今宵の夜も暗く、 辺りは月明かりと 街の暖かな光だけが照らしていた。
美しく輝く月を 見ながら 一人の男は 1本のタバコを吸い、 暗く月明かりしか届かない 路地裏に居た。
蘇枋
蘇枋
桜
赤みがかった髪をした 男が、 柔らかくも低いトーンで 右目に眼帯をつけ、 隻眼でこちらを見つめてきた。
辺りは暗くも、 吸血鬼の自分にとったら 月明かりだけで十分 姿を視認できた。
蘇枋
桜
赤い目を光らせ、 目の前に倒れている 女の血を吸おうとした所で 柔らかい声と目つきをした 男に止められた。
目の前にいる美味しそうな 血の匂いを垂れ流す 飯の前に ストップをかけられ、 桜の唇からはヨダレがボタリと垂れた。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
目の前に居る男。 ソイツは吸血鬼特有の 赤い目をこちらに向け、 ニッコリ穏やかに笑った。
桜
蘇枋
蘇枋
人間の様に美味しそうな 甘ったるい匂いのしない 吸血鬼。 それでも嫌な匂いとは少し違う 不思議な感覚を感じる。 その感覚、匂いで、 吸血鬼達は同族かどうか 判断をしていた。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
桜
桜
見た目は若く、 容姿は美しい者が 多い吸血鬼。 それでも何百年と生きている者達は 多数いる。
その中で、桜は 見た目の通りの 年齢をしている様だった。 明かに酒やタバコをしては 行けない年齢 未成年だ。
蘇枋
美しい美貌を持つ男に 唇に1つ指を立てられ、 タバコと倒れている美味しそうな ご飯を没収された。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
まぁ嘘だが、 力が残って居ないのは 本当だ。 そう簡単に死ぬ気はないし、 警察に逮捕される訳にもいかない。 だからこんな嘘を付いた。
それに最近の吸血鬼は そう簡単には死ねないのだ。 朝日の光を浴びても、 童話に出てくる吸血鬼の様に 砂になって消える事はない。 それでも肌はピリピリ痛むので、 極力外には出ない様に するのが基本だ。 そして今の桜の様に 血を吸わないでいれば、 極限状態に陥り 力も薄れ、そのうち砂となって 消えるだろう。
それでも桜は この男が去った後は、 こっそり人間に 襲いかかろうかと考えている。
蘇枋
蘇枋
桜
桜
男は眉を下げ、 困った様に笑った。 そして自身のポッケから スマホらしき物を取り出し、 誰かを呼び出している様に見えた。
蘇枋
蘇枋
桜
桜
蘇枋
蘇枋
桜
桜
蘇枋
俺より遥に年上な吸血鬼は、 ニッコリ赤い目を細めて笑った。 その場に人間が数人来たが、 俺が食おうとしていた女を 抱き抱え、 直ぐにその場を去っていった。
桜
挑発的な俺の言葉は、 蘇枋には効かなかったらしく、 ニッコリと胡散臭い笑顔を 向けられた。 思わず1つ舌打ちがでた。
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
確かに男の言うことは最もだが、 桜にとって 人間の女性以外から血を吸うのは とても嫌気が刺した。
ましてや、女の吸血鬼なら まだしも、男なんかの血等 ちょっとも吸いたいとは 思わない。
桜
桜
蘇枋
桜
桜
蘇枋の唇から顎にかけ、 スルりと優しく指を滑らす。 赤い目は、少し熱を帯びていて、 ゾクリとする様な視線で俺を見つめた。
蘇枋
蘇枋
そう笑いながら、 男は自分の首筋に爪を突き立て グッと力を入れて 赤い血を流した。
いつの間にやら、 壁に追いやられ この場から逃がさないとばかりに 蘇枋にホールドされていた。 やばいと思った時には もう遅く、
蘇枋の首筋が すぐ傍にあった。 流れ出ている血液は、 ほのかに甘い香りがする。
今の空腹状態の自分では 自制が効かなく、 血の匂いに当てられて 目の前がクラクラとした。
何も考えられなく なった頭で 蘇枋の首筋に 自身の尖った八重歯を刺した。 走った痛みに蘇枋が 一瞬だけ眉を顰める。
蘇枋
ジュルジュル音を立てて 白く綺麗な肌から 血を吸い上げた。 夢中で吸っていると 頭を優しく撫でられた。
同族で、男の血の筈なのに 甘くがっついてしまう程 には美味しくて つい、血液を吸いすぎてしまった。
