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意識が途切れる瞬間
見たのは腐った世の中では無く、
翡翠色の宝石のような瞳だった。
目が覚めると、浜辺にいた。
泉
やっと死ねたと思ったのに。
塩水で目と喉が痛い。
身体の力が抜けていて、思うように動けない。
泉
泉
見覚えのない砂浜で周りを見渡すと、近くの岩陰から影が見えた。
ふらつく足取りで近づくと、ビクッとして海の中に潜ってしまう。
影がいた場所を覗き込むとプクプクと泡が海から出てくる。
泉
そう思っていたのになかなか出てこない。
泉
そして海に入ろうとした時、ヌッと鼻から上の顔が出てくる。
泉
驚きのあまり、後ずさってしまう。
濡れた白い髪に翡翠色の瞳。 同年代ぐらい顔付き。 真っ白い肌。
そこまではまだ親近感がある。 しかし、
人間離れしたヒレ耳と尾鰭が、この少女は人魚だと言い張っていた。
泉
人魚は首を傾げながら、こちらをじっと見ている。
¿¿¿
想像の人魚は「キュイ」とか、日本語を話すと思っていたが、こいつは話さなかった。
でも、初めて興味を持った。
泉
¿¿¿
泉
¿¿¿
話にならない。
泉
泉
翡翠
それからと言うもの、翡翠の尾鰭や身体を触っては、人間と同じところ、違うところを見ていった。 嫌がるそぶりは全くと言っていいほど無い。
水掻きがついていたり、エラ耳がついている。 一番の違いは脚だった。
泉
翡翠は言葉をわかっていないのか、じっとこちらを見ている。
初めて見た人魚を逃すわけにはいかず、誰にも見られないような岩の洞窟のそばに移動する。
今思えば、独り占めしたかっただけかもしれない。
ゆっくり観察していると、あっという間に日が落ちてきた。
泉
泉
泉
翡翠
そっと翡翠の頭を撫でては、
ザプン‥ザプンと波打つ海を背に、1人しかいないワンルームの部屋に帰る。