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夕方磁石

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夕方磁石

1 - 夕方磁石

♥

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2020年03月24日

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「夕方磁石って知ってる?」

「夕方になると、この世の何かを あちら側に引き寄せちゃうんだって」

「人が突然行方不明になったりするのも、そのせいらしいよ」

今日、クラスの女の子がそんなことを 言っていた。

本当に人を吸い寄せているのなら

夕方なんじゃなくて、みんな寝ている夜にすればいいのに。

そうすれば、誰にも気付かれない。

と、頭の悪い僕でも思った。

夕方磁石を作った神さまは、意外と 頭が良くないのかもしれない。

ふと、僕は理科の授業で習った U型磁石を思い出した。

もしかすると夕方磁石を作った 神さまは

U型磁石となんとなく似ているから それを作ったのかもしれない。

だとしたら、神さまは僕が思って いるよりも

ずっと適当な人なのかもしれない。

僕はそんなことを考え、道端の石ころを蹴りながら

学校からの帰り道を歩いていた。

あーあ

家に帰ったら
勉強しなくちゃ

みんなと遊びたかったな

ため息を漏らしながら、そう呟いた。

その時、ふっと僕の頭から

勉強をしなくては、という考えが

突然消え去った。

…いいや!

今日は沢山
遊んじゃお!

明日から頑張ろうっと

僕は家へと向けていた足を止め、

友達のいる公園へと駆け出した。

走り出した僕の背では

オレンジ色をした夕日が、キラキラと 輝いていた。

この作品はいかがでしたか?

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