蘇枋
蘇枋
溶かした砂糖の様に 甘く優しい笑顔で 蘇枋が微笑んだ。 俺の思考は ボヤっとしていて、 本能のままに動いていた。
お互いの口から、 荒く甘い息がもれ出る。
桜
蘇枋
フラリと覚束無い足で この男から離れようとするも 優しく抱きつく様に 取り押さえられた。 まだすこし残る空腹感に 襲われ、 遠慮する間もなく、 流れ出ている血液に 吸い付いた。
蘇枋
良かったよ と胡散臭く笑みを浮かべる 同族の吸血鬼は、 少し乱れた身なりを ぴしりと整えていた。
桜
蘇枋
意地悪そうにこちらをみて 上品そうに笑い つけている年代物の タッセルピアスが揺れた。
桜
蘇枋
蘇枋
誘う時にと 叩き込まれた オニーさん オネーさん 呼び。 この呼び方は、 桜にとっては 一種の癖である。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
ニコニコ上っ面な笑顔を浮かべた 男の表情は読み取れない。 本当にそう思っているのか 居ないのかすらもわからない。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
吸血鬼特有の 赤い目をうるっとさせ、 自分の顔の良さを 分かっているのだろう。 それを引き立てるポーズを とってみせた。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
フフンと得意げに 話してやれば、 どこか苛立った様子の 蘇枋が、ここぞとばかりに 俺の首筋に牙を立ててきた。
桜
桜
蘇枋
蘇枋
桜
ジュルジュル遠慮なく 体内にある血液を 吸い取られて行き、 この場から逃げようとするも 力では何百と生きた吸血鬼には 勝てなくてモゾモゾと動くだけ。
蘇枋
蘇枋
桜
桜
蘇枋
熱っぽい瞳は、 お願いとでも言う様に じっとこちらを見つめてきた。 あまりにも真剣な 眼差しだったので 思わず暴れていた体は フリーズして固まってしまう。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
桜
熟、この吸血鬼は読めない奴だ。 そう思った。 お互いに悪い話ではない 蘇枋はそう言った。 けれどどうだろう この条件だけでは、俺にだけ いい条件だ。 後々何か言われるかもしれない。 そう思い、警戒心を解かず 自分よりも高位な吸血鬼を 睨みつけた。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
桜
桜
蘇枋
蘇枋
「何言ってんだ」 そういい切る前に 唇を塞がれた。 お互いの血の味がする 口内は、 とても甘く感じた。
桜
蘇枋
桜
桜
離れてしまった唇を 自分から蘇枋に くっつけた。 今度はさっきのような 甘ったるいキスではなく、 激しく口内を荒らす様な キスをした。
目の前の男は、 元から大きく綺麗な目を 更に大きくさせ 驚いた表情で固まっていた。 一瞬固まった。 と言うだけで直ぐに 状況を飲み込んだのか 俺の仕返しはまんまと 呑み込まれた。
桜
桜
蘇枋
YESの代わりに 交わした 同族との甘いキスは 嫌悪どころか がっついてしまう程 甘く荒々しい呼吸が盛れた。
これから俺は きっとこの男に 吸血鬼特有である長い寿命を掛けて ゆっくりじっくり 堕とされて行くのだろうか。
それでも今から始まる 今までとは少し違う 日常に フッと微笑んでしまった
蘇枋
桜
蘇枋
同族嫌悪は甘く解かされ__
ℯ𝓃𝒹
コメント
13件
吸血鬼パロだいすこ....見るの遅くなってごめんなさい😢 300フォロワー様おめでとうございます!!まだ2桁だった頃を思い出します...🫶💕相変わらず作品を描くのがお上手で...今回のはすおさくと さくすおがありましたね..♡♡♡
見るの遅くなってすみません💦 この度はリクエスト書いてくださりありがとうございます😭 今回はいつもの少し切なさを感じる甘々なすおさくとは違って、初期桜と蘇枋という珍しい絡みが見られて最高でした✨ ヴァンパイアパロも設定がしっかりしてあって、全く可笑しな点などありませんでした!余り知らないパロディでも、すぐ書けるどっかの誰かさん、尊敬します😊 本当にありがとうございました💕
やべぇ…顔がニタニタしちゃうwwwwwww