大吾
大吾
思い出の橋の上で
勇気を振り絞った4年前の夜
〇〇
そんな自信のない返信に
ちょっと怒ったのを覚えてる
大吾
大吾
大吾
〇〇
そう照れ笑いしながらも
差し出した手を握り返してくれたん
〇〇
〇〇
大吾
どんなに落ち込んだ日も
挫けそうになった時も
〇〇の笑顔を見れば、
〇〇が隣に居てくれれば、
俺はなんでも良くて、幸せだった。
大吾
〇〇
〇〇
大吾
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
大吾
大吾
〇〇
大吾
大吾
〇〇
〇〇
〇〇
大吾
〇〇
大吾
大吾
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
大吾
〇〇
大吾
〇〇
付き合って1年
順調だった
2年目も3年目も順調だった
4年目の〇〇の誕生日の数日前
いつもより帰りが遅くて
連絡も無ければ既読もつかない
付き合いたての頃は
何をするにも連絡をしてくれた
なのに最近は私からの連絡ばかり
大吾くんは忙しいから仕方ないの。
お仕事、だから…。
部屋にチャイムが鳴り響いたのは
0時を回って少し経ったとき
誰が立ってるかなんて分かってたから
インターホンなんて見ずに扉を開けた
〇〇
〇〇
扉を開けると目の前には
スタイルの良い綺麗な女の人が。
女
女
〇〇
女の人の隣には
かなり酔った様子の大吾くん
女
女
女
大吾
〇〇
女
女
〇〇
女
女
大吾
〇〇
女
女
〇〇
どういうことなのか説明してほしい
まずそんな飲み会行くなんて聞いてない
帰り遅くなるって連絡も無かった
それに、
これで何回目なの、?
私の知らないところで女の人と?
…意味分かんないから。
ていうか内緒でってどういうこと?
隠そうとしてたの?
隠し事はしないって約束、
大吾くんが先に言い出したんじゃんか。
〇〇
大吾
大吾
大吾
〇〇
〇〇
大吾
〇〇
大吾
〇〇
大吾
大吾
大吾
〇〇
大吾
酔って話し相手にならない大吾くんと
女の子の日でイライラしている私
最悪の条件が重なって
今までとは違う思考に陥った
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
大吾
大吾
大吾
大吾
寝転がりながら適当な返事をする
〇〇
〇〇
大吾
大吾
大吾
大吾
大吾
…は?
毎日夜ご飯作って待ってるよ?
欠かさず連絡してるよ?
毎日、好きって言ってるよ?
なのに、好きじゃないって、?
私の中で何かが切れた
〇〇
〇〇
〇〇
大吾
大吾
〇〇
溢れそうな涙を堪えて
声を絞り出した
〇〇
私はそのまま家を飛び出した
大吾
いきなり静まり返った部屋に
1人ポツンと座り込む
クラクラする頭と
何も追いつかない思考
大吾
水を飲んで落ち着いて時間が経てば
事の重大さと
後戻り出来ないことをしてしまったと
心の中で悟った
大吾
大吾
無責任な言葉には
既読なんてつかないまま
その夜は過ぎた
ガチャン…
次の日の昼過ぎ
玄関で音がして
すぐに走った
大吾
大吾
大吾
〇〇
大吾
〇〇
〇〇
大吾
大吾
大吾
〇〇
〇〇
大吾
〇〇
〇〇
大吾
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
そのままスタスタと家を上がって行った
今更無意味な焦燥感に襲われる
荷物をまとめた〇〇は
そのまま家を出て行こうとした
大吾
腕を掴んで引き止めて。
大吾
大吾
ダサいな、俺って
アホやし、バカやし、
ほんまに…、。
〇〇
大吾
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
そう涙を流す〇〇
もう一回やり直そう
そんな言葉を口にする前にはもう
俺の手の中に〇〇の腕はなかった
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
私は、って
俺も大好きやねんけど。
無理、別れるとか、
俺〇〇なしでは生きられへんのに。
大吾
大吾
大吾
大吾
〇〇
〇〇
〇〇
ガシャン…
何も言えずに立ち尽くした
言葉にも形にもならない喪失感
涙も出なかった
〇〇が去ったときに香った
シトラスの香りはもう
忘れられない香りになった
大吾
大吾
〇〇
それが最後の会話で
それ以降俺が送った文に
既読がつくことはなかった
ー数年後ー
ある夜
仕事帰りだった
20時過ぎにビルの街並みを歩く
ふと耳に残る笑い声が聞こえて
そちらを振り返った
そこには俺にしか見せなかった笑顔で 笑い合う〇〇と
スラっとした高身長で優しそうな
〇〇に見合う男が立っていた
俺はしばらく歩き出すことが出来ずに
ただ見つめていた
数分経って
俺の前を2人が通過した
〇〇がその時の男を見る目は
俺が告白したときみたいな
真っ直ぐな眼差しで輝いていた
でも
香ったのは違う香りだった
その後家について
静かなリビングに座る
大きく息を吸って、吐いた。
無意識に寝室へ足を運んだ
コームに髪留めに充電器
まだ〇〇の私物がチラホラ残る中
俺がプレゼントした香水に手を伸ばす
1プッシュ吹きかけて
ふわっと香ったシトラス
もう抱きしめられないことが悔しくて
今では涙が溢れる
結局渡すことの出来なかった
〇〇への誕生日プレゼント
時間かけて、選んだんやけどな、。
黄色のスイセンをぎゅっと握って
俺は大量の薬を口に含んだ
水をめいっぱい流し込んで…
そのまま眠りについた
end.
コメント
1件
「黄色のスイセン」花言葉では一体…?