井を見上げたまま動かない琴音。
ただ、それだけだった。
.......やっぱり、琴音帰ってきたら、ちゃんと言おう。
『本当は大丈夫じゃないんでしょ?』って
『頼っていいんだよ』って
お母さん
大きな家のキッチン。
そこには、娘を想う母がいました。
もう、私の周りには誰もいないの?
ねぇ
私を想ってくれる人はいないの?
ねぇ
嘘を言い続けた悪人は、
もう報われないのでしょうか。
じわり。
少女の頬に、涙の温度が伝わる。
周りから人が消えていくと、少女はそっと自分に言い聞かせました。
琴音
少女は自分に、大きな最後の嘘をつきました。
奈々side
琴音ちゃんが走り去った時、
琴音ちゃんの顔は、少し歪んで、
頬には涙が垂れているようにみえた。
_________言い過ぎちゃった.....かな?
....琴音ちゃんが嫌いな訳でもないし、別に消えて欲しいとか、 そういう意味じゃなくって、、、
私は琴音ちゃんに反省してもらいたかった。
ただ、それだけなのに。
私は、自分が思っているよりもずっと酷いことをしてしまったのかもしれない。
_________琴音ちゃんを探さなきゃ。
_______________
女子1
女子2
クラスメート
ぴたり。
私はみんなに背中を向け、急いで教室を出ようとした足をとめた。
そして、ゆっくりと振り返り、こう言った。
奈々
女子1
奈々
奈々
奈々
クラスメート
女子1
女子2
そうして私達は走り出した。
目的はただ一つ。
.......琴音ちゃんを見つける。
奈々
琴音side
琴音
琴音
琴音
琴音
琴音
こんな、嘘つきで、嫌われ者の私なんて、
いなくなっちゃえばいいんでしょ?
少女は嘘をつきませんでした。
『私なんて消えてなくなってしまえばいい』 と。
奈々side
奈々
疲れた足を引きずりながら走っていると、スマホが鳴った。
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女子1
クラスメート
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奈々
奈々
_______________ 琴音side
琴音
琴音
_______そう言いながら柵に手をかける少女。
______屋上へと走り続けるもう一人の少女。
だって、もう、仕方がないでしょう?
お母さん
お父さん
お母さん
お父さん
お母さん
奈々
琴音
少女は微笑みながら、足場のない場所場所へと一歩進みました。
何も気づかないまま